溶解度とは?求め方の秘訣&溶解度曲線も図で即理解!計算問題付き

化学 2022.12.14

高校化学における溶解度について、スマホでも見やすいイラストで慶應大学に通う筆者が解説します。

化学が苦手な人でも溶解度が理解できるように、計算問題を例に取りながら丁寧に解説します。

溶解度は苦手とする生徒が多いので、ぜひ本記事で溶解度を理解して、他の生徒と差をつけておきましょう!

本記事を読めば、溶解度とは何か・溶解度の求め方と計算方法・溶解度曲線とは何か・グラフの見方が理解できるでしょう。

ぜひ最後まで読んで、溶解度をマスターしてください!

		

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1:溶解度とは?化学が苦手でもわかる!

まずは溶解度とは何かについて、化学が苦手な人でも理解できるように解説します。

溶解度とは、ある量の水(溶媒)に対して最大限溶かすことのできる溶質の質量[g]のことです。

溶解度については、以下の2つのことを覚えておきましょう。

①一般的に、水(溶媒)の量が多くなると溶解度は大きくなり、水(溶媒)の量が少なくなると溶解度は小さくなる。

②一般的に、水(溶媒)の温度が高くなると溶解度は大きくなり、水(溶媒)温度が低くなると溶解度は小さくなる。

以上が溶解度とは何かの解説です。

次の章では、実際に溶解度を求める計算を行ってみます。

 

2:溶解度の求め方・計算方法

では、実際に溶解度に関する例題を使って、溶解度の計算をしてみます。

溶解度では、水(溶媒)の量と温度によって溶ける溶質の量[g]が変化するということをまずは覚えておいてください。

では、以下の例題を解いてみます。

例題

塩化カリウムは水100gに対して60℃で50g、40℃で40g、20℃で30g溶けるとする。

①60℃の水100gに、塩化カリウムを最大まで溶かした。その後、40℃まで水を冷却した。この時、何gの塩化カリウムが析出するか求めよ。

【解答&解説】

溶解度における計算では、変化前の溶質の量を求めてから、変化後の溶質の量を求めて引くのが定石です。

変化前(60℃の水100g)の溶媒の量は50gですね。変化後(40℃に冷却)の溶媒の量は40gですね。

よって、

50 – 40 = 10[g]・・・(答)

の塩化カリウムが析出します。

 

②40℃の水300[g]には塩化カリウムを何gまで溶かすことができるか求めよ。

【解答&解説】

溶解度では、水(溶媒)の量と溶ける溶質の量は比例します。

とても重要な事柄なので必ず覚えておきましょう。

問題文より、40℃の水100gに対して塩化カリウムは40g溶けます。

水の量を3倍の300g(温度はそのまま)にすると、溶ける塩化カリウムの量も3倍になるので、

40 ×3 = 120[g]・・・(答)

となります。

【別解】

溶解度では、水(溶媒)の量と溶ける溶質の量は比例するので、比を使って解くこともできます。

求める塩化カリウムの量をx[g]とすると、「溶媒の量:溶質の量」は一定ですので、

100[g]:40[g] = 300[g]:x[g]

x = 120[g]・・・(答)

というように求めることもできます。

 

③60℃の水400gに塩化カリウムを最大まで溶かしてから、

水溶液全体の量が300gとなるよう水を蒸発させた後、20℃まで冷却した。

この時、何gの塩化カリウムが析出するか求めよ。

【解答&解説】

繰り返しになりますが、溶解度における計算では、変化前の溶質の量を求めてから、変化後の溶質の量を求めて引くのが定石です。

まずは60℃の水400gに溶ける塩化カリウムの量をx[g]としてxを求めます。

100:50 = 400:x より

x = 200[g]です。これが変化前の溶質の量ですね。

そしてこの時の水溶液全体の量は、

400+200=600[g]ということになります。

問題には蒸発させた水の量が書かれていませんが、変化後の水溶液全体の量が300gであることから、

蒸発させた水の量は

600-300=300[g]であることがわかります。

もともとあった水の量は400gでしたから、変化後の水の量は

400-300=100[g]

つまり、400gあった水の量は、蒸発によって100gになったということがわかりますね。

続いて、20℃の水100gに溶ける塩化カリウムの量をy[g]としてyを求めます。

100:30 = 100:y より

y = 30[g]です。これが変化後の溶質の量ですね。

よって、析出する塩化カリウムの量は

x – y

= 200 – 30

= 170[g]・・・(答)

となります。

いかがでしたか?溶解度の求め方・計算方法のイメージができましたか?

溶解度の問題では、変化前の溶質の量を求めてから、変化後の溶質の量を求めて引くということを意識しておきましょう。

 

3:溶解度曲線とは?グラフの見方

溶解度の分野では、溶解度曲線の学習が欠かせません。

溶解度曲線とは、水100gに対して溶質が何g溶けるか?を表したグラフのことです。

横軸に水の温度、縦軸に溶解度(溶質が最大限溶ける量)をとります。

溶解度曲線の例として、硝酸カリウムKNO3の溶解度曲線を見てみましょう。

以上の溶解度曲線から読み取れることは、

10℃の水100gに対して硝酸カリウムKNO3は最大で20gまで溶かすことができる(溶解度が20g)

40℃の水100gに対して硝酸カリウムKNO3は最大で64gまで溶かすことができる(溶解度が64g)

80℃の水100gに対して硝酸カリウムKNO3は最大で110gまで溶かすことができる(溶解度が110g)

ということです。

以上が溶解度曲線とは何か・グラフの見方の解説です。

次の章では、溶解度曲線を使って問題を1つ解いてみましょう!

 

4:溶解度曲線を使った溶解度の計算問題

では、溶解度曲線を使った溶解度に関する問題を解いてみましょう!

もちろん丁寧な解答&解説付きです。

問題

以下の溶解度曲線をもとにして、問いに答えよ。

(1)

60℃の水に硝酸カリウムKNO3を最大まで溶かした飽和水溶液の重さは420gだった。

この飽和水溶液には何gの硝酸カリウムKNO3が溶けているか求めよ。

(2)

先ほどの飽和水溶液((1)の飽和水溶液)を10℃まで冷却すると、何gの硝酸カリウムKNO3が析出するか求めよ。

解答&解説

(1)

硝酸カリウムKNO3の飽和水溶液に、水(溶媒)がx[g]、KNO3(溶質)がy[g]溶けているとします。

溶解度曲線より、60℃の水100gにはKNO3が110g溶けるので、

100:110 = x:y

という比の式が立てられます。よって、

110x = 100y・・・①

また、飽和水溶液の重さは420gなので、

x + y = 420・・・②

①と②を連立させます。

※連立方程式の解き方がわからない人は、連立方程式の解き方について解説した記事をご覧ください。

すると、x=200、y=220となるので、

求める硝酸カリウムKNO3の量は

220[g]・・・(答)

となります。

 

(2)

溶解度の問題では、変化前の溶質の量を求めてから、変化後の溶質の量を求めて引くのが定石でしたね。

10℃の200gの水に溶ける硝酸カリウムKNO3の量z[g]を求めましょう。

100 : 20 = 200:z より、

z = 40[g] です。

よって、析出する硝酸カリウムKNO3の量は

220 – 40

= 180[g]・・・(答)

となります。

 

まとめ

いかがでしたか?

溶解度とは何か、求め方・計算方法、溶解度曲線とは何かが理解できましたか?

溶解度は高校化学でも理解しにくい分野だとは思いますが、ぜひ本記事を何度も読み返して溶解度を理解していただければと思います。

 

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この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学