三角関数のsin・cos・tanとは?使い方・求め方・覚え方を図表で解説!

数学 2024.3.11
三角関数のsin・cos・tanとは?使い方・求め方・覚え方を図表で解説!

sin(サイン)・cos(コサイン)・tan(タンジェント)の使い方が分からない」「三角関数は公式が多くて大変……」といった方は多いでしょう。

sin・cos・tanの基礎を固めておくことで、幅広い三角関数の問題に対処できるようになります。

sin・cos・tanは使い方と重要な公式を覚えておくことで、理解しやすくなります。この記事の練習問題を参考に、三角関数の学習を進め、大学受験に備えましょう!

この記事で分かること
・sin・cos・tanの使い方が分かる
・三角関数の公式を覚えられる
・sin・cos・tanを使った問題が解けるようになる!

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    sin・cos・tanとは?【直角三角形の辺の比】

    「三角比」とは、「直角三角形の辺の比」という意味です。直角三角形は、3つの角の大きさが決まると、辺の長さの比も決まります。

    例えば、次の2つの三角形は、どちらも∠A=60°、∠B=30°、∠C=90°の直角三角形です。

    2つの三角形の比較

    2つの直角三角形は辺の長さは異なりますが、 AC/ABをそれぞれ計算すると

    左の直角三角形 AC/AB=1/2
    右の直角三角形 AC/AB=2/4=1/2

    となり、同じになることが分かりますね。

    つまり、図形を拡大・縮小しても角の大きさが同じであれば、辺の比は変わりません

    そこで、辺の比AC/ABをsinBと定義します。同じように、cosBとtanBも次の表のように定義します。

    sin(サイン) 公式① sinB=AC/AB
    cos(コサイン) 公式② cosB=BC/AB
    tan(タンジェント) 公式③ tanB=AC/BC

    sin・cos・tanの求め方は、次の項目でそれぞれ詳しく解説します。

    以下の表はよく使われる三角比の値なので覚えましょう!

    三角比の値

    sinの求め方:sinB=AC/AB

    sinとは、「基準の角に向かい合う辺/直角と向かい合う辺」のことです。

    次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/ABのことを指します。

    sin1

    ※sin・cos・tanを考えるときの三角形は必ず直角三角形

    まずは、次の図のようなAB=5、AC=4、BC=3の直角三角形の場合を考えてみましょう.

    sin4

    sinBを求めてみましょう。

    sinB
    = AC/AB
    = 4/5

    となります。

    今回は辺の長さからsinの値を求めましたが、拡大・縮小しても三角比の値は変わらないため、辺の比からでもsinの値を求めることができます。

    例として、∠B=30°の直角三角形を考えてみます。
    直角三角形の辺の比は、

    AC:AB:BC=1:2:√3

    です。

    sin3

    sinBを求めてみましょう。

    sinB
    = AC/AB
    = 1/2

    となります。

    このように、辺の長さと辺の比のどちらからでもsinの値は求められます。

    cosの求め方:cosB=BC/AB

    cosとは、「基準の角と直角に挟まれた辺/直角と向かい合う辺」のことです。

    次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、BC/ABのことを指します。

    sin5

    具体例として、sinと同様に∠B=30°の直角三角形を考えてみます。

    sin3
    cosBを求めてみましょう。

    cosB
    = BC/AB
    = √3/2

    となります。

    今回は辺の比からcosを求めましたが、もちろんsinと同様に辺の長さからcosを求められます。

    tanの求め方:tanB=AC/BC

    tanとは、「基準の角に向かい合う辺/基準の角と直角に挟まれた辺」のことです。

    次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/BCのことを指します。

    tan(タンジェント)とは何か

    sin・cosと同様に∠B=30°の直角三角形のtanBを求めてみます。

    ∠B=30°の直角三角形
    tanBを求めてみましょう。

    tanB
    = AC/BC
    = 1/√3

    となります。

    tanでも辺の比だけでなく辺の長さからtanを求められます。

      sin・cos・tanの覚え方

      sin・cos・tanがそれぞれどの辺の比かは、「頭文字の筆記体の書き順」で簡単に覚えることができます!

      【sinの覚え方】
      次の図のように、sinの頭文字sの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

      sinの覚え方

      【cosの覚え方】
      次の図のように、cosの頭文字cの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

      cosの覚え方

      【tanの覚え方】
      次の図のように、tanの頭文字tの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。

      tanの覚え方

      必ず覚えよう!sin・cos・tanの重要公式3つ

      sin・cos・tanの間には次のような重要な公式があります。

      それぞれの公式について解説をしていきます。三角関数の分野では頻繁に使う公式なので、解説を理解し、暗記しましょう!

      公式①:sin2θ + cos2θ = 1

      公式の1つ目は、
      sin2θ + cos2θ = 1
      です。

      つまり、下の図のような直角三角形を考えたとき、sinθの2乗とcosθの2乗を足すと1になるということです。

      sin2θ + cos2θ = 1

      三角関数では、sinθの2乗は「sinθ2」と書かずに「sin2θ」と書きます。cos・tanでも同様です

      では、先ほどから使っている∠B=30°の直角三角形で考えてみます。

      ∠B=30°の直角三角形

      >sinB = 1/2,cosB = √3/2です。

      したがって、

      sin2B = 1/4

      cos2B = 3/4

      です。

      よって、

      sin2B + cos2B

      = 1/4 + 3/4

      = 1

      となり、確かに足すと1になります。

      公式②:tanθ = sinθ/cosθ

      公式2つ目は、

      tanθ = sinθ/cosθ

      です。

      では、∠B=30°の直角三角形で考えてみましょう。

      ∠B=30°の直角三角形

      sinB = 1/2,cosB = √3/2,tanB = 1/√3ですね。

      ここで、sinB/cosBを考えてみると、

      (1/2)/(√3/2)

      = 1/√3

      となり、確かにtanBの値と同じになっています。

      公式③:1 + tan2θ = 1/cos2θ

      最後の公式は少し複雑ですが、頑張って覚えましょう。

      1 + tan2θ = 1/cos2θ

      では、おなじみ∠B=30°の直角三角形で考えます。

      ∠B=30°の直角三角形

      cosB = √3/2

      tanB = 1/√3

      ですね。

      公式の左辺に代入すると、

      1+(1/√3)2

      = 1+1/3

      = 4/3・・・①

      ですね。

      公式の右辺に代入すると、

      1/(√3/2)2

      = 1/(3/4)

      = 4/3・・・②

      ですね。

      ①=②になっていますので、確認できました。

      以上で紹介したsin・cos・tanに関する公式は三角関数の分野では頻繁に使います。

      必ず覚えましょう!

        sin・cos・tanに関する練習問題

        最後に、sin・cos・tanに関する練習問題を紹介します。もちろん詳しい解答&解説付きです。sin・cos・tanは三角関数の基礎なので、以下の問題は必ず解けるようにしておきましょう!

        問題その1

        以下のような直角三角形ABCがあるとき、sinθ、cosθ、tanθの値を求めよ。

        解答&解説

        sinθ=AC/ABなので、

        sinθ=12/13・・・(答)

        cosθ=BC/ABなので、

        cosθ=5/13・・・(答)

        tanθ=AC/BCなので、

        tanθ=12/5・・・(答)

        となります。

        補足:tanθを求める別解

        記事中でも紹介した通り、tanθ=sinθ/cosθなので、sinθとcosθを求めてから、

        tanθ

        =(12/13)/(5/13)

        =12/5・・・(答)

        としてtanθを求めることもできます。

        問題その2

        cos2θ=25/29のとき、tanθの値を求めよ。

        解答&解説

        本記事で紹介した公式その3

        1 + tan2θ = 1/cos2θ

        を使いましょう!

        cos2θ=25/29なので、

        1+tan2θ=29/25

        となりますね。

        よって、

        tan2θ=4/25

        となるので、

        tanθ=2/5、-2/5・・・(答)

        となります。

          まとめ

          三角関数のsin・cos・tanが理解できましたか?
          sin・cos・tanの値の求め方、重要公式3つの式とその使い方を覚えるためには、丸暗記するのではなく、くり返し練習問題を解くなかで覚えるようにしましょう。
          はじめにも書きましたが、sin・cos・tanは三角関数の分野の基本です。必ず理解しておきましょう!

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:やっすん

          早稲田大学商学部4年
          得意科目:数学