セントラルドグマとは?DNAからタンパク質が合成されるまでを徹底解説!
遺伝子、DNA、RNA、タンパク質…..
どれも聞いたことのある言葉ですが、どのように作られているのか。
これには、セントラルドグマが関係しています。
初めて聞く方もいるかもしれませんが、遺伝子が実際に体の中で働くようになるまでのプロセスを指す言葉です。
今回は、そんな生き物にとって大切なセントラルドグマについて詳しく解説していきます。
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【セントラルドグマのまえに】DNAの構造の知識確認
セントラルドグマの解説に入る前に、DNAの構造に関する知識を復習しましょう。
DNAは、塩基に糖、リン酸が直鎖上に結合するヌクレオチドが鎖状につながってできています。
DNAは、2本のヌクレオチドがねじられた二重らせん構造という構造になっています。
DNAを構成する糖は、デオキシリボースであり、塩基は、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類があります。次の4種類の中で、結合する組は決まっています。A(アデニン)とT(チミン)のペアと、G(グアニン)とC(シトシン)のペアです。これを塩基の相補性といいます。
セントラルドグマとは?
ここから本題のセントラルドグマの解説に入ります。
セントラルドグマとは、遺伝情報の流れに関する基本原則のことです。「遺伝情報の流れ」と言われてもピンと来ないかもしれません。
具体的に言うと、「遺伝情報であるDNAの塩基配列が、RNAを介して、タンパク質のアミノ酸配列に置き換えられる」という一連の過程をセントラルドグマといいます。
セントラルドグマは大きく分けて2つの過程があります。「転写」と「翻訳」です。
DNAの2本のヌクレオチド鎖の結合が切れ、1本鎖となり、一方のヌクレオチドの塩基にRNAの塩基が相補的に結合し、RNAが合成されることを「転写」といいます。
「転写」でDNAの塩基配列が写し取られたRNA(mRNA)の塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に置き換えられることを「翻訳」といいます。この「翻訳」の時に、タンパク質が合成されます。
セントラルドグマの「転写」について詳しく解説
セントラルドグマでは、タンパク質を合成する際に「転写」という過程があります。
転写の説明で、上に記載した『DNAの2本のヌクレオチド鎖の結合が切れ、1本鎖となり、一方のヌクレオチドの塩基にRNAの塩基が相補的に結合し、RNAが合成されること』とは、DNAの情報をRNAに伝えることです。
一本となったDNAのヌクレオチド鎖の塩基とRNAのヌクレオチドの塩基はRNA合成酵素(RNAポリメラーゼ)の働きにより結合し、1本のRNAとなります。
ここで、DNAとRNAの違いを3点挙げます。
①DNAを構成する糖はデオキシリボースであったが、RNAを構成する糖はリボースである点。
②RNAを構成する塩基は、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)である点。
③DNAはヌクレオチドの塩基どうしが結合している二本鎖であったが、RNAは一本鎖DNAである点。
真核生物の場合、転写のあとに「転写後修飾」が行われます。
これは、次の翻訳を行うために、転写によってできたRNAの余分な部分を核内で除き、必要な部分だけをつなぐことをいいます。除かれる部分を「イントロン」、つなぎ合わされる部分を「エキソン」といい、「スプライシング」という過程で行われます。
このスプライシングにより、mRNA(messennnger RNA)が完成します。
セントラルドグマの「翻訳」について詳しく解説
セントラルドグマでタンパク質を合成する際は、「転写」の次に「翻訳」という過程に入ります。翻訳で、アミノ酸の配列順序、種類が決定されます。
翻訳では、核の中で完成したmRNAは、細胞質でリボソームと結合します。この結合したリボソームが、mRNAの塩基3つの配列(コドン)から、1つのアミノ酸を指定します。mRNAの塩基配列によって指定されたアミノ酸が並び、そのアミノ酸どうしがペプチド結合を形成し、ポリペプチド鎖になります。このようにアミノ酸がつなげられることでタンパク質が合成されます。
セントラルドグマのまとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます!
いかがでしたか?セントラルドグマは、転写から翻訳までに流れ、また塩基どうしの組み合わせなどを整理し、正確に暗記してください!
参考になれば幸いです。
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