組成式とは?分子式との違いも解説!一覧表つき!

化学 2018.11.6

組成式は、化学で、物質に含まれている原子が何かを示すために用います。

しかし、化学では様々な種類の式が出てくるため、その区別がよく分からないという人もいるでしょう。

化学式は物質に含まれている元素の種類と数を示しているものなのに対して、組成式や分子式は何を意味しているのでしょうか?

この記事で、酢酸や水、塩化ナトリウムを例にして、組成式の求め方を確認してみましょう。

1.組成式とは?分子式との違いも!

組成式は、元素の種類と比を示す式です。

これまで習った化学式は物質に含まれている元素の種類と数を表していますが、組成式は化学式の一種ではなく、区別して定義されているものです。

例えばC4H8O2という化学式で表される物質があったとすると、炭素と水素と酸素の数の比は2:4:1で、組成式にするとC2H4Oになります。

一方、C5H12Oという化学式の物質については、炭素と水素と酸素の数の比は5:12:1です。
この場合には、組成式もC5H12Oとなり、化学式と組成式は同一になります。

物質に含まれている元素の数と、それらの比が一致するときには、化学式と組成式が同じになるのです。

 

組成式のほかにも、化学式について話題にするとき、よく登場する式が分子式です。

分子式は、組成式とは異なります。
分子式は、その名の通り、分子の化学式のことです。

分子とは、原子が結合してできた物質の最小単位を示しています。

例えば、空気を構成している主成分である窒素は、窒素原子が二つ結合することによりN2という窒素分子を形成しています。
酸素についても同様に、酸素原子が二つ結合してO
2という酸素分子となっています

このN2やO2は、それぞれ窒素分子、酸素分子の分子式です。

これに対して、例えば鉄の場合には、原子が構成単位となっていて化学式はFeになり、分子ではないので分子式はありません。

このような単一の元素で構成されている物質について、組成式を問われることはあまりありません。
ただし、厳密に表現するなら、窒素分子はN、酸素分子はO、鉄はFeになります。

また、陽イオンと陰イオンの組み合わせで作られている金属塩についても同様です。
例えば、塩化カリウムはKClが化学式ですが、分子式はなく、組成式は化学式と同じKClになります。

2.組成式の例題:酢酸や水の場合

組成式や分子式の概要が分かったので、次は例題を通して理解をさらに深めましょう。

酢酸と水は、組成式に関わるテーマでよく出題されます。

酢酸の化学式はC2H4O2、水の化学式はH2Oですが、それぞれの分子式、組成式を求めてみましょう。

酢酸は分子なので分子式があり、化学式と同じC2H4O2になります。
より構造がよくわかるようにCH
3COOHという書き方をする場合もありますが、特に問題文中に指示がない場合には、どちらを答えても大丈夫です。

一方、組成式は、C2H4O2ではありません。
炭素、水素、酸素の数を見てみると、2:4:2です。
公約数の2で割れるとわかるでしょう。

ここで、炭素と水素と酸素の比が1:2:1だとわかります。
もうこれよりも小さな数で比にすることはできないので、酢酸の組成式はCH
2Oです。

 

酢酸
分子式 組成式
C2H4O2
または
CH
3COOH
CH2O

 

次に、水についてです。

水も分子なので分子式があり、化学式と同じでH2Oです。

組成式は、水素と酸素の比が2:1で、化学式にあるそれぞれの元素の数に一致するため、H2Oになります。

分子式 組成式
H2O

 

H2O

 

3.組成式の例題:塩化ナトリウムの場合

組成式に関する問題では、塩化ナトリウムの問題もよく出題されます。
塩化ナトリウムの化学式はNaClですが、その分子式と組成式を求めてみましょう。

塩化ナトリウムは、陽イオンと陰イオンの組み合わせによって作られている塩です。
陽イオンはナトリウムイオンで、Na
+と表記します。
陰イオンは塩化物イオンで、Cl
と書きます。

イオンによって構成されている塩化ナトリウムは、分子ではないので、分子式はありません。

組成式の練習問題

 

組成式は、ナトリウムイオンと塩化物イオンの比を考えれば大丈夫です。
この例では、化学式と同じでNaClになります。

基本的に、陽イオンと陰イオンの組み合わせで作られている物質は、そのイオンが無数に規則正しく連なってできているのが特徴です。
その最小単位を化学式として定めているので、組成式は化学式に一致すると覚えておくと良いでしょう。

 

塩化ナトリウム
分子式 組成式

 

NaCl

 

 

4.組成式の作り方の基本とは?

組成式の問題で、塩化ナトリウムなどの無機物を扱うときには、化学式を与えられず、組成式を物質の名称から答えなければならない場合もあります。

よく用いられる陽イオンと陰イオンの一覧表を作って覚え、組み合わせ方を理解しておけば簡単に問題を解けるようになるでしょう。

よく登場するイオンとしては、次のようなものがあります。

陽イオン…Li+、Na+、K+、NH4+、Mg2+、Ca2+など

陰イオン…F、Cl、Br、CH3COO、OH、SO42-、CO32-、PO42-、O2など

ナトリウムイオンと塩化物イオンの組み合わせで、塩化ナトリウムができますが、リチウムイオンと炭酸イオンを組み合わせると炭酸リチウムができます。

重要なのは、どのような比率で組み合わせると組成式を導き出せるかです。

陽イオンは正電荷を帯びているのに対し、陰イオンは負電荷を持っています。
プラスとマイナスが互いに引き寄せ合う力を利用して物質が形成されていて、全体として電荷を帯びていない状態になっているのが特徴です。

そのため、組み合わせるときには、陽イオンの正電荷と陰イオンの負電荷を中和するように数を選べば良いと言えます。

例えば塩化ナトリウムの場合には、ナトリウムイオンが+1の電荷を持ち、塩化物イオンは-1の電荷を持っています。
この2つを1:1の比率で組み合わせると電荷が中和されるとわかるでしょう。

一方、炭酸リチウムの場合にはリチウムイオンは+1の電荷なのに対し、炭酸イオンは-2の電荷を持っています。
リチウムイオンを2つ、炭酸イオンを1つという組み合わせ方をすると電荷が中和されるため、Li
2CO3という組成式になります。

 

5.組成式の作り方の例題:炭酸ナトリウム

組成式の作り方の問題で、よく出題される炭酸ナトリウムを求めてみましょう。

炭酸ナトリウムは、ナトリウムイオンと炭酸イオンから構成されていて、それぞれのイオン式はNa+、CO32-です。
ナトリウムイオンは+1の電荷を持ち、炭酸イオンは-2の電荷を持っています。

ナトリウムイオンと炭酸イオンを、2:1の比率で組み合わせることにより電荷を中和できるため、Na2CO3という組成式を導き出せるでしょう。

 

化学式を与えられていない場合には、イオン式を覚えていないと、陽イオンと陰イオンをどのような比率で組み合わせたら良いかがわかりません。

基本的なイオン式は覚えておくようにしましょう。

 

まとめ:組成式の意味がわかれば求めるのは簡単

物質の組成式を求める問題は、化学ではよく出題されます。

陽イオンと陰イオンを覚え、比例計算をして組み合わせれば組成式を出すことは簡単です。

また、分子の場合には分子式の各元素の数を見て約分すれば組成式になります。

このような計算方法をマスターして、様々な物質を構成しているイオンの種類や化学式、分子式から、組成式を求められるようになりましょう。


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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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