加法定理とは?公式と証明、簡単な覚え方を語呂合わせで説明します!

加法定理はたくさん覚えなくてはならない公式があり、受験生は苦労することがあると思います。
今回は、二倍角の公式、三倍角の公式、半角の公式など、加法定理に関する公式を紹介するだけでなく、加法定理の証明、簡単な公式の覚え方・語呂合わせを説明します。
特に、加法定理の証明は、以前に東京大学の問題でも出題されたほど、重要で、三角関数の軸となる考え方が含まれています。
国公立や私立理系大学を受験する人は自力で解けるようにしましょう。私立文系志願の方も目を通しておくと、より理解が深まりよいと思います。
1. 加法定理(公式)
この公式は、大学受験では必須なので必ず暗記してください。
※二倍角の公式が成り立つ理由を知りたい人は、二倍角の公式について詳しく解説した記事をご覧ください。
※半角の公式が成り立つ理由を知りたい人は、半角の公式について詳しく解説した記事をご覧ください。
※三倍角の公式が成り立つ理由を知りたい人は、三倍角の公式について詳しく解説した記事をご覧ください。
2. 加法定理(証明)
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβを証明します。
これは、以前東京大学の入試で出たくらい重要です。ただ、だからといって身構える必要はありません。今まで習ったもので丁寧に証明していくだけです。
上記図を見た時に、PQの長さを表す式を2つ思い出す事はできますか?
一つは、距離の公式ですね。
PQ2=(cosα-cosβ)2+(sinα-sinβ)2
もう一つが余弦定理(忘れた方は「5分で分かる 余弦定理公式と使い方」をご覧ください。)
PQ2=12+12-2・1・1・cos(α-β)
次にこれを連立させます。
2-2cosαcosβ- 2sinαsinβ=2-2cos(α-β)
cos(α-β)=cosαcosβ+ sinαsinβ
この式をなんとかしてsin(α+β)にもっていかなくてはいけません。cos→sinやsin→cosにする時に以前勉強した方法がなにか思いつきませんか?
・・・そう
です。
(詳しく勉強したい方は『三角関数の基礎 必ず覚えておかなくてはならない5つの性質』をご参照ください。)
今回はこれの少し応用。
cos(α-β)=cosαcosβ+ sinαsinβ
のβを
に置き換えます。
上記3つの式で変換すると・・
sin(α-β)=sinαcosβ-cosαsinβ
になります。
あとはβ=-βに置き換えて
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
が証明出来ます。
☆ポイント☆
①三角形において2辺の長さとその間の角度が分かっているときは余弦定理を使える可能性を考察する。
②sin→cos、cos→sinに変換したいときは
加法定理を活用すれば、半角の公式、二倍角の公式、三倍角の公式も証明出来ますので、是非各自でやってみましょう。
3. 加法定理(覚え方・語呂合わせ)
次に、加法定理の覚え方を紹介します。
一番有名なのが、こちらですよね
他にもこんなのもあります。
silent sirenが好きな人には覚えやすいと思います。
残念ながらtanに関する語呂は「タンタン麺」や「たん♪たん♪」を連呼しているのばかりでなかなか良いのがなかったので、頑張って自力で覚えてください!
二倍角の公式、三倍角の公式、半角の公式を忘れてしまった際は、加法定理から導く事が出来るので、語呂合わせよりも自分で導けるようにしましょう。
一つだけ、例でやってみます。
加法定理→半角の公式
cos2α=cos(α+α)=cosαcosα-sinαsinα=cos2α-sin2α=1-2sin2α=2cos2α-1←この過程で加法定理→2倍角は出来てしまっています。
よって・・
を導く事が出来ます。
いかがでしたか?
今回はみなさんのために、上記の学習内容の確認に最適な練習問題を3つ用意しました!ぜひ解いてみてください!