気体の状態方程式とは?体積との関係から練習問題まで

化学 2019.6.20

物質の状態は気体・液体・固体に分けられます。

固体について理解するには、陽子と電子、電子殻などの状態を知ることが大切です。

固体を熱してゆくと、融解点を超えれば液体になり、さらにエネルギーを加えることで気体になります。

ドライアイスのように、固体から直接気体になるような(昇華する)物質もあります。

気体は固体や液体に比べて、粒子が激しく熱運動しています。

気体の状態を詳しく知ることも、受験では必要です。

この記事では、気体の状態方程式についてまとめます。

 

気体の状態方程式とは

気体の状態は、圧力、体積、物質量、温度で決まります。

これらの関係を表した式が、気体の状態方程式です。

気体の状態方程式は理想気体について成り立つ式ですから、使うときには気体が理想気体であると仮定されていることを確認しましょう。

理想気体とは、分子の大きさがなく、分子間に引力が働いていないと仮定した気体です。

気体の圧力をP、体積をV、物質量をn、温度をTとすると、以下の式が成立します。

気体の状態方程式

これが気体の状態方程式です。

Rは気体定数と呼ばれる比例定数であり、体積や気圧の単位によって値が変わります。

気体の状態方程式の単位

気体の状態方程式を扱うときに気を付けなければならないのが、単位です。

先にも申し上げた通り、気体定数Rの単位は、体積や気圧の単位と関係しています。

気体定数の値は問題で与えられるので、覚える必要はありませんが、その単位はよく確認しておきましょう。

 

圧力とは「単位面積当たりに加わる力」のことです。

このことから、圧力の単位は

圧力の単位              

で求められます。

例えば気体であれば、ピストンのついている容器に気体を入れると、気体は容器の中を熱運動してピストンを押します。

これが気体の圧力です。

 

地球を取り巻く空気は地球に惹きつけられています。

この空気の圧力を大気圧と言います。

大気圧はガラス管と水銀の実験によって確かめられています。

気体の圧力の単位は[ atm ](アトム),[ mmHg ](ミリメートル水銀柱) [Pa](パスカル)=[N/m2]が一般的です。

気体の圧力の単位

この3つの単位の関係は、覚えてしまってください。

 

ここでアボガドロの法則を紹介します。

アボガドロの法則とは、気体の種類によらず、同一圧力、同一温度、同一体積の気体に含まれる分子の数は同じである、という法則です。

物質量molについても復習しておきましょう。

原子や分子、イオンが莫大な数が寄り集まって、物質を形作っています。

それらの数をそのままの数で表すのは、無駄に数字を大きくするだけで意味がありません。

ですから、鉛筆などを12本で1>ダースと数えるのと同様に、

6.0×1023

をひとまとめにして1molという単位を導入しました。

大切なのは、鉛筆だけでなくジュースやボールペンでも12本で1ダースとするのと同じで、どんな原子や分子、イオンでも同じ数だけ集めて1molとする点です。

1molごとの質量は、物質ごとに異なり、それをモル質量 [g/mol]といいます。

アボガドロの法則から、同一圧力で、気体に含まれる分子の数(mol)が同じで、温度も一定であれば、その気体が占める体積は一定になります。

0℃(=273[K](ケルビン))、1atmの気体を標準状態といい、標準状態では1molの気体の体積は22.4 l であることがわかっています。

ここから、気体定数を求めることができます。

気体の状態方程式から、

となります。これは[atm]を使った場合です。

次に、1.013×105Paを使った場合の気体定数を求めると、

です。

Pa(パスカル)は [N/m2]とも表せますから、1l=10-3m3と考えれば

となります。そして、[N・m]=[J]ですから、

R=8.31[J/(mol・K)]

です。

先にも申し上げましたが、気体定数を求めるような問題でない限りは、気体定数は問題で与えられます。

そのとき、必ず単位を確認しましょう。

どの単位を用いているかによって、問題の数値をそのまま使ってよいかなどが変わってきます。

必要なら、単位の変換をしてから問題を解きましょう。

気体の諸法則と気体の状態方程式

気体の諸法則として有名なのは、先にご紹介したアボガドロの法則の他にも、ボイルの法則シャルルの法則、2つを合わせたボイル・シャルルの法則です。

これらを全て合わせたような法則が、理想気体の状態方程式です。

  • ボイルの法則      :一定温度において、一定量の気体の体積Vは、圧力Pに反比例する

ボイルの法則

  • シャルルの法則      :一定圧力において、一定量の気体の体積Vは、絶対温度Tに比例する

シャルルの法則

  • ボイル・シャルルの法則      :一定量の気体の体積Vは、圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する

ボイル・シャルルの法則

  • アボガドロの法則      :気体の種類によらず、同一圧力、同一温度、同一体積の気体に含まれる分子の数は同じ=一定温度、一定圧力において気体の体積Vは物質量nに比例

アボガドロ定数

これらの気体に関する諸法則をまとめると、気体の状態方程式

気体の状態方程式

になります。

練習問題

問. 27℃で、2.0×105Pa, 10 l の気体を、0℃、5.0×104Paにすると、体積は何lになるか。

(*解答・解説は下へスクロール)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答・解説

最も単純な、気体の状態に関する問題です。

気体の状態方程式を使うというよりも、ボイル・シャルルの法則を使うとわかりやすいでしょう。

つまりこの問題では、気体を混ぜたり、新たな気体を注入したりしていませんから、気体のモル数nが変化しません。

ですから、nと気体定数Rは一定になり、

気体の状態方程式練習問題

となります。

気体の状態方程式やボイル・シャルルの法則で使う温度Tは絶対温度であることに気を付けてください。

温度と圧力を変える前と、後とで気体定数の値が一定ですから、

練習問題式

となり、36.41となることがわかります。

この問題の有効数字は2桁になっていますから、

練習問題解

としてもよいでしょう。

問. 37<℃で、6.2×104Paで0.10 moの気体の体積は何lになるか。ただし、気体定数はR=8.3×103[Pa・l/(K・mol)]とする。

(*解答・解説は下へスクロール)
 

 

解答・解説

気体の状態方程式にそのまま当てはめるだけの問題です。

練習問題式2

です。

この問題では0.10 molというように、明示的に有効数字が2桁であることが示されていますから、

練習問題式

とする方がよいでしょう。

先にも申し上げたように、気体の状態方程式を利用するときには、それぞれの量の単位に注意しましょう。

それぞれの単位は、問題で与えられた気体定数の単位で判断します。

この問ではR=8.3×103[Pa・l/(K・mol)]ですから、気体の気圧はPaを使い、体積はlを使います。

問題でそれぞれの単位で与えられていなければ、直してから気体の状態方程式に当てはめましょう。

おわりに

最後までご覧くださってありがとうございました。

この記事では、気体の状態方程式についてまとめました。

気体の状態方程式で気を付けておかなければならないのは、「理想気体について成立する式である」ということです。

大学受験では、理想気体と実在気体を比較するような問題も出題されます。

理想気体は「分子の大きさがなく、分子間に引力が働いていないと仮定した気体」です。

分子の大きさがあり、分子間の引力がある実在気体では、厳密には気体の状態方程式は成立しません。

低圧の場合、気体の分子どうしが離れていて、分子間力や分子自身の体積を無視できますから、理想気体に近い性質をもちます。

また、高温になると気体の分子は激しく運動し、分子間力の影響を無視できるようになります。

ですから、高温・低圧では実在気体が理想気体に近づきます。

ご参考になれば幸いです。


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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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