三角関数のsin・cos・tanとは?使い方・求め方・覚え方を図表で解説!
「sin(サイン)・cos(コサイン)・tan(タンジェント)の使い方が分からない」「三角関数は公式が多くて大変……」といった方は多いでしょう。
sin・cos・tanの基礎を固めておくことで、幅広い三角関数の問題に対処できるようになります。
sin・cos・tanは使い方と重要な公式を覚えておくことで、理解しやすくなります。この記事の練習問題を参考に、三角関数の学習を進め、大学受験に備えましょう!
・sin・cos・tanの使い方が分かる
・三角関数の公式を覚えられる
・sin・cos・tanを使った問題が解けるようになる!
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1.sin・cos・tanとは?【直角三角形の辺の比】
1-1.sinの求め方:sinB=AC/AB
1-2.cosの求め方:cosB=BC/AB
1-3.tanの求め方:tanB=AC/BC
2.sin・cos・tanの覚え方
3.必ず覚えよう!sin・cos・tanの重要公式3つ
3-1.公式①:sin2θ + cos2θ = 1
3-2.公式②:tanθ = sinθ/cosθ
3-3.公式③:1 + tan2θ = 1/cos2θ
4.【三角関数の基礎】sin・cos・tanに関する練習問題
5.まとめ
sin・cos・tanとは?【直角三角形の辺の比】
「三角比」とは、「直角三角形の辺の比」という意味です。直角三角形は、3つの角の大きさが決まると、辺の長さの比も決まります。
例えば、次の2つの三角形は、どちらも∠A=60°、∠B=30°、∠C=90°の直角三角形です。
2つの直角三角形は辺の長さは異なりますが、 AC/ABをそれぞれ計算すると
右の直角三角形 AC/AB=2/4=1/2
となり、同じになることが分かりますね。
つまり、図形を拡大・縮小しても角の大きさが同じであれば、辺の比は変わりません。
そこで、辺の比AC/ABをsinBと定義します。同じように、cosBとtanBも次の表のように定義します。
sin(サイン) | 公式① sinB=AC/AB |
---|---|
cos(コサイン) | 公式② cosB=BC/AB |
tan(タンジェント) | 公式③ tanB=AC/BC |
sin・cos・tanの求め方は、次の項目でそれぞれ詳しく解説します。
以下の表はよく使われる三角比の値なので覚えましょう!
sinの求め方:sinB=AC/AB
sinとは、「基準の角に向かい合う辺/直角と向かい合う辺」のことです。
次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/ABのことを指します。
※sin・cos・tanを考えるときの三角形は必ず直角三角形
まずは、次の図のようなAB=5、AC=4、BC=3の直角三角形の場合を考えてみましょう.
sinBを求めてみましょう。
= AC/AB
= 4/5
となります。
今回は辺の長さからsinの値を求めましたが、拡大・縮小しても三角比の値は変わらないため、辺の比からでもsinの値を求めることができます。
例として、∠B=30°の直角三角形を考えてみます。
直角三角形の辺の比は、
AC:AB:BC=1:2:√3
です。
sinBを求めてみましょう。
= AC/AB
= 1/2
となります。
このように、辺の長さと辺の比のどちらからでもsinの値は求められます。
cosの求め方:cosB=BC/AB
cosとは、「基準の角と直角に挟まれた辺/直角と向かい合う辺」のことです。
次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、BC/ABのことを指します。
具体例として、sinと同様に∠B=30°の直角三角形を考えてみます。
cosBを求めてみましょう。
= BC/AB
= √3/2
となります。
今回は辺の比からcosを求めましたが、もちろんsinと同様に辺の長さからcosを求められます。
tanの求め方:tanB=AC/BC
tanとは、「基準の角に向かい合う辺/基準の角と直角に挟まれた辺」のことです。
次の図のような直角三角形ABCにおいて基準の角をBとしたときに、AC/BCのことを指します。
sin・cosと同様に∠B=30°の直角三角形のtanBを求めてみます。
tanBを求めてみましょう。
= AC/BC
= 1/√3
となります。
tanでも辺の比だけでなく辺の長さからtanを求められます。
sin・cos・tanの覚え方
sin・cos・tanがそれぞれどの辺の比かは、「頭文字の筆記体の書き順」で簡単に覚えることができます!
【sinの覚え方】
次の図のように、sinの頭文字sの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。
【cosの覚え方】
次の図のように、cosの頭文字cの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。
【tanの覚え方】
次の図のように、tanの頭文字tの筆記体を書いたときの順番に、分母、分子とすれば求められます。
必ず覚えよう!sin・cos・tanの重要公式3つ
sin・cos・tanの間には次のような重要な公式があります。
それぞれの公式について解説をしていきます。三角関数の分野では頻繁に使う公式なので、解説を理解し、暗記しましょう!
公式①:sin2θ + cos2θ = 1
公式の1つ目は、
sin2θ + cos2θ = 1
です。
つまり、下の図のような直角三角形を考えたとき、sinθの2乗とcosθの2乗を足すと1になるということです。
※三角関数では、sinθの2乗は「sinθ2」と書かずに「sin2θ」と書きます。cos・tanでも同様です。
では、先ほどから使っている∠B=30°の直角三角形で考えてみます。
>sinB = 1/2,cosB = √3/2です。
したがって、
sin2B = 1/4
cos2B = 3/4
です。
よって、
sin2B + cos2B
= 1/4 + 3/4
= 1
となり、確かに足すと1になります。
公式②:tanθ = sinθ/cosθ
公式2つ目は、
tanθ = sinθ/cosθ
です。
では、∠B=30°の直角三角形で考えてみましょう。
sinB = 1/2,cosB = √3/2,tanB = 1/√3ですね。
ここで、sinB/cosBを考えてみると、
(1/2)/(√3/2)
= 1/√3
となり、確かにtanBの値と同じになっています。
公式③:1 + tan2θ = 1/cos2θ
最後の公式は少し複雑ですが、頑張って覚えましょう。
1 + tan2θ = 1/cos2θ
では、おなじみ∠B=30°の直角三角形で考えます。
cosB = √3/2
tanB = 1/√3
ですね。
公式の左辺に代入すると、
1+(1/√3)2
= 1+1/3
= 4/3・・・①
ですね。
公式の右辺に代入すると、
1/(√3/2)2
= 1/(3/4)
= 4/3・・・②
ですね。
①=②になっていますので、確認できました。
以上で紹介したsin・cos・tanに関する公式は三角関数の分野では頻繁に使います。
必ず覚えましょう!
sin・cos・tanに関する練習問題
最後に、sin・cos・tanに関する練習問題を紹介します。もちろん詳しい解答&解説付きです。sin・cos・tanは三角関数の基礎なので、以下の問題は必ず解けるようにしておきましょう!
問題その1
以下のような直角三角形ABCがあるとき、sinθ、cosθ、tanθの値を求めよ。
解答&解説
sinθ=AC/ABなので、
sinθ=12/13・・・(答)
cosθ=BC/ABなので、
cosθ=5/13・・・(答)
tanθ=AC/BCなので、
tanθ=12/5・・・(答)
となります。
補足:tanθを求める別解
記事中でも紹介した通り、tanθ=sinθ/cosθなので、sinθとcosθを求めてから、
tanθ
=(12/13)/(5/13)
=12/5・・・(答)
としてtanθを求めることもできます。
問題その2
cos2θ=25/29のとき、tanθの値を求めよ。
解答&解説
本記事で紹介した公式その3
1 + tan2θ = 1/cos2θ
を使いましょう!
cos2θ=25/29なので、
1+tan2θ=29/25
となりますね。
よって、
tan2θ=4/25
となるので、
tanθ=2/5、-2/5・・・(答)
となります。
まとめ
三角関数のsin・cos・tanが理解できましたか?
sin・cos・tanの値の求め方、重要公式3つの式とその使い方を覚えるためには、丸暗記するのではなく、くり返し練習問題を解くなかで覚えるようにしましょう。
はじめにも書きましたが、sin・cos・tanは三角関数の分野の基本です。必ず理解しておきましょう!