イオン化エネルギーとは?電子親和力との違いや求め方と覚え方を図説します!

化学 2024.3.19
イオン化エネルギーとは?電子親和力との違いや求め方と覚え方を図説します!

高校化学におけるイオン化エネルギーについて、スマホでも見やすいイラストで早稲田大生が丁寧に解説します。

化学が苦手な生徒でもイオン化エネルギーが理解できるよう、わかりやすく解説します。

イオン化エネルギーは高校化学でも重要な分野の1つなので、ぜひ理解しておきましょう。

本記事を読めば、イオン化エネルギーとは何か(覚え方・求め方・大きさ)・イオン化エネルギーと電子親和力の違い・イオン化エネルギーと周期表との関係などについて理解できるでしょう!

ぜひ最後までお読みください。

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    1:イオン化エネルギーとは?

    まずはイオン化エネルギーとは何かについて、化学が苦手な人でも理解できるように解説します。

    まず、原子は希ガスの電子配置をマネすることで、陽イオンもしくは陰イオンになろうとするのでしたね。

    ※希ガスは最外殻電子数が8(ヘリウムHeだけは2)で安定しているのでした。

    例えば、原子番号3のLiリチウムの場合、下のイラストのように、最外殻電子数が1なので、電子を1個手放すことによって、希ガスの電子配置になろうとするのでした。

    Liリチウムの最外殻電子数

    電子(マイナスの電荷を持っている)1個が原子からなくなるので、Liリチウムは1価の陽イオンになるのでした。

    Liリチウムが1価の陽イオンになる

    イオン化エネルギーとは、原子がどれぐらい(1価の)陽イオンになりにくいか?を表したものです。

    つまり、陽イオンになりにくい原子ほどイオン化エネルギーが大きいということになります。

    イオン化エネルギーのイメージがつかめましたか?

    次の章では、イオン化エネルギーと電子親和力の違いを学習しましょう。

     

      2:イオン化エネルギーと電子親和力の違い

      よくある疑問として、「イオン化エネルギーと電子親和力の違いがわからない」というのがあります。

      その疑問を解消しておきましょう。

      イオン化エネルギーは原子の1価の陽イオンになりにくさを表したものでした。

      それに対して電子親和力は、原子の陰イオンになりやすさをを表したものです。

      イオン化エネルギー代替

      つまり、電子親和力が大きいほど原子は陰イオンになりやすいということです。

      イオン化エネルギーと電子親和力はよく混同しやすいので、しっかり違いを覚えておきましょう!

       

      3:イオン化エネルギーの求め方と覚え方

      では、本章からは実際にイオン化エネルギーを求めてみましょう。

      原子Mにイオン化エネルギーEを加えた結果、原子がM+になった」という場合を考えてみましょう。

      これを式にしてみると、

      M + E = M+ + e

      (M+:陽イオン、e:電子)

      となりますね。

      以上がイオン化エネルギーの求め方の式になるのですが、少し覚えにくかもしれません。

      そんな人は、イオン化エネルギーの覚え方として、頭の中で以下のイラストのようにイオン化エネルギーをイメージすると良いでしょう。

      イオン化エネルギーの覚え方

      原子Mがイオン化エネルギーEを吸収すると、M+(陽イオン)とe(電子)に分裂するというイメージです。

      物理の教科書では、先ほど紹介したイオン化エネルギーの式

      M + E = M+ + e

      を変形して、

      M = M+ + e + E

      としているものが多いと思います。これは、イオン化エネルギーEは右辺に書くことが一般的であるからです。

       

        4:イオン化エネルギーと周期表の関係

        イオン化エネルギーと周期表の関係はとても重要なので必ず学習しておきましょう。

        まず、周期表においては、行のことを周期といい、列のことを族というのでしたね。

        周期表における周期と族

        まずはこれを頭に入れておきましょう。

        イオン化エネルギーと周期の関係

        周期表において、同じ周期では、原子番号が増えるにつれてイオン化エネルギーは大きくなります。

        イオン化エネルギーと周期の関係

        例えば、同じ第2周期であるLiリチウム(原子番号3)とFフッ素(原子番号9)の最外殻電子数を比べてみましょう。

        LiリチウムとFフッ素の最外殻電子数

        イオン化エネルギーは陽イオンにどれだけなりにくいか?でした。

        LiリチウムとFフッ素を陽イオンにする場合、リチウムの場合は電子を1個取るエネルギーで済みますが、Fフッ素の場合は7個も取らないといけません。

        当然電子を1個取る場合よりも7個取る場合の方が大きいエネルギーが必要なので、Fフッ素の方がイオン化エネルギーは大きくなります。

        同じ周期では、原子番号が増えるにつれてイオン化エネルギーは大きくなることをしっかり覚えておきましょう!

         

        イオン化エネルギーと族の関係

        族に注目した場合はどうでしょうか?

        周期表において、同じ族では、原子番号が増えるにつれてイオン化エネルギーは小さくなります。

        イオン化エネルギーと族の関係

        例えば、同じ族であるBeベリリウム(原子番号4)とMnマンガン(原子番号12)のイオン化エネルギーを比べてみます。

        同じ族では、最外殻電子数は同じですが、電子の数は原子番号が増えるにつれて多くなりますね。

        電子の数が増えるほど、最外殻の電子は原子核(中心)から遠ざかります。

        電子の数と最外殻の電子との距離

        最外殻が原子核(中心)から遠ざかるほど電子を引っ張る力は弱くなるので、電子を放出しやすくなります。

        電子を放出しやすいということは、陽イオンになりやすいということなので、イオン化エネルギーは小さくなります。

        つまり、同じ族では、原子番号が増えるにつれてイオン化エネルギーは小さくなります!

         

          まとめ

          イオン化エネルギーとは何か、イオン化エネルギーと電子親和力の違い、求め方と覚え方、周期表との関係が理解できましたか?

          イオン化エネルギーは高校化学でもこの先よく出てくるので、しっかり理解しておきましょう。

          ぜひ理解しておきましょう!

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:やっすん

          早稲田大学商学部4年
          得意科目:数学