【数Ⅱ】円の基本(円の方程式&円の接線)を完全マスター!公式と証明を丁寧に解説します!

数学 2024.3.25

円に関する問題は、基礎問題から三角関数を絡めた応用問題まで出題されるため、多くの大学で問題が扱われています。2015年度は、早稲田大学社会科学部東京大学文系などで出題されました。今年度も多くの大学で出題される可能性があります。

そこで今回は、円のなかでも最も頻度が高い円の方程式と円の接線の公式、証明を紹介します。特に、円の接線の公式は覚えているか覚えていないかで解答スピードに大きな差が出ます。今回の記事でしっかりマスターしましょう!

1. 円の方程式(公式)

円の方程式で覚えておかなくてはならないのが、以下の2つの式です。

【円の方程式】

中心(X, Y)=(A, B)で半径Rの円の方程式

(X-A)2+(Y-B)2=R2

円の一般式

X2+Y2+LX+MY+Z=0

※L2+M2-4M>0の時に限る

 

2. 円の方程式(証明)

証明は至ってシンプルです。

 

上図から分かるように、Rの長さは三平方の定理を使って・・

 

両辺を2乗すると・・

(X-A)+(Y-B)=R

一般形の方は、上の式を展開し、まとめたものです。

しかし、公式のところで記載しましたが、一つだけ条件(L+M-4N>0)があります。それを証明します。

一般式を変形すると

置き換えると・・

だから

どちらとも重要なので、円を見たら方程式が立てられるだけでなく、方程式を見たら、円がどのような円か分かるようにしましょう。

 

3. 円の接線(方程式)

円の接線の方程式も大切なので必ず覚えましょう。

円の接線の方程式

(X-A)2+(Y-B)2=R2の点(X1, Y1)の円の接線の方程式

(X1-A)(X-A)+(Y1-B)=R2

特に、中心が(0, 0)の円の接線の方程式

X1X+Y1Y = R2

 

 

4. 円の接線(証明)

少し、複雑ですが、数学的に大事な平行移動の考え方が含まれているので、是非最後まで目を通して理解しましょう。

円1:(X-A)+(Y-B)=R上の点N(X0,Y0)の接線が(X0-A)(X-A)+(Y0-B)(Y-B)=Rになる事を証明します。

【方針】

(1)円2:X+Y=R上の点M(X1,Y1)の接線がX1X+Y1Y=Rになる事を証明する。

(2)X+Y=R上の点M(X1,Y1)の接線をX0、Y0で置き換える。

(3)(2)をX方向にA、Y方向にB平行移動する。

 

【証明】

方針(1)

以下の3パターンに分けて証明します。

①Y1=0の時

これは、X=-R、Rの時の2つあります。

X1X+Y1Y=Rを満たします。

②X1=0の時

これは、Y=-R、Rの時の2つあります。

X1X+Y1Y=Rを満たします。

③X≠0、Y≠0の時(X軸Y軸上にない時)

接線は、原点を通るL(傾き )に垂直になるので傾きは

接線はM(X1、Y1)を通るから

展開すると・・

X1、Y1は円上の点だから

よって

 

これで、方針(1)は終了しました。

次は、方針(2)X+Y=R上の点M(X1,Y1)の接線をX0、Y0で置き換えます。

方針(2)

円1は円2をX方向にA、Y方向にB平行移動したものなので

円1上の点N(X0,Y0)は

X0=X1+A⇔X1=X0-A

Y0=Y1+B⇔Y1=Y0-B

だから、円2の接線をX0,Y0で表すと

(X0-A)X+(Y0-B)Y=Rになります。

最後に、方針(3)を行います。

あとは、(2)をX方向にA、Y方向にB平行移動するだけです。

(X0-A)X+(Y0-B)Y=RX方向にA、Y方向にB平行移動するので

(X0-A)(X-A)+(Y0-B)(Y-B)=R

になります。

5. 練習問題

【解答】

公式に当てはめると

(4-2)(X-2)+(6-4)(X-4)=8

X-2+Y-4=4

X+Y=10

【公式を使わない場合】

 

中心Pから接点に向かう青い直線は接線と90°で交わっている。

まず、青い直線の傾きを求める。

傾きは、

よって接線の傾きは-1になる。

接線は(X,Y)=(4,6)を通るから

Y-6=-(X-4)

X+Y=10になる。

これは、接線の証明の方針(1)と同じ事をしていますので、圧倒的に公式を使った方が早いです。

公式は絶対に覚えましょう!

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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