必要条件、十分条件の意味・覚え方・判別方法をわかりやすく解説!【例題あり】

数学 2024.1.29
必要条件、十分条件の意味・覚え方・判別方法をわかりやすく解説!【例題あり】

「必要条件・十分条件って、そもそもどういう意味?」「いつも確実に正解できなくて、苦手意識がある」「どうすればしっかり覚えきれるのかわからない」と思っている人は多いでしょう。

しかし、「必要」や「十分」の単語の意味、それぞれの条件の矢印の向き、ベン図で表される包含関係などを用いて、様々な方向性のアプローチから必要条件と十分条件の違いや関係性をわかりやすく説明することができます。

ここでは必要条件・十分条件の意味や覚え方、間違わない考え方を紹介します。例題も準備していますので、チャレンジしてみましょう。

この記事で分かること
・必要条件・十分条件の意味や違い
・必要条件・十分条件の間違わない覚え方
・必要条件か十分条件を見分ける方法
		

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    1. 必要条件・十分条件の意味とは?【命題P(十分条件)⇒Q(必要条件)】

    命題P⇒Qが真である時・・

    「PはQの十分条件
    「QはPの必要条件

    といいます。

    また「PQ」と「QP」の両方が成り立つ(真である)とき、

    「PはQの必要十分条件

    といいます。

    実際は、PQの必要十分条件であるとき、それらの表す事柄の内容が一致します。

    簡単な例を見てみましょう。

    ≪例①≫
    「リンゴは果物であるための〇〇条件」〇〇に当てはまるものは何でしょう?
    定義に基づいて、必要条件、十分条件を仮定してみましょう。

    ・リンゴは果物であるための十分条件

    ⇒これはです。

    ・果物はリンゴであるための必要条件

    ⇒果物には、バナナもイチゴもサクランボもありますのでになります。

    真偽(果物)

    だから、リンゴは果物であるための十分条件」になります。

    また、より数学らしい内容を取り上げます。

    《例2》

    「x=18である」と「x3の倍数である」との関係について考えてみましょう。

    18は3の倍数ですから、「x=18であるならばx3の倍数である」は真です。

    ですから、

    「x=18である」は「x3の倍数である」であるための十分条件、

    x3の倍数である」は「x=18である」であるための必要条件である

    となります。

      2.必要条件と十分条件の覚え方

      十分条件と必要条件の決まりを理解したら、次にそれをしっかりと覚えた上で、使いこなせるようになりたいですね。ここからは、必要条件と十分条件を効果的に覚える方法を紹介します。これを読むと、きっと「必要」と「十分」の意味や違いが理解できるでしょう。

      覚え方①「必要」と「十分」の意味で区別する

      • P ならば Q
        →「P が成り立つには Q が(最低限)必要
         Q Pであるための必要条件
      • P ならば Q
        →「Q が成り立つためには P が成り立てば十分
         P Qであるための十分条件

      先ほどの《例1》で紹介しましょう。

      「リンゴである」ならば「果物である」という命題について、

      • 「リンゴである」ためには、まずは「それが果物である」ことが必要。

      「果物である」は「リンゴである」ための必要条件

      • 「果物である」ためには「それがリンゴである」ことがいえていれば十分

      「リンゴである」は「果物である」ための十分条件

      覚え方②矢印の方向で覚える

      必要条件の定義

      PQが真であるとき、Qは必要条件である。」

      から、2つの事柄PQを矢印で結んで成り立つ命題にしたときに、矢のマークがついた方が必要条件だといえます。

      先ほどの《例1》では、

      2つの事柄「リンゴである」と「果物である」を矢印で結んで正しくなるのは、

      「リンゴである」⇒「果物である」(リンゴであるならそれは果物である)

      ですので、矢のマークがついている方の「果物である」が必要条件となります

      (「果物である」は「リンゴである」ための必要条件)。

      覚え方③ベン図のイメージで覚える

      もっと感覚的に考えられないかと思う人もいるでしょう。次に「ベン図」という集合の図を用いて考える方法があります。

      まず、P⇒Qが真であるときのPとQの関係を表す図はどうなるかを描いてみましょう。

      「Pが成り立っているときには必ずQが成り立っている」ので、

      PがQの中にすっぽり入った状態となります(つまりP⊂Q)。

      P⇒Qベン図

      このとき、Pは十分条件、Qは必要条件といいますので、

      ベン図を描いたときに範囲が広い方が必要条件範囲が狭い方が十分条件

      と考えてもよいのです。

      3.例題で必要条件と十分条件の判別をしてみよう!

      それでは具体的に必要条件・十分条件に関する問題を3問考えてみましょう。これで、自分で納得できる方法で確実に正解できれば、自信をもって解くことができるようになるでしょう。

      例題①語句を用いた問題

      ①猫は三毛猫であるための〇〇条件
      ②猫はほ乳類であるための〇〇条件

      【解答】
      ①猫は三毛猫であるための〇〇条件
      ▷覚え方①
      「三毛猫ならば猫である」ので、猫であることは三毛猫であるために必要なことだから必要条件
      ▷覚え方②
      「三毛猫である⇒猫である」ので、猫の方に矢のマークがあることから、猫であることは三毛猫であるための必要条件
      ▷覚え方③
      ペン図を描いてみると

      ネコ三毛猫ベン図
      「猫」の方が「三毛猫」を含んでいて広いので、必要条件

      ②猫はほ乳類であるための〇〇条件
      ▷覚え方①
      「猫ならば哺乳類である」ので、猫であれば哺乳類であることが十分いえるので十分条件
      ▷覚え方②
      「猫である⇒哺乳類である」ので、哺乳類の方に矢のマークがあることから、猫であることは哺乳類であるための十分条件
      ▷覚え方③
      ペン図を描いてみると
      猫哺乳類ベン図
      「猫」の方が「哺乳類」に含まれて狭いので、十分条件

      例題②不等式を用いた問題

      X<7はX≦7であるための○○条件

      【解答】
      X<7とX≦7の違いをまず確認しましょう。
      X<7は7よりも小さな数全体が範囲です。
      それに対してX≦7はその範囲にX=7の場合を付け加えた範囲となります。
      これらはX=7の場合を含むか含まないかだけの違いです。
      ▷覚え方①
      「X<7ならばX≦7」なので、X<7はX≦7であるための十分条件です。
      ▷覚え方②
      「X<7⇒X≦7」となり、矢のマークがX≦7の方についているので、X<7はX≦7であるための十分条件です。
      ▷覚え方③
      X<7とX≦7の範囲を図に表すと、
      x7ベン図
      X<7の範囲がX≦7に含まれて狭いので、X<7はX≦7であるための十分条件です。
      ポイント:不等式や範囲の場合、数直線で判断をする覚え方③で処理した方が結果的に早い

      例題③方程式を用いた問題

      2X+2Y=XY+4はX,Yのうち少なくとも1つは2であるための〇〇条件
      【解答】
      まず、2X+2Y=XY+4を分かりやすい形に変えてみましょう。
      XY+4=2X+2Y
      XY―2X-2Y+4=0
      X(Y―2)-2(Y―2)=0
      (X―2)(Y―2)=0
      X―2=0またはY―2=0
      X=2またはY=2
      ポイント:方程式や不等式などは実際に解いて、簡単な言い方に変えておく

      ここで、X=2またはY=2は、X=2になっても、Y=2になっても、X=2とY=2がどちらも成り立ってもいいという意味で、これはX,Yのうち少なくとも1つは2であるということと全く同じ内容となります。

      したがって、2X+2Y=XY+4はX,Yのうち少なくとも1つは2であるための必要十分条件となります。
      ポイント:比べる2つの事柄が完全に一致(要素が一致)すれば「必要十分条件」と即答

        4. まとめ

        必要条件・十分条件は、どう考えれば答えが出るのか、確信が持てない人が多い分野なのではないでしょうか。けれどもこの記事を読んで、いくつかある考え方の中で確実に答えを導き出せる方法で解けるようになれば、得意分野に変えていけるはずです。

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        この記事の執筆者

        ニックネーム:受験のミカタ編集部

        「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。