オストワルト法とは?化学反応の流れや覚え方も含めて解説!

化学 2020.5.26

この記事では、硝酸の工業的製法であるオストワルト法を解説していきます。

オストワルト法は、化学反応の流れを理解することがとても大事です。
ぜひ最後までご覧ください。

1.オストワルト法とは?

オストワルト法とは、1902年にドイツの化学者オストワルトが考案した、アンモニアを酸化させて硝酸を取り出す方法です。

しかし、アンモニアを酸化させるとすぐに硝酸が取り出せるわけではなく、反応は3段階に分かれています。
ここでは3つの反応を解説していきます。

反応1:白金を触媒として800~900℃でアンモニアを酸化させ、一酸化窒素をつくる。

反応1では白金(プラチナ)を触媒として用いることがとても重要です。

触媒とは、反応の前後で変化しないものの反応速度を速めるために必要な物質のことです。この反応では800~900℃という高温の中で、アンモニアの酸化をより促進させるために白金触媒が用いられています。

 

反応2:一酸化窒素をさらに酸化させ、二酸化窒素をつくる。

反応2では反応1との関連性を理解することが重要です。

反応1で生成された一酸化窒素が反応2で用いられています。このように前後の関係性を理解することがオストワルト法を理解するうえで大事になります。

 

反応3:二酸化窒素と水を反応させ、硝酸をつくる。

この反応がオストワルト法の最終的な反応です。
この反応も反応2で生成された二酸化窒素を反応3で用いています。

オストワルト法は硝酸製造プラントという大きな機械の中で行われます。
プラントには物質を酸化させるための熱交換器と、硝酸を生成するための吸収塔で成り立っている装置です。

反応1は熱交換器の中で、反応2は熱交換器と吸収塔を移動する間で、反応3は吸収塔の中で行われます。

詳しい化学反応については以下の見出しで行っていきます。
この段階では、化学反応の流れを理解しておきましょう。

2. オストワルト法の化学反応とは?

見出し1で解説した反応を実際に化学式に表して解説していきます。

反応1:白金を触媒として800~900℃でアンモニアを酸化させ、一酸化窒素をつくる。

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O・・・①

反応1は反応が起こるうえでの条件を覚えておきましょう。

その条件は高温で白金触媒を用いる点です。この点は試験でも問われることがあるため、注意しましょう。
この反応の生成物は、反応2で用いる一酸化窒素と水のみであるため、とてもクリーンな反応といえるでしょう。

 

反応2:一酸化窒素をさらに酸化させ、二酸化窒素をつくる。

2NO + O2 → 2NO2・・・②

この反応は反応1で生成した一酸化窒素をさらに酸化しています。
全体の反応が始まる最初の段階は反応1しか始まっていませんが、反応が進んで行くにつれ、反応1と反応2が同時並行で進んでいるイメージを持ちましょう。

 

反応3:二酸化窒素と水を反応させ、硝酸をつくる。

3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO・・・③

反応3でオストワルト法の目的ともいえる硝酸が生成されました。
また硝酸とともに生成された一酸化窒素は、反応2で使われるため、反応3が起こった後も全体の反応は継続されることを意識しましょう。

反応1~3をすべて合わせると、オストワルト法は以下のように表すことができます。

NH3 + 2O2 → HNO3 + H2O・・・④
(④=(①+②×3+③×2)÷4)

前述したように、硝酸とともに生成される一酸化窒素は反応2で用いられるため、オストワルト法全体の生成物は硝酸と水だけになります。

3. オストワルト法の覚え方(語呂合わせ)とは?

オストワルト法は試験によく出るため、それぞれの反応式を暗記しておく必要があります。
ここでは暗記しやすいように語呂合わせを紹介します。無理やりな語呂合わせがあるかもしれませんが、ご了承ください。

 

反応1:4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
覚え方:夜(4)、暗黒(アンモニアNH3)のゴリラ(5)さん(酸素O2)が読む(4)ノート(NO)、ろくに(6)見えず(水H2O)。

オストワルト法 語呂合わせ

 

反応2:2NO + O2 → 2NO2
覚え方:2人の(2NO)王子(O2)は、2つの脳を持つ(2NO2)

オストワルト法 語呂合わせ

 

反応3:3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
覚え方:3点なのに(3NO2)みずから(水H2O)称賛(2硝酸)するの(NO)?

オストワルト法 語呂合わせ

 

化学反応や元素記号、公式などは、語呂合わせを考えながら勉強することで、複雑なものでも楽しく覚えることができ、語呂合わせを考えることは勉強の息抜きにもなります。

語呂合わせに正解はありません。自分なりの語呂合わせを考えて、複雑な反応式を克服しましょう!

4. オストワルト法を用いた計算問題

ここではオストワルト法を用いた計算問題を2問出題します。

問題1は記事の内容を理解していれば解ける基本的な問題ですが、問題2は少し発展させた難しい問題になっています。
ぜひ解いてみてください。

問題1:850gのアンモニアから得られる硝酸は何kgかオストワルト法を用いて求めよ。
(原子量 H=1,N=14,O=16)

問題2:オストワルト法を用いて、濃硝酸0.5L(濃度60%,密度1.4g/cm3)を製造するために必要なアンモニアの体積は標準状態で何Lか有効数字3桁で求めよ。
(原子量 H=1,N=14,O=16)

※以下に解答と解説

 

 

 

 

  • 問題1の解説

オストワルト法は以下の①~③の式で成り立ち、④の式の形でまとめることができる。

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O・・・①
2NO + O2 → 2NO2・・・②
3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO・・・③
NH3 + 2O2 → HNO3 + H2O・・・④

アンモニア(NH3)の分子量は 14+1×3=17 なので、850gのアンモニアは 850÷17=50molである。

④式より、アンモニアと硝酸のモル比は1:1なので、オストワルト法で生成される硝酸も50molとなる。

硝酸(HNO3)の分子量は 1+14+16×3=63 なので、求められる硝酸の量は63(硝酸の分子量)×50(モル比から求められる生成される硝酸の物質量)=3150g となる。

 

  • 問題2の解説

問題1の解説より、オストワルト法のよるアンモニアと硝酸のモル比は1:1なので、濃硝酸0.5Lに含まれる物質量と求めるアンモニアに含まれる物質量は等しい。

まずはこの濃硝酸に何gの硝酸が含まれるかを求める。1L=1.0×103 cm3より、濃硝酸0.5Lに含まれる硝酸は、

0.5×1.0×103×0.6(濃度)= 300g

である。

硝酸の分子量は63、標準状態における1molの体積は22.4Lであるため、求められるアンモニアの体積は、

300÷63×22.4≒1.07×102L

となる。

5.オストワルト法のまとめ

オストワルト法は難しいと思われがちですが、反応を1つずつ理解すればそれほど難しくありません。

受験問題でもよく出るため、反応式は丸暗記するといいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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