数珠順列とは?円順列との違いから練習問題まで

数学 2022.12.25
数珠順列とは?円順列との違いから練習問題まで

数珠順列は、円順列の派生問題としてよく出題されます。

考え方自体は円順列と大きく変わりませんし、公式というほどの公式もありません。

ぜひ、難しく考えず、この記事で数珠順列をマスターしましょう!

→順列の理解に役立つ記事まとめはコチラ!

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    1.数珠順列と円順列との違いと特徴は?

    円順列と数珠順列は、教科書では以下のように説明されています。

    円順列:異なるn個のものを円形に並べたもの

    数珠順列 :異なるn個のものの円順列のうち、裏返して一致するものは同じものとみる場合の順列

    数珠順列というくらいですから、数珠をつくるときの場合の数を考えるのが一般的です。

    見分け方としては、「首飾り」や「数珠」という単語があるかどうかで、ひとまず問題ないでしょう。

    しかし、他にも問題の作り用はあるので、「裏返したときに同じ形になりうるか」を考えましょう。

    たとえば、円順列で考えたときの「テーブルに座る座り方」であれば、そもそも裏返すことができません。

    それにたいして、数珠や首飾りは裏返すことができますし、そのときに同じ形や並び方になり得ます。

    ですので、数珠や首飾りのときには、数珠順列の考え方を使うのです。

      2.数珠順列の基本:まず円順列の復習をしよう!

      数珠順列を理解するためには、まず円順列をしっかり押さえておかなければなりません。

      順列の問題を考えるときに重要な考え方は、「単純な順列を考えて、そのあと重複する場合の数で割る」という方法です。

      例えば、ABCDEの5人が丸いテーブルに座るような円順列を考えましょう。

      これを丸いテーブルに座るのではなく、ABCDE5人の単純な順列であるとすると、並び方は何通りでしょうか。

      もちろん、5 ! = 120通りです。

      これが、円順列になると考え方が変わります。

      単純に並んだときに「ABCDE」という並び方があり、1通りの並び方として数えます。

      また、「BCDEA」という並び方も1通りとして120通りの中にカウントされています。

      ところが「ABCDE」と「BCDEA」は、円順列になると、同じ並び方であると考えます。

      紙とペンを用意しましょう。

      2枚の紙に円形に「ABCDE」と「BCDEA」という文字を書いて、片方を70°ほど回転してみてください(正確には72°)。ぴったりと文字の位置が重なったのではないでしょうか。

      このような場合には、円順列では同一の並び方であるとします。

      BCDEA」の他にも「CDEAB」「DEABC」「EABCD」は、「ABCDE」と同じ並び方です。

      ですので、この5通りは、円順列では重複していると考えます。

      単純な順列の120通りのうち、適当な5通りを選ぶと、このように重複する組み合わせを選ぶことができます。

      これが「単純な順列を考えて、そのあと重複する場合の数で割る」という考え方です。

      この「5」という数がでてきたのは、5人で順列を考えたからです。

      円順列の考え方として「一人を固定して考える」というのもよくあります。

      つまり、例えばAだけ最初に場所を決めておけば、円順列でやっかいな「回転」を考えなくてよくなります。

      残った4人の単純な順列を考えればよいので、(5-1)!=24通り

      となり、先の答えと一致します。

      このような考え方で、円順列の公式が導かれます。

      異なる n個の円順列を考えたとき、その並び方の総数は

      (n-1)!で表されます。

       

      同じものを含む順列

      もう一つ復習しておきましょう。

      「同じものを含む順列」です。例えば次のような問題です。ぜひ考えてみてください!!

       

      例題: AAABBCの6文字を1列に並べるときの並べ方の総数を求めよ。

      いかがでしょうか。

      では、考えてみた方から解答を見ていきましょう!

      ここでは、考え方を2パターンにわけて説明していきます!

       

      解答・解説【パターン1】

      場合の数では同じ文字は基本的に区別しません(確率はまた別です)。

      人の顔は区別できますが、ボールや文字は区別できませんね。

      ですのでこの問題は「区別がつかないAという文字が3つ、区別がつかないBという文字が 2つ、C 1つを並び替える」という問題です。

      ここで、一度「区別がつくAという文字が3つ、区別がつくBという文字が2つ、Cが1つを並び替える」という問題であるとして考えてみましょう。

      区別がつく6文字の並び替え方ですので、

      6 ! =720通りです。

      次の並び方について考えてみましょう。区別のためにそれぞれ番号をつけます。

      区別して考えた720通りの中には、以下のような並び方があるはずです。

      挙げたのは  の添え字だけが違う6通りの並び方です。

      ここで思い出してほしいのが、「単純な順列を考えて、そのあと重複する場合の数で割る」という考え方です。

      区別した720通りの場合の数に対して、Aという文字が同じで添え字が異なるような並び替え方は3 ! = 6 通りずつ考えられます。

      ですので、このAの区別をなくせば、「区別がつかない Aという文字が3つ、区別がつくBという文字が2つ、C1つを並び替える」という問題になり、場合の数は

      です。同様にBの区別をなくせば、「区別がつかないAという文字が3つ、区別がつかないBという文字が2つ、C1つを並び替える」というもとの問題になり、その並び方は

       

      になります。ですので、この問題の答えは60通りです。

      公式として考えるなら、一般的に以下のようになります。

      区別のつかない文字がそれぞれa,b,c…個あり、文字の合計がA個のとき、並び方の総数は

      となります。

      上の問題で言えば、

      です。

       

      解答・解説【パターン2】

      組み合わせの問題であると考えれば、「文字を並べる場所が6つあり、そこに区別がない Aという文字が3つ、区別がかない B という文字が2つ、C1つ当てはめる」と考えられます。
      ※組み合わせについての記事はこちらをご覧ください。

                              〇〇〇〇〇〇 ←Aを当てはめる

      この6か所のうち、Aが当てはまる3か所を選ぶと、6C3=20

      です。

      〇〇〇〇〇← 例えば1番目、2番目、5番目にAを当てはめる

      次にBが当てはまる2か所を選ぶ場合の数は残りの3か所から2か所を選べばよいので3C2=3

      となります。

      〇〇〇〇〇← 例えば3番目、4番目にBを当てはめる

      残った1か所にCを当てはめて1C1=1ですので、求める並べ方の総数は

      20×3×1=60となり、先の結果と一致します。

      →円順列についてさらに知りたい方はコチラ!

       

      3.数珠順列とは?例題を使ってマスターしよう!

      円順列を学んだところで、次に数珠順列を例題を使いつつ練習していきましょう。

       

      例題 :次のような玉を用いて首飾りをつくるとき、首飾りの作り方は何通りあるか。

      問① 異なる7色の玉を1つずつ

      問② 赤玉4個、青玉2個、黄玉1個

      わかりましたか?それでは解説です!!

       

      数珠順列の例題①の解説

      典型的な数珠順列の問題です。

      考え方の基本は何度も言うように「単純な順列を考えて、そのあと重複する場合の数で割る」です

      まず円順列であるとして考えます。7個の円順列ですので、ある一色を固定すると考えれば

      です。その一色を固定したまま、裏返すことを考えましょう。

      すると、ある並べ方にたいして、それぞれ1通りずつ裏返したときに同じになる組み合わせがあります。

      例えば(<④>を固定)

                ①②③<④>⑤⑥⑦        ⇔        ⑦⑥⑤<④>③②①

      です。

       

      重複するのがそれぞれ2通りですので、求める場合の数は

      となります。

      公式としては

      異なる個の数珠順列を考えたとき、その並び方の総数は

      で表される。

       

      数珠順列の例題②の解説

      数珠順列の応用です。ただし「同じものを含む順列」の考え方を利用します。

      まず、円が回転しないよう、黄玉を固定しましょう。

      残った赤玉4個、青玉2個の並び方は、6つの場所に青玉2個が入る場所を選んで6C2=15ですね。

      ここで問①と違うのは、左右対称である組み合わせと、左右対称でない組み合わせを分けて考えなければならないことです。15通りの中には左右対称である組み合わせと、左右対称でない組み合わせがあるため、円順列から数珠順列にするときに、重複するものを割る必要があります。

      【左右対称かどうかで留意するポイント!!】

      ・円順列のときから左右対称であるもの→数珠順列にしたときにも1通りとして数えられる

      ・円順列のときに左右対称でないもの→数珠順列にしたときには2通りが1通りとして考えられる。

      左右対称である組み合わせの例   

       

      左右対称でない組み合わせの例   

       

      これより、「左右対称でない組み合わせだけを2で割り、左右対称なものは割らない」ということをしなければなりません。

      左右対称な組み合わせは、数珠の右側にくる青の場所を選べばよいので通り。

      左右対称でない組み合わせは15-3=12通り。

      これより、求める答えは

      となります!

      →順列の理解に役立つ記事まとめはコチラ!

        さいごに

        最後までご覧くださってありがとうございました。この記事では、数珠順列についてまとめました。

        順列は、慣れないとなかなか難問です。

        様々な問題を何度も解いて、慣れていきましょう。

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        この記事の執筆者

        ニックネーム:受験のミカタ編集部

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