アボガドロ定数とは?原子量・分子量・モルとの関係と物質量の求め方

化学 2018.10.17

アボガドロ定数とは、物質量の計算などに欠かせない知識です。

化学の基本でもあるmolの考え方とともに、早めにマスターしておきたいところでしょう。

今回は、そんなアボガドロ定数について、分かりやすく解説しました。

→モル濃度について知りたい方はこちら!

1.アボガドロ定数とは?

アボガドロ定数とは、6.02×1023のことで、この数の原子や分子を1モル(mol)と表します。

物質の個数を表す言葉に『モル(mol)』という単位があります。

詳しくは次の章で解説しますが、例えば、ある物質Aと、別の物質Bを同じ条件で比べたいとき、2つの物質を同じ重さでそろえても、同じ条件にはならないという場合があります。

なぜなら、同じ1グラム(g)の中に物質Aは1000個入っているけど、物質Bは5000個入っている、というようなことが起こるからです。

つまり、物質は、それぞれ密度が違う=同じ大きさの中に入っている個数がそれぞれ違うということです。
そこで、モル(mol)という単位が必要になるわけです。

1モルは、アボガドロ定数(6.02×1023)の6.02×1023数です。

例えば、炭素(正確には炭素12)には、12グラムで1アボガドロ定数個の炭素原子が存在します。
これを、12グラムの炭素の個数は1モルと表現します。

また物質の数÷アボガドロ定数で求めたモルの数は物質量といいます。

 

アボガドロ定数6.02*10^23(mol^-1)

 

2.アボガドロ定数とモル(mol)の定義

原子や分子などの物質の個数を表すときには、通常の表現方法では数が大きすぎて不都合であるため、モル(mol)という単位を使用します。

1モルとは、1アボガドロ定数(個)のことで、アボガドロ定数とは分子・原子・イオンなどの物質の個数が6.02×1023あることを表します。

ややこしく感じるかもしれませんが、数の単位である「1ダース=12個」が「1モル=6.02×1023個」と同じ役割をしています。

「ボールペン12本」のことを「ボールペン1ダース」と表すように、「炭素6.02×1023個」を「炭素1モル」と表します。

 

原子量12の炭素(炭素12)が12グラムある中には、炭素原子が6.02×1023個あります。
つまり、1アボガドロ定数個あるため、炭素12は12グラムで1モルと定義されています。

アボガドロ定数の定義を元にして、他の原子に関しても、6.02×1023個集まった場合の質量、つまり原子1モルの質量が定義されています。

この原子1モルあたりの質量を原子量と言い、また分子1モルあたりの質量を分子量と言います。

原子量は周期表に記載されているため、一度確認しておくと良いでしょう。
例えば一番左上にある水素には、原子量がおよそ1であることが書かれています。

細かい数値はテストに出ることがなく覚える必要もありません。
必要なのは主要な原子の整数値なので、「水素なら1」「炭素なら12」「酸素なら16」というように覚えましょう。

どうしても細かい数値が必要になった時には、周期表を参考にすれば大丈夫です。

 

このモルという単位を使用することによって、物質の個数を容易に把握することが可能になりました。
また、化学反応を起こす際に必要な物質の質量を求めたり、あるいは物質の質量から個数を求めることが簡単になります。

アボガドロ定数は化学を理解する上で非常に重要であるため、アボガドロ定数が6.02×1023であること及び個数を表す定数であることをしっかり覚えておきましょう。

 

3.アボガドロ定数の基本計算①原子量と分子量

ここでは、アボガドロ定数と関係の深い原子量と分子量について見ていきましょう。

原子には、1つ1つに固有の質量があります。

例えば、炭素12は1モルで12グラムですが、水素1は1モルで1グラムの質量を持ちます。
他の原子も同じように質量が知られているため、入試などで全く知らない分子に出会ったとしても、化学式が分かれば、その分子を構成する原子の原子量を計算することによって分子量を求めることができます。

 

例えば、プロパンの分子式(C3H8)から分子量を求めてみましょう。

分子式から、プロパンはC(炭素)が3個、H(水素)が8個結合した分子だと分かります。
また、先ほど見たように、炭素12は1モルで12グラム、水素1は1モルで1グラムです。

これらの数値を使用すると、プロパンの分子量を求める式は

プロパンの分子量=12×3+1×8=44

となり、プロパンは分子量44の分子であると分かります。

→原子量について復習したい方はこちら!

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4.アボガドロ定数の基本計算②物質量の定義と求め方

物質量とは、物質の数をアボガドロ定数で割った数です。
つまり、物質が何モルあるかを表していて、単位はモル(mol)を使います。

物質量(mol)=物質の数÷アボガドロ定数

ただし、原子や分子などは非常に小さいため、直接個数を数えることができません。
そこで、化学では、簡単に計量できる質量を取り扱います。

そのため、上の公式だけではなく、もう1つの物質量を求める公式を覚える必要性があります。

物質量(mol)は、以下のように、物質の質量を、物質1モルあたりの質量(つまり物質の原子量や分子量)で割ることでも求められます。

物質量(mol)=物質の質量÷物質の原子量や分子量

つまり、物質の原子量や分子量を知っていれば、あとは物質の質量を測ることで、物質量を求めることができます。

 

例えば、炭素の物質量を求めるとします。
測定した炭素の質量が36グラムである場合の物質量は

物質量=36/12=3(mol)

と、答えを導き出すことができます。

 

5.アボガドロ定数の基本計算③化学反応式と物質量

これまでアボガドロ定数に関わる基本的な説明をしてきましたが、ここでは化学反応式と物質量についても見てみましょう。

モルや物質量を理解していれば、実験で化学反応を起こす際にどれほどの量の物質を用意すればいいのかを計算したり、化学反応後に生成した化合物の重さをはかることで反応前の物質が何グラム消費されたかを計算したりすることができます。

 

ここでは、水素と酸素を化学反応させて水を生成させる化学反応を取り上げます。
化学反応式は以下の通りです。
水素の原子量を1、酸素の原子量を16として考えます。

2H2+O2→2H2O

 

もし、水素4グラムをすべて酸素と反応させて水を作る場合、酸素は何グラム必要でしょうか。
また、生成される水は何グラムになるでしょうか。

 

これらを知るためにはまず、水素分子、酸素分子および水の分子量を求める必要があります。

 

水素の分子量=1×2=2

酸素の分子量=16×2=32

水の分子量=1×2+16×1=18

 

上の化学反応式から、水素2分子が酸素1分子と反応して水2分子ができる、つまり水素分子2モルと酸素分子1モルが反応して水2モルできることが分かります。

そこで次に、水素4グラムの物質量を求めます。

 

水素分子の物質量=水素分子の質量/水素分子の分子量=4/2=2(mol)

 

これにより、水素分子は2モルであることが分かります。
そして、水素分子2モルと反応する酸素分子の物質量も、計算により求めることができます。

 

水素分子:酸素分子=2:1=2(mol):X(mol)

X=1

 

水素分子に反応させるためには、酸素分子は1モル必要であることが分かりました。

上で求めたように、酸素の分子量は32であるため、酸素1モルの質量は

 

酸素分子の質量=32×1=32(グラム)

 

これで、水素4グラムを過不足なく反応させるのに、必要な酸素は32グラムであることが分かりました。

 

同じように、生成する水の質量も求めます。

上の化学反応式を見ると、水素分子2に対して水2が生成されます。
さきほどの計算により、反応する水素分子は2モルであると分かったので、生成される水の物質量は

 

水素分子:水=2:2=2(mol):X(mol)

X=2

 

これで、生成する水の物質量が2モルであることが分かりました。

 

さらに、生成する水の質量を求めます。
さきほど計算したように水の分子量は18です。
そのため、

 

水の質量=水の分子量×物質量=18×2=36(グラム)

 

となり、これで生成する水の質量は36グラムであることが分かりました。

 

まとめ:モルと物質量を理解して、化学反応式を読み取る

アボガドロ定数・モル・物質量といった言葉は、化学を勉強する上では最も基本的な単語であり、とても重要です。

もしこれらの考え方をしっかり理解し、使いこなすことができれば、化学反応や物質の濃度などを把握することが非常に楽になります。

理解が不十分である場合は、この記事を何度も読み返して、定義や使い方を理解してくださいね。


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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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