元素記号の覚え方は語呂合わせで解決!周期表や元素の性質も分かりやすく紹介!

受験生の皆さん、自分に合った元素記号の覚え方が見つからずに、苦労していませんか?
化学の勉強は、まず元素記号を覚えることから始まります。
元素は数が多く、暗記なんて無理!と思うかもしれませんが、周期表の「意味」の理解や語呂合わせによる暗記で、労力を軽くすることができます。
元素でつまずいて化学が大きな弱点とならないよう、この記事で何度でも復習しましょう。
1.元素記号の覚え方①そもそも元素とは?
まず、元素や元素記号について、簡単に説明しておきます。
元素とは、「いろいろな物質の元になる、これ以上は決して分解されないような部品」のことを指します。
例えば、水は化学式H2Oで表され、水素(H)と酸素(O)とに分解されます。
しかし水素(H)や酸素(O)は、どのような科学的方法を使っても、さらに小さい物質に分解することはできません。
つまり、水(H2O)は元素ではなく、水素(H)や酸素(O)は元素となります。
2.元素記号の覚え方②周期表ってどんなもの?周期表が見たい方はこちら!
元素記号がまとまっている表を「周期表(元素周期表)」とよびます。
現在、元素は100種類以上発見されています。
元素は、例えばHとOなど、種類ごとに重さが異なります。
元素を重さの順に並べると、ある分類ごとに並ぶ部分があったり、性質のよく似た元素が並ぶことがあったりします。
周期表は、そのような法則が一目でわかるように整理され、作成されています。
受験においては、周期表をしっかり理解することで、物質の性質が覚えやすくなります。
教科書や参考書にも様々な周期表が付いていると思いますが、「受験のミカタ」オリジナルの見やすい周期表を作りましたので、ぜひご活用ください。
▲クリックで大きい画像が表示されます。
例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)の4つの元素は、周期表で同じ縦列に並んでいる元素ですが、
- どれも他の元素と化合物をつくりやすい
- 硝酸銀(AgNO3)と作用させると、銀(Ag)との化合物をつくる
という2つの共通点を持っています。
このように、周期表の縦列やご近所に似た性質の元素が周期的にあらわれることを、元素の周期律とよびます。
さて、元素には元素番号がありますが、周期表での基本的な元素の並び方は、「横列を左から右に行くにつれて、元素番号が大きくなっていく」というものです。
さらに、横列が上から下に行くにつれても、元素番号は大きくなっていきます。
ちょうど、カレンダーの日付のような感じですね。
ここで、それぞれの横列のことを周期、縦列のことを族とよびます。
周期表の並びがあらわす元素の性質についても、この表では分かりやすく色分けをしています。
表をみると様々な色のグループに元素記号が分けられていますが、同じ色で塗られた元素同士は性質が似ており、異なる色で塗られた元素とは性質が異なります。
例えば、オレンジ色のアルカリ金属のグループは他の元素と反応しやすく、紫の遷移元素は他の元素と反応しにくい性質があります。
より詳しく周期表の分類を知りたい人は、元素周期表についてわかりやすく解説した記事を参考にしてください。
周期表には、多くの元素が書かれていますが「全部覚える必要があるの?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
高校の範囲では、この表の全てを記憶する必要はありません。
まずは、原子番号1番から20番までの20個を最低限覚えておくとよいでしょう。
周期表の語呂合わせを次の項目でまとめていますので、ぜひ活用してください。
3. 【元素記号の覚え方はこれ!】周期表の語呂合わせをイラスト付きで紹介
ここでは、元素周期表の暗記が簡単になる語呂合わせを紹介します。
周期表は、多くの人が語呂合わせに挑戦しており、多種多様なバリエーションが存在します。
例として、以下に語呂合わせを載せておきましたので、よければ参考にしてください。
これ以外にも様々なバリエーションがあるので、自分の覚えやすいものを選ぶとよいですし、自分でゴロ合わせを作ってしまっても構いません。
3-1.【元素記号の覚え方】基本のゴロ合わせ
まず、周期表の上から原子番号順に覚えていく語呂合わせを紹介します。
① 原子番号1(H)~20(Ca)
スイ(水素H)ヘイ(ヘリウムHe)リー(リチウムLi)ベ(ベリリウムBe)
ボ(ホウ素B)ク(炭素C)ノ(窒素N、酸素O)フ(フッ素F)ネ(ネオンNe)
ナ(ナトリウムNa)マエ(マグネシウムMg)アル(アルミニウムAl)シッ(ケイ素Si)プ(リンP)ス(硫黄S)
クラ(塩素Cl)ー(アルゴンAr)ク(カリウムK)カ(カルシウムCa)
② 原子番号21(Sc)~36(Ca)
スコ(スカンジウムSc)ッチ(チタンTi)バ(バナジウムV)クロ(クロムCr)マン(マンガンMn)
テツ(鉄Fe)コ(コバルトCo)ニ(ニッケルNi)ドウセ(銅Cu)アエン(亜鉛Zn)ガ(ガリウムGa)
ゲイ(ゲルマニウムGe)アッ(ヒ素As)セン(セレンSe)ブロー(臭素Br)カー(クリプトンKr)
③ 原子番号37(Rb)~54(Xe)
銀行カードと印鑑、スースーすべって 行く帰省。
ルビージイサン(ルビジウムRb)ストロー(ストロンチウム Sr)イ(イットリウム Y )ジル(ジルコニウム Zr)。
ニモツオブッテ(ニオブ Nb)モッ(モリブデン Mo)テク (テクネチウム Tc)ルッテ(ルテニウム Ru)
ロウジン (ロジウム Rh) パラダイス(パラジウム Pd)
銀行(銀Ag)カードと(カドミウム Cd)インカン(インジウム In)
スースー(スズ Sn)スベッ(アンチモンSb) テ(テルル Te)イク(ヨウ素 I)キセイ(キセノンXe)
雪国が地元なら、スキーでスースーすべって帰省できますよね。
④ 原子番号55(Cs)~86(Rn)
「金髪ハゲたら生ビール出します」 ポロシャツあとで連写。
セシュウ(セシウムCs) バリカタの(バリウムBa)ラーメンテン(ランタノイド)
ハーフ(ハフニウムHf)タン(タンタルTa)タンメン(タングステンW)レンニュウ(レニウムRe)オス(オスミウムOs)イリ(イリジウムIr)ハッケン(白金Pt)
「金髪(金Au)ハゲ(水銀Hg)タラ(タリウムTl)生(鉛Pb) ビールダシマス(ビスマスBi)」
ポロシャツ(ポロニウムPo)アトデ(アスタチンAt)レンシャ(ラドンRn)。
世襲バリカタのラーメン店ということは、親の代から受け継いだ、麺の固いラーメンを出す店。
頑固親父がいそうですね。
ハゲかけた金髪でポロシャツのお客さんも気になりますね。
そんな人がいたら、連写してしまうこと間違いなし。
⑤ 原子番号87(Fr)~118(Uuo)
コップにうんと触れろ。 うっぷ、リバースしそうに、うんお口チャック。
フランスジン(フランシウムFr)ラシイ(ラジウムRa)アク(アクチノイド) ロウフ(ラザーフォージウムRf)、
ドブデ(ドブニウムDb)スグ(シーボーギウムSg)ボウリング(ボーリウムBh)
ハシル(ハッシウムHs)マイト(マイトネリウムMt)ダサイ(ダースタチウムDs)レントゲン作戦(レントゲニウムRg)
コップニ(コペルニシウムCn)ウント(Uut)フレロ(フレロビウムFl)
ウップ(ウンウンペンチウム Uup )リバースしそうに(リバモリウムLv)ウンオクチチャック(ウンウンオクチウムUuo)
(※なお、ウント→ニホニウム Nh、ウンウンペンチウム→モスコビウム Mc、ウンウンオクチウム→オガネソンOgと呼ばれることもあります。)
ドブなんかでボウリングするから、ボールが遠くまで転がって行っちゃったのでしょう。
それを拾うために走って取りに行きたくないから、ダサい「レントゲン作戦」をしたのですね。
骨が折れているというレントゲン写真を偽装して、走らない言い訳にする作戦…でしょうか。
3-2.【元素記号の覚え方】族ごとに覚える語呂合わせ
もう一つの語呂合わせとして、周期表を縦(族)に覚えていく方法があります。
覚えておきたい1族、2族、17族、18族
① 1族
スイ(H水素)リヲ(Liリチウム)ナント(Naナトリウム)カ(Kカリウム)ルビー(Rbルビジウム)セシメテ(Csセシウム)フランスヘ(Frフランシウム)
② 2族
ベッドニ(Beベリリウム)モグッタ(Mgマグネシウム)カノジョノ(Caカルシウム)スリッパ(Srストロンチウム)バ(Baバリウム)ライロ(Raラジウム)
③ 17族
フー(Fフッ素)クル(Cl塩素)ブラリタビ(Br臭素)アイム(Iヨウ素)アット(Atアスタチン)トサ(Tsテネシン)
④ 18族
ヘンナ(Heヘリウム)ネエチャン(Neネオン)アル(Arアルゴン)クラヤミデ(Krクリプトン)キスノ(Xeキセノン)レンパツ(Rnラドン)オッカネー(Ogオガネソン)
以上の1族、2族、17族、18族はそれぞれアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、希ガスという名前がついていて問題を解く際に知っておく必要があることが多いため、覚えておいて損はありません。
そのほかの族ごと語呂合わせ
⑤ 3族
スカ(Scスカンジウム)イ(Yイットリウム)ラ(ランタノイド)アク(アクチノイド)
ファミレスなどを経営する会社の名前「すかいらーく」ですね。
⑥ 4族
チ(Tiチタン)ズルハ(Zrジルコニウム)ハーフデ(Hfハフニウム)ラフナヤツ(Rfラザフォージウム)
⑦ 5族
バナナヲ(Vバナジウム)ニオッテ(Nbニオブ)タベタ(Taタンタル)ドブネズミ(Dbドブニウム)
⑧ 6族
クロイ(Crクロム)モリ(Moモリブデン)ダブルデ(Wタングステン)シボウフラグ(Sgシーボーギウム)
⑨ 7族
マンガ(Mnマンガン)テクニック(Tcテクネチウム)レイン(Reレニウム)ボー(Bhボーリウム)
⑩ 8族
テ(Fe鉄)ルテルボウズノ(Ruルテニウム)、オス(Osオスミウム)ハシッテル(Hsハッシウム)
⑪ 9族
コ(Coコバルト)ロシアムニ(Rhロジウム)ハイル(Irイリジウム)マイトネル(Mtマイトネリウム)
⑫ 10族
ニッコリ(Niニッケル)パラダイス(Pdパラジウム)ハッケン(Pt白金)デス(Dsダームスタチウム)
⑬ 11族
ドウ(Cu銅)ギヲ(Ag銀)キタ(Au金)RGレントゲントル(Rgレントゲニウム)
⑭ 12族
アエンゾ(Zn亜鉛)カドノ(Cdカドミウム)ハゲタ(Hg水銀)コッペパン(Cnコペルニシウム)
⑮ 13族
ボク(Bホウ素)アルコール(Alアルミニウム)ガノメナイ(Gaガリウム)イン(Inインジウム)テリ(Tlタリウム)ニホンジン(Nhニホニウム)
⑯ 14族
ク(C炭素)サイ(Siケイ素)ゲー(Geゲルマニウム)センニ(Snスズ)ナマッタ(Pb鉛)フレンズト(Flフレロビウム)
⑰ 15族
ニン(N窒素)ポウ(Pリン)ヒソヒソ話の術(Asヒ素)サビシイアンチャン(Sbアンチモン)
ビスケットモッテ(Biビスマス)モスクワヘ(Mcモスコビウム)
⑱ 16族
オ(O酸素)サルノ(S硫黄)セカイヘ(Seセレン)テレ(Teテルル)ポート(Poポロニウム)リバースシテモリヘ(Lvリバモリウム)
4.元素記号の語呂合わせまとめ
元素記号について、基礎的な用語や周期表、語呂合わせを紹介してきましたが、まとめると以下のようになります。
① 元素とは、「いろいろな物質の元になる、これ以上は決して分解されないような物質」のこと
② 周期表とは、性質のよく似た元素がまとめられた表のこと。それぞれの行のことを周期、列のことを族とよぶ
③ 周期表を覚えるための語呂合わせは、周期ごとや族ごとなど様々なものがある
元素記号や周期表は、化学を学ぶ中では避けては通れません。
初めて化学を学ぶ人だけでなく数年学んだ人も、くれぐれも漏れの無いよう、この記事を復習に活用してくださいね!