目の構造、完全理解!イラスト付きで詳しく解説

生物 2021.2.4
目の構造、完全理解!イラスト付きで詳しく解説

「ものを見る」

これは、普段私たちが当たり前にしていることですが、その際、目はとても複雑な動きをしています。

色や明るさなど視覚から入ってくる情報は多岐にわたっており、視覚情報は人間が得られる情報の多くを占めているともいわれています。

この記事では、

・目の構造や各器官の名称・働き
・各器官がどのように働くことでわたしたちはものを認識しているのか

これらのことについてイラストを使いながらわかりやすく解説していきます。

		

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    1.【目の構造とは?】目は受容器、光は適刺激

    わたしたちの体にはたくさんの「受容器」がありますが、目もそのうちのひとつです。
    「受容器」とは、外部からの刺激を受け取る感覚器官のことです。

    では、目にとっての刺激はなんでしょうか?
    それは、光です。
    生物学では単に刺激といわず、「適刺激」といいます。
    「適刺激」の定義は、受容器が自然の状態で受け取ることができる刺激です。

    わたしたちが「もの」を見るということは、「もの」に反射した光(適刺激)を、目(受容器)で受け取ることで成立しています。

      2.目の構造と各器官の働きをイラスト付きで解説!

      目の構造はとても複雑です。まずはイラストで、各器官がどこにあるのか確認していきましょう。

      2-1.目の構造

      目は、さまざまな器官が集まってできています。
      光や色を感知し、それを情報として脳へ届けることが大きな役割です。

      眼球の断面図

      わたしたちが目として普段見えている部分は、以下の4つの器官です。

      ・角膜(かくまく)
      ・虹彩(こうさい)
      ・瞳孔(どうこう)
      ・水晶体(すいしょうたい)

      そして水晶体を支えているのが、毛様体(もうようたい)です。
      水晶体の奥には、硝子体(しょうしたい)があり、これが目の大部分を占めている器官です。
      硝子体を覆うようにしてあるのが、網膜(もうまく)でそのさきは視神経(ししんけい)へと繋がっています。
      右目を上からみた図

      網膜には、水晶体から入った光がちょうど焦点を結ぶ位置に黄斑(おうはん)とよばれる箇所があり、網膜が視神経へと繋がっている部分は盲斑(もうはん)とよばれています。

      2-2.目の構造と各器官の働

      目には多くの器官があることが分かったところで、それぞれの働きについて解説していきます。

      目の構造はよくカメラのレンズに例えられることが多いので、カメラを想像しながら見ていくとわかりやすいと思います。

      角膜はカメラのレンズと同じで、光を取り込んで屈折させる働きがあります。

      瞳孔から取り込まれた光は虹彩によって、適切な量に調整されます。
      これはカメラの絞りと同じ仕組みになっていて、狭まったり拡がったりすることで光の量の調整を行っています。

      虹彩によって適切な量に調整された光は、水晶体へと映ります。

      水晶体はカメラのレンズのようにピントを合わせる働きがあり、水晶体にくっついている毛様体によって厚さを変え、それを行います。

      次に光は、硝子体とよばれるゲル状の組織で形成された器官へと映ります。この硝子体は、ほぼ水分でできており、目の形状を維持する働きがあります。

      硝子体を通ってきた光は網膜に映ります。網膜には視細胞とよばれる細胞があり、視細胞が光を情報へと変換しますこの網膜は、カメラで言うとフィルムと同じ働きをしており、網膜ではじめて刺激(光)が情報へと変換されます。

      網膜には視細胞が多く集まっている個所と全くない箇所があり、それぞれ黄斑と盲斑といいます。

      黄斑は、外から入ってきた光が焦点を結ぶ位置にあり、視細胞がたくさんあります。
      一方、盲斑は網膜が視神経へと伸びる位置にあるので、視細胞が全くなく光を認識することができません。

      網膜にある視細胞には2種類あり、それぞれ錐体細胞(すいたいさいぼう)と桿体細胞(かんたいさいぼう)と呼ばれています。

      錐体細胞は、日中わたしたちがものを見るときに活躍する細胞で、形や色を見分けることができます。工事現場などにあるカラーコーンのような形をしていることから、この名前が付けられています。

      桿体細胞は、夜間の暗い中でものを見るときに活躍する細胞で、形はわかりますが色を見分けることはできません。暗視カメラのように、暗い中で撮影された映像をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。棒のような形をしているので、棒細胞とよばれることもあります。

      錐体細胞と桿体細胞の図

      錐体細胞と桿体細胞が切り替わることで、わたしたちは明るいところでも暗いところでも、ものを見ることができており、このような切り替えを明暗順応といいます。
      明暗順応は、明順応(暗い場所→明るい場所)と暗順応(明るい場所→暗い場所)に分けられ、暗順応は30分~1時間程度かかるのに対し、明順応は1分ほどで完了することが特徴です。

      最後に、視神経は映像へと変換された情報を、脳の視覚野へと伝える働きをしています。

      3.【目の構造】ものが見える流れ

      目の構造がわかったところで、実際にわたしたちがものを見たときにどのように各器官が働くのでしょうか。ものを認識するまでの流れを確認してみましょう。

      3-1.【目の構造・第一段階】目に光が入ってくる

      まず、角膜に光を取り込むと、虹彩を伸縮させて光の量を調節します。
      光の量が多い(まぶしい)と瞳孔は狭まって入ってくる光の量を少なくしようとし、少ない(暗い)と瞳孔は拡がってより光を取り込もうとします。

      虹彩の間には瞳孔があり、虹彩が動くとこの瞳孔の大きさが変わります。
      猫の目はこの虹彩の動き(瞳孔の大きさ)がわかりやすく、明るいところだと瞳孔は細く、暗いところだと瞳孔は大きく変化します。

      虹彩と角膜の働きの図

      3-2.【目の構造・第二段階】ピント調整

      次に、取り込まれた光は、水晶体へと映ります。
      水晶体はピントを合わせるために厚さが変えられますが、水晶体単独で動くことはできず、くっついている毛様体が収縮したりゆるんだりすることで、厚さを調整しています。

      遠くのものをみるときは、毛様体はゆるみ水晶体の厚さは薄くなります。
      反対に、近くのものを見るときは、毛様体は収縮し水晶体は厚くなります。

      パソコンや携帯電話など近くのものを見続けると、目が痛くなったり肩が凝ったりするのは、この毛様体が常に緊張して収縮しているからです。
      水晶体・毛様体でピント調整をする図

      3-3.【目の構造・第三段階】光を映像情報へと変換

      最後に、硝子体を通った光は網膜へと映り、視細胞を刺激します。刺激された視細胞は光を映像情報へと変換し、その情報は視神経から脳へと運ばれます。

      光を映像情報に変換する段階の図

        4.目の構造と働きのまとめ

        テストでは、

        ・目の構造と各器官の名称および働き
        ・ものを見るときに、各器官はどのように動くのか(遠近調節の仕組み)
        ・錐体細胞と桿体細胞の働きの違い

        などが出題されることが多いです。

        各器官の動きや働きは、自分がものを見るときを想像しながら覚えると覚えやすいと思います。
        瞳孔や水晶体などは、虹彩や毛様体など別の器官で調整されるので、どこがどのように収縮すると、どこがどのように変化するのかを整理して覚えておきましょう。

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        この記事の執筆者

        ニックネーム:受験のミカタ編集部

        「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。