数学的帰納法とは?例題で早稲田生が丁寧に解説!不等式の問題も!

数学 2024.2.28
数学的帰納法とは?例題で早稲田生が丁寧に解説!不等式の問題も!

高校数学における数学的帰納法について、早稲田大学に通う筆者が丁寧に解説します。

数学が苦手な人でも数学的帰納法が理解できるように、例題を使いながらわかりやすく解説します。

本記事を読めば、数学的帰納法とは何か・証明方法(解き方)が理解できるでしょう。

ぜひ最後まで読んで、数学的帰納法を理解してください!

 

    1:数学的帰納法とは?解き方がわかる!

    数学的帰納法のイメージ

    まずは数学的帰納法の解き方から解説します。

    数学的帰納法の解き方は1つしかないので、必ず暗記してください!

    ●自然数nに関する命題Pがすべての自然数について成り立つことを証明するには、以下の2つを示す。

    ①n=1の時、命題Pが成り立つことを証明する。

    ②n=kの時、命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1の時も命題Pが成り立つ。

    以上が数学的帰納法の解き方です。この手順は必ず暗記しましょう!

    ①と②を示すことによって、①より、

    n=1の時に命題Pが成り立つ

    →②よりn=2の時も命題Pが成り立つ

    →②よりn=3の時も命題Pが成り立つ

    →・・・

    したがって、すべての自然数nについて命題Pが成り立つと言える。

    というわけです。以上のような証明方法を数学的帰納法と呼んでいます。

     

      2:数学的帰納法の例題

      数学的帰納法のイメージ

      では、以上を踏まえて数学的帰納法の例題を解いてみましょう。

      例題

      nが自然数のとき、

      23+43+63+・・・+(2n)3 = 2n2(n+1)2

      が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。

      証明

      まずはn=1の時に成り立つかを確認します。

      ①n=1のとき

      (左辺)= 23 = 8

      (右辺)= 2・12・22 = 8

      なので、命題は成り立つ。

      ②n=kのとき、命題が成り立つと仮定すると、

      23+43+63+・・・+(2k)3 = 2k2(k+1)2・・・(※)

      となる。ここで、n=k+1のときを考えると、(※)より、

      23+43+63+・・・+(2k)3+{2(k+1)}3

      =2k2(k+1)2+{2(k+1)}3

      (※の両辺に{2(k+1)}3を加えています。)

      =2(k+1)2{(k+1)+1}2

      となるので、n=k+1のときにも命題は成り立つ。

      よって、数学的帰納法よりすべての自然数nについて命題は成り立つことが証明された。

       

      いかがでしたか?

      数学的帰納法の流れが理解できましたか?

      数学的帰納法では、

      ①n=1で命題が成り立つことを確認。

      ②n=kで命題が成り立つと仮定して、n=k+1でも命題が成り立つことを証明する。

      以上の流れを必ず覚えておきましょう!

       

      3:数学的帰納法の例題(不等式の証明問題)

      数学的帰納法のイメージ

      では、今度は不等式に関する数学的帰納法の例題を解いてみましょう!

      例題

      3以上のすべての自然数nについて、以下の不等式が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。

      3n-1 > n2-n+2

      証明

      「nが〇〇以上」という条件の場合は、n=1からスタートするのではなく、n=〇〇からスタートします。

      そして、n=k(kは〇〇以上)を仮定し、n=k+1を証明します。

      ①n=3のとき、

      (左辺)=32=9

      (右辺)=32-3+1=8

      なので、命題は成り立つ。

      ②n=k(kは3以上)のとき、命題が成り立つと仮定すると、

      3k-1 > k2-k+2・・・(※)

      n=k+1のとき、命題において、(左辺)ー(右辺)を考えると、

      3k-{(k+1)2-(k+1)+2}

      = 3・3k-1-(k2+k+2)

      >3(k2-k+2)-(k2+k+2)

      =2k2-4k+4

      =2(k2-2k+2)

      =2(k-1)2+2 > 0

      したがって、n=k+1のときでも命題は成り立つ。

      よって、数学的帰納法より3以上のすべての自然数nについて命題は成り立つことが証明された。

       

      いかがでしたか?

      数学的帰納法とは何か・証明問題の解き方が理解できましたか?

      数学的帰納法では

      ①n=1のとき

      ②n=kで命題が成り立つと仮定。そして、n=k+1で成り立つことを証明

      という流れです。以上の数学的帰納法の流れは必ず覚えておきましょう!

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      この記事の執筆者

      ニックネーム:やっすん

      早稲田大学商学部4年
      得意科目:数学