熱化学方程式の解き方!基本からわかりやすく解説

化学 2024.11.5
熱化学方程式の解き方!基本からわかりやすく解説

熱化学方程式は、化学問題の基本です!

熱化学方程式は、大学受験頻出分野なので、解き方をしっかり理解すると化学分野の得点アップに繋がります。
ここでは解き方を中心に熱化学方程式について詳しく説明していくので、ポイントを押さえ、基本を確実にマスターしていきましょう。基本をマスターできたら、さまざまな応用問題に挑戦して実力をつけましょう!

→反応式の理解に役立つ記事まとめはコチラ!

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    1.熱化学方程式とは?

     

    「熱化学方程式」とは、化学反応によって生まれる熱量の出入りを示した化学反応式のことです。
    また、出入りした熱量のことを「反応熱」と呼びます。

    反応物質と生成物質の両辺を=で結ぶことと、
    発熱反応では正、吸熱反応では負の熱量を反応物質側に書くことを忘れないように気をつけてください!

    例題として、塩素と水素が化合して塩化水素が発生する場合を見てみます。
    この場合、H2(気)+Cl2(気)=2HCl(気)+184kJという式になります。
    (カッコ)の中の文字は各物質がどのような状態にあるかを示しています。
    状態は3つに分かれていて下記のようなパターンがあります。

    ★固体
    ★気体
    ★液体

    例えば、(気)は気体であることを示します。
    このように熱化学方程式では、同じ物質であっても状態が違うことを考慮して、固体か気体か液体かを式の中で明示しなければならないので注意しましょう。

    反応熱について

     

    熱化学方程式の問題を解くにあたって、「反応熱」という言葉もよく出てきます。
    反応熱とは、化学反応が起きることによって生まれる熱のことです。

    熱を発生させる反応のことを「発熱反応」、熱を吸収する反応のことを「吸熱反応」と呼びます。
    つまり、熱が発生するか熱を吸収するかで呼び方が変わります。

    では、炭素1molを燃焼させると349kJの熱が発生する場合を例にとってみましょう。
    この場合、反応式はC+O2→CO2となります。
    熱化学方程式にすると、C(固)+O2(気)=CO2(気)+349kJです。

    熱化学方程式は反応熱を表すことができるので、「反応熱を熱化学方程式で表せ」といった形で出題されることが多いです。反応熱についても併せて覚えておきましょう。

     

    化学反応式について

     

    化学反応式とは、物質の化学反応を示した式のことです。
    ルールとして、反応前の物質を「反応物」と呼び、反応後の物質を「生成物」と呼んでいます。

    たとえば、塩酸と水酸化ナトリウムが化学反応を起こすことで、水分子と食塩が生成されます。
    これを化学反応式で表すと、HCl+NaOH→H2O+NaClとなります。
    左辺は反応物を表していて、右辺は生成物を表しています。
    化学反応式についてさらに詳しく知りたい場合は下の記事を確認してみてください。↓

    化学反応式の作り方を徹底解説!〜基礎から複雑な反応まで〜

     

      2.熱化学方程式の解き方

      では、実際に熱化学方程式を解いていきましょう。

      【例題】アンモニアが生成される際に46.1kJ/molの熱を発生した。これを熱化学方程式で解け。

      この問題の場合、まずはアンモニアの化学反応式N2+H2→NH3をイメージしてみましょう。
      係数を加えると化学反応式となり、N2+3H2→2NH3となります。
      ここまでがアンモニアが生成される際の化学反応式です。

      これを踏まえたうえで熱化学方程式を解いていきます。
      1molあたり46.1kJの熱が発生するので、熱化学方程式は

      1/2N2(気)+3/2H2(気)=NH3(気)+46.1kJ

      という式になります。

      今回はすべての物質が気体なので(気)という表記ですが、固体なら(固)、液体なら(液)と書きましょう。
      問題をよく読み、化学反応式をイメージすれば熱化学方程式も解けるようになっていきます。
      1つ1つの条件を整理しながら、熱化学方程式に当てはめていきましょう。
      ここで、これまでの解説を表にしてまとめておきます。

      熱化学方程式 考え方

       

      ヘスの法則

       

      熱化学方程式を解く時には、「ヘスの法則(総熱量保存の法則)」と呼ばれる法則も活用されます。
      ヘスの法則とは、反応前後の状態が同じなら、その過程でどのような経路を通っても反応熱の総和は等しい、という法則のことです。

      少し分かりにくいと思うので詳しく説明します。
      Fという物質からJという物質を生成させるとしましょう。

        • F+G=H+Q2kJという反応があって、H+G=J+Q3kJという反応をさせることでJが生成されます。
        • また別な経路としてF+2G=J+Q1kJという経路があったとします。

      この場合、1つ目の経路と2つ目の経路の反応熱の総和は等しくなるので、Q2+Q3=Q1となります。

      熱化学方程式 ヘスの法則

      物質が化学反応の過程で放出するエネルギーは、どのような経路を通っても総和が変わらない仕組みになっています。
      ヘスの法則を覚えておくことで、物質のエネルギーの法則もイメージしやすくなるので熱化学方程式がより簡単に解けるようになるでしょう。

       

      3.反応速度も押さえておこう

       

      熱化学方程式の問題を解くためには、反応速度についても理解しておきましょう。
      「反応速度」とは、単位時間あたりの反応物濃度の減少量と、生成物濃度の増加量のことです。簡単に化学反応が進行する速さと考えてもいいでしょう。
      反応物の濃度や圧力が大きくなるほど、反応速度も大きくなるのも特徴です。

       

      反応速度は、反応物の濃度や圧力、温度などの条件によって変化し、正反応と逆反応の2つが等しくなった時に平衡状態となります。このことを「動的平衡」と呼びます。
      化学反応と強く関係している言葉なので、熱化学方程式に関する問題でも反応速度の知識が必要になるケースがあります。きちんと覚えておきましょう。

       

        4.熱化学方程式のコツ

        熱化学方程式の問題を解く際に重要なことは、出題された問題文をよく読んで自分で反応式が書けるようになることです。また熱化学方程式では以下の公式も役立つでしょう。この公式を覚えておくと、必要な時に公式を当てはめて考えることができるので便利です。

        反応熱=生成物の生成熱の和-反応物の生成熱の和

        →反応式の理解に役立つ記事まとめはコチラ!

          5.熱化学方程式のまとめ

           

          熱化学方程式は化学分野で必ずと言っていいほど出題されるので、この分野を確実にマスターすると、大きな得点源にすることができます!
          解き方をしっかりマスターしておけば問題を解くのも難しくないので、「熱化学方程式とは何か」という定義から順を追って勉強していくといいでしょう。

          熱化学方程式の分野は、自分で式を作って解く数学的な力が求められたり、覚えることも多いですが、一つひとつ確実に理解していきましょう。

          →反応式の理解に役立つ記事まとめはコチラ!

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

          「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。