【高校数学】1から分かる順列と組み合わせの違い(公式&問題付き)

「PとCのどっちを使えば良いか分からない。」「順列と組み合わせがごっちゃになってしまう。」
しかし・・
組み合わせと順列の違いは決して難しくはありません!今回の記事では、順列と組み合わせをそれぞれしっかりと理解し、試験中に2つのどちらを使うかが迷わないで解けるよう1から丁寧に紹介します。
1. 順列と組み合わせの違い
「5人の中から2人並べる。」
「5人の中から2人選ぶ。」
この2つの違いは分かりますか?分かる方は「2.順列 公式」に進んでしまって構いません。
順列と組み合わせを考えるとき、ごっちゃになってしまう人がいます。
まず、簡単に組み合わせと順列の違いを紹介します。
1-1. 順列とは?
異なるn個の中から異なるr個を取り出して1列に並べる数のことです。
5人(A、B、C、D、E)の中から2人を並べる場合を考えましょう。
すると、並べ方はAB、BA、AC、CA、DE、ED…のようになります。全部数え上げれば分かるのですが、合計は20通りになります。ここで、ABとBAを違うものとして考えることがポイントです。
ちなみに順列は記号Pで表します。
1-2. 組み合わせとは?
異なるn個の中から異なるr個とる組み合わせの数のことです。
5人(A、B、C、D、E)の中から2人を選ぶ組み合わせを考えましょう。
この時、{AB}、{CD}、{AC}…のようになり、合計は10通りになります。ここでなぜ、順列の総数の半分になるのかというと、{AB}と{BA}のチームも結局は同じチームですよね。だから、これを組み合わせは1つと計算するからです。
ちなみに組み合わせは記号Cで表します。
それでは、順列、組み合わせの公式を見ていきましょう。
2. 順列(公式)
まずは、公式を覚えましょう。
!は階乗と読み、1~nまでの積を表したいときはn!、1~32までの積を表したいときは32!のように表します。
【解説】
公式を証明します。
1番目の選び方はが、n通り
2番目の選び方は、n-1通り
3番目の選び方は、n-2通り
同様にすると・・
r番目の選び方は、n-r+1
だから、「積の法則」(積の法則が分からない方は「場合の数基礎1 和の法則&積の法則大事な2パターン」を参照してください。)より、
になります。
順列(練習問題)
それでは、例題を1題出題します。
上記問題はセンター試験や小問でまんま出題されるくらい典型的な問題です。(2)や(3)は1度目では、なかなか解法が思いつかないかもしれません。間違えた方はもう一度解き直してマスターしてしまってください!
3. 組み合わせ(公式)
まずは、公式を覚えましょう。
【解説】
5人(A、B、C、D、E)の中から3人を選ぶ場合を考えます。
まずは順列を考えましょう。5人の中から3人を並べる場合です。
このうち、{A、B、C}、{A、C、B}、{B、C、A}、{B、A、C}、{C、A、B}、{C、B、A}は組み合わせ1つと考えます。
ですので、組み合わせの総数は・・
10通りになることが分かります。
ここでもしかしてピンときたら鋭いですが、章1の「順列と組み合わせの違い」の「5人の中から2人を選ぶ組み合わせの数」と今回の答えが一致しました。
組み合わせのCには以下の性質があります。
少し難しい問題になると、この転換が必要になることがあります。是非、覚えておきましょう。
組み合わせ(練習問題)
最後に問題を1題出題します。
(1)組み合わせの公式を使うと・・
(2)組み合わせ問題において「少なくとも1人(1つ)〜」を求めるときは、組み合わせの総数から1人(1つ)もない場合を引く事でもとめる場合が多いです。
組み合わせの総数は(1)で求めたので、今回は男子だけを3人選ぶときを考えます。
よって女子を少なくとも1人選ぶ場合は・・
56 – 20 =36通りになります。
(3)順列と組み合わせを混ぜた問題です。といっても公式を使えばすぐに解けてしまいます。
だから、合計は・・
順列と組み合わせのまとめ
順列にも組み合わせの問題にも解法にはいくつかのパターンがあります。解いたらその問題で終わるのではなく、次に出る類似問題でも応用出来るように考え方の部分はしっかりと理解しておきましょう!
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