分子量とは?単位と簡単な計算方法も解説!
高校化学基礎の原子分野では「分子量は何を表す値なのだろうか?」「分子量から物質量[mol]はどのように求めれば良いの?」という疑問が出てくるでしょう。
分子量は、分子を構成する原子の原子量の和で求めることができ、それは1molあたりの分子の質量を表します。分子量が分かると、物質量を求める計算問題も解けるようになります。
分子量や物質量の計算は、化学基礎だけでなく高校化学の理論化学でも役立ちます。最後まで読んで理論化学の基盤ともいえる計算をマスターしましょう。
・分子量の定義についての理解
・分子量の求め方
・分子量から物質量を求める方法
▶原子量とは?求め方や単位も見やすい図と例で即理解!分子量との違いも
▶物質量の求め方とは?単位や計算問題も解説!
▶アボガドロ定数とは?原子量・分子量・モルとの関係と物質量の求め方
1.分子量とは分子式に含まれる元素の原子量の和
1-1.分子量は分子1molあたりの質量
2.分子量は単位がない
3.分子量と式量の違いとは?
3-1.式量はイオン結合で構成されている分子の原子量の和
4.分子量から物質量[mol]を計算する方法
4-1.分子の質量[g]を分子量で割る
5.まとめ
分子量とは分子式に含まれる元素の原子量の和
分子量とは、化合物の分子式に含まれている原子の原子量の合計で表すことができます。原子量とは何か忘れた人は、「▶原子量について解説した記事」をご覧ください。
実際に例題を使いながら分子量を求めてみます。
分子量は分子1molあたりの質量
分子量はある分子を1mol集めれば何gになるのか?を示したものです。例として水分子(H2O)を考えてみましょう。
【例題】H2Oの分子量は?
H2Oの分子量を計算せよ。ただし、H(水素)の原子量を1、O(酸素)の原子量を16とする。
【解説】
H2OはH(水素原子)が2個とO(酸素原子)が1個で構成されています。
分子量は、分子式(H2O)に含まれている原子の原子量の合計なので、H2Oの分子量は
=18・・・(答)
となります。つまりH2Oの分子量が18ということは、H2Oを1mol集めれば質量が18gになるということです。
分子量は単位がない
分子量に単位はないです。原子量にも単位はありませんでした。(詳しくは「▶原子量について解説した記事」をご覧ください。)
分子量は原子量の合計なので、単位がありません。ただし、先ほど解説した通り分子量は、その分子を1mol集めたときの質量[g]を表していることは必ず覚えておきましょう。
分子量と式量の違いとは?
高校化学においては、分子量と式量はほぼ同じと考えて問題はないです。しかし、厳密には違いがあるので紹介しておきます。興味がある人はぜひ読んでください。
式量はイオン結合で構成されている分子の原子量の和
式量とは、イオン結合で構成されている分子(NaClやKNO3など)の原子量の合計です。分子量は、共有結合で構成されている分子(H2OやO2など)の原子量の合計です。分子が共有結合しているかイオン結合しているかで呼び方が異なります。
しかし、基本的には「式量を求めよ」と言われたら「分子量を求めればいいのだな」と思って問題はありません。
分子量から物質量[mol]を計算する方法
分子量は簡単に求められるので、分子量のみを求めるという問題は化学ではあまり出題されません。化学の問題でよく出題されるのが分子量から物質量を求めるという計算です。
分子の質量[g]を分子量で割る
物質量[mol]を求める計算は、問題で与えられている質量[g]を分子量で割ることで求めることができます。では、実際に例題を解きながら解説します。
【例題】水H2Oを360g集めたときの物質量[mol]を計算
水H2Oを360g集めたときの物質量[mol]を計算せよ。ただし、Hの原子量を1、Oの原子量を16とする。
【解答&解説】
まずはH2Oの分子量を求めます。
= 1×2 + 16×1
= 18
つまり、H2Oを18g集めれば1molになるということです。では、H2Oを360g集めれば何molになるでしょうか?
= 20[mol]・・・(答)
となります(下図参照)
分子量から物質量[mol]を計算して求めるのは化学の問題を解く途中でもよく使うので、できるようにしておきましょう!
まとめ
本記事では、単位や式量との違い、物質量[mol]を求める計算まで行いました。特に、分子量から物質量[mol]を求める計算は必ずできるようにしておきましょう!
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