イオン化傾向とは?覚え方も使い方もこれでバッチリ!

化学 2018.2.22

化学を勉強しているみなさん、「イオン化傾向」という言葉を知っていますか?

化学は内容が多く、イオン化傾向についても全然覚えられなかったり、覚えていても使い方がわからなかったり…と苦労している人が多いと思います。

そこで今回は、そもそもイオン化傾向って何?ということから、イオン化傾向を簡単に覚えるための方法、そして実際にどういった形で活用することができるのかということまで、丁寧にわかりやすく解説していきたいと思います!

化学基礎の範囲でもあるので、文系の方もぜひ目を通してください!

イオン化傾向にまつわる問題はセンター試験でも必出の分野なので、この記事を読んでしっかり理解しましょう!

1.イオン化傾向とは?図を使って丁寧に解説!

まずはイオン化傾向がそもそもなんなのかを考えましょう。

その名の通り、イオン化傾向は、水溶液中の金属元素の陽イオンになりやすさを示したものです。

金属を酸などの水溶液に入れると、元素が電子を奪われ、陽イオンになって溶けだします。

これが「イオン化」です。

例えばナトリウム(Na)は、下図のように最外殻の電子を一つ失うことで一価の陽イオン(Na⁺)に変化します。

 

イオン化傾向とは?イオン化を図で説明

 

しかし、その反応しやすさというのは全ての金属で等しいわけではありません。

常温の水と反応するものもあれば、非常に強力な酸としか反応しないものなど、元素の種類によってイオン化しやすさは全く異なっています。

そのため、イオン化傾向を定義することによってイオンになりやすいかどうかを表しているのです。

ここで、勘がいい方なら「イオン化傾向とイオン化エネルギーって同じじゃないの?」と思うでしょう。

確かに、原子から電子が抜き取られて陽イオンになるという点は共通しているのですが、実は定義からして違います。

詳細は高校レベルを超えるので扱いませんが、イオン化傾向とイオン化エネルギーは似ているけど全く異なるものととらえておいてください!

もしイオン化エネルギーについて怪しいという方がいたら、イオン化エネルギーについて解説したこちらのページを見てくださいね!

 

2.イオン化傾向の覚え方!語呂合わせで今スグ暗記!

イオン化傾向の大きい金属から順に並べたものを、金属のイオン化列といいます。

大学受験で出てくる範囲で抜粋すると…

Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au

となります。

…こんなに覚えられないよ!って、思いませんか?

でも大丈夫!このイオン化列には、簡単に覚えるための語呂合わせがあるのです。それがコチラ。

イオン化傾向の覚え方

「リッチに貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」です!!

まずはこのフレーズを声に出したり紙に書いたりして、しっかり頭に入れておきましょう。

語呂合わせの中の「貸そう か」で K→Ca の順になることや、「(ま)あ あ(てに~)」で Al→Zn の順になるところは少し混同しやすいので、覚えるときに特に注意してください!

実際の問題を解く上では、このイオン化列をきちんと理解しているかどうかが非常に重要になってくるので確実に覚えましょうね!

また、イオン化傾向が違ってくると各元素がどんな物質と反応するようになるのか、をまとめると以下の表のようになります。

イオン化傾向の詳細な図

こちらも金属元素の反応を理解する上で重要になるものなので、しっかりと目を通しておきましょう!

ところで下の問題は、今年度(H29年度)の大学入試センター試験(追試験)「化学基礎」で出題されたものです。

イオン化傾向センター1

(独立行政法人大学入試センターHPより引用)

見ての通り、この問題は上の表を覚えておけばすぐに解けますね!

裏を返せば、しっかり覚えていないとこのような問題には手がつけられないので、確実に覚えるようにしましょうね!(ちなみに正解は⑧です)

 

3.センター試験ではこう出る!イオン化傾向と電池の問題

これまでイオン化傾向について紹介してきましたが、ここからはそんなイオン化傾向にまつわる問題を紹介します!

ここに、銅(Cu)とマグネシウム(Mg)に関して二つの反応式があります。

①Mg + Cu²⁺ → Mg²⁺ + Cu

②Mg²⁺ + Cu → Mg + Cu²⁺

化学反応式としてはどちらも成立しますが、実際に反応が進むのはどちらでしょう?

わかりましたか?

正解は①。理由は簡単で、銅よりマグネシウムのほうがイオン化傾向が大きいからです(不安な人は先ほどの語呂合わせをもう一度確認してみてくださいね!)。

②の式では既にマグネシウムが陽イオンの状態で存在しているため、よりイオン化傾向の小さい銅がイオン化することはない、というわけです。

異なる二種類の金属元素が存在しているとき、イオン化傾向が大きい金属のほうが優先して陽イオンになる、という原則さえ覚えておけば、こういった問題で悩まされることもなくなりますよ!

そして、イオン化傾向を利用した例としてよく出てくるのが電池です。

二種類の金属を電解質の水溶液に浸し、それらを銅線でつなぐと、電子の流れが生じて電気を取り出すことができます。これが電池の仕組みです。

イオン化傾向(電池)

二種類の金属のうち、イオン化傾向が大きいほう(図中のZn)で電子を放出する酸化反応が起こり、陽イオンが水溶液中に溶け出します。

その後、元素が持っていた電子が銅線を通ってもう片方の金属(Cu)へと流れ、水溶液中の陽イオンが電子を受け取る還元反応が起こります。このサイクルによって電流が生じているのです。

イオン化傾向が大きい金属から小さい金属へと電子が流れているということは、イオン化傾向の大きい金属が電池の負極になるということです。

ここはかなり問われやすいところなので、間違えないように気を付けましょう!

センター試験でもイオン化傾向・電池を扱った問題は頻出です!

例えば、今年度(H29年度)のセンター試験(本試験)「化学」では以下のような問題が出題されました。

イオン化傾向センター2

(独立行政法人大学入試センターHPより引用)

今回はビーカーではなくシャーレで実験をしていますが、先ほどの水溶液の図と同様に考えてもらって大丈夫です。

まずは問題の条件から言えることを整理しましょう。

1、端子をA,Bにそれぞれ当てると電流はB→Aの向きに流れたことから、電子はB←Aの向きに流れるためAが負極となる。

→イオン化傾向はA>B

2、端子をB,Cにそれぞれ当てると電流はB→Cの向きに流れたことから、電子はB←Cの向きに流れるためCが負極となる。

→イオン化傾向はC>B

3、端子をA,Cにそれぞれ当てると電流はA→Cの向きに流れたことから、電子はA←Cの向きに流れるためCが負極となる。

→イオン化傾向はC>A

以上をまとめると、A,B,Cのイオン化傾向の関係はC>A>Bとなります。

ではここで選択肢を見てみましょう。

マグネシウム、銅、亜鉛の三つがありますね。

先ほどのイオン化列「リッチに〜」に当てはめるとイオン化傾向はMg>Zn>Cuとなります。

したがって、AがZn、BがCu、CがMgとわかりました。

ですので、答えは⑥となることがわかります。

 

このように、電池をはじめとした金属の反応に関する範囲では、イオン化傾向の大小を知っていないと解けない問題がたくさん出てきます。

センター試験や二次試験でも頻出の範囲なので、まずはイオン化列を覚えることからはじめてどんな問題でもしっかり対応できるよう勉強していきましょう!

しっかり覚えて問題演習を重ねる、それだけで化学はかなりの問題に対応できるようになりますよ!

 


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この記事の執筆者

ニックネーム:はぎー

東京大学理科二類2年
山梨県出身
好きなこと :スポーツ
得意科目:化学
ハマっていること:ひたすら寝ること

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