定期テスト前必見!三角関数の合成の公式や証明をわかりやすく解説!
三角関数の中でも、最大値、最小値を求める問題が多く、2015年度の早稲田大学の入試では、人間科学部と国際教養学部で問題が出題されました。
そのうち、人間科学部では相加相乗平均で解答する問題だったのに対して、国際教養学部では、典型的な三角関数の合成を利用して解答する問題でした。
その他、多くの大学でも三角関数の最大値、最小値を求める問題が出題されています。
勉強の進んでいる受験生なら合成の公式が分かるのは当たり前ですが、最大・最小問題を見た時に合成を使えるようになれるかどうかが受験では大事です。
今回は三角関数の合成の公式や証明だけでなく、合成をするときのコツを紹介します。
三角関数の証明の理解に役立つ記事のまとめもぜひ参考にしてみてください!
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1. 三角関数の合成(公式)
三角関数の合成は、以下の式をしっかり覚えましょう。
2. 三角関数の合成(証明)
三角関数の合成を証明する。
三平方の定理より
また、三角関数の定義より
⇔A=Rcosα
以上を使って
Asinθ+Bcosθを展開していく。
Asinθ+Bcosθ=Rcosαsinθ+Rsinαcosθ=R(cosαsinθ+sinαcosθ)
加法定理より
R(cosαsinθ+sinαcosθ)=Rsin(θ+α)=
この時のαは
を満たす角度になる。
3. 三角関数の合成(練習問題)
sinθ+cosθに合成を行うとどのようになるかやってみる。
この時、αは・・・
を満たすαなので
よって
になる。
4. 三角関数の合成(解き方のコツ)
どのような時に、合成関数を使うのかが分からない人が多いと思います。しかし、多くの問題を見ていると、合成関数を使うのは以下の2つの場面が多いです。
①方程式、不等式を解く場合
②最小値、最大値を求める場合(こちらが圧倒的に多いです。)
理由は
三角関数を合成する事で、今までsinとcosを同時に使っていた方程式をsinのみの方程式に変換出来るからです。つまり変数を一つにする事で、関数の動向が見やすくなります。だから、最小値、最大値を求めやすくなります。
それぞれの問題をといていきましょう。
①方程式、不等式を解く場合
三角関数の合成を使って・・
この時
だから
また、
0≦θ≦2πより
②最小値、最大値を求める場合
三角関数の問題で、最大値、最小値を見たら、合成を疑いましょう。
今回はオーソドックスな問題と少し応用した問題を出題します。
Y=cosθ+sinθ
三角関数の合成を使って・・
=
0≦θ≦πより
最大値・・
⇒θ=
答え:
最小値・・
⇒θ=πの時
答え:-1
今回は、分かりやすい形で三角関数の合成を使う事が出来ましたが、加法定理や和積・積和の公式、三角関数の性質などを使って、最終的にAsinθ+Bcosθに持ち込む場合が多いです。
【応用】早稲田国際教養(類題)
4cos2θ+2sin2θ+2
の最大値、最小値を求める際三角関数の合成に持ち込めるか持ち込めないかが、勝負の分かれ目になります。
2倍角の公式の変形①:
2倍角の公式の変形②:
2倍角の公式の変形③:
sin2θやcos2θを一乗にもっていく典型的な方法なので頭の中に入れといてください。
上記式を2倍角の公式を代入して、整理すると・・
になるので、後は、三角関数の合成を使うだけです。
応用問題のように、少し複雑になる場合もありますが、最終的にAsinθ+Bcosθに持っていかなくては合成は使えません。そのために、2倍角の公式がよく使われるので、こちらも頭の中に入れておいてください。
忘れている方はこちらをご覧ください。
『三角関数の基礎3 積和の公式&和積の公式』