三角関数の微分:公式の証明と例題

数学 2019.2.8
三角関数の微分:公式の証明と例題

高校の数学では、毎年、三角関数を習います。

数学Ⅰでは、直角三角形を利用して、三角比で0°から90°までの三角関数の基礎を学習します。
数学Ⅱでは、三角比の概念を単位円により拡張して、90°以上の角度でも三角比が考えられることを学習しました。
数学Ⅲになると、さらに三角関数の応用として、三角関数の微分・積分などを学習します。

三角関数について知らなければ、数学を用いた受験はできないといっても過言ではありません。

この記事では、三角関数の微分についてまとめます。

 

    1.微分の定義を紹介

    数学Ⅱで微分を習ったばかりのころは、定義式を用いた微分をしていたはずですが、

    微分

    のとき、

    微分

    などの公式を習ってからは、公式を用いて微分することが多く、微分の定義式を知らない受験生が意外と多いです。

    微分とは、微笑区間の平均変化率を考えたものであり、以下のような定義式があります。

    微分の定義式
    関数  微分が x = a から x = b まで変化したときの、平均変化率
    微分であらわされ、平均変化率をとる区間を小さくしてゆくと極限を用いて微分となる。

    これが微分係数の定義式です。

    分母がxの変化量であり、分子がyの変化量となっています。

    Xの変化量に対してyの変化量がどれくらいか、という値であり、その局所変化をみることで、その曲線の傾きを表している、とも見られます。

    ここで、xの変化量をh = b-a とすると

    微分

    となります。この式は、aの値は定数 (1,2,3,…などの固定された値) であるため、f ’ ( a ) も定数となります。

    ここで定数aを変数xに置き換えると、f ’ ( x )はxに値を代入するとそこでの微分係数を返す関数となります。
    このf ’ ( x ) を導関数といいます。つまり、微分係数 f ’ ( a )はこの導関数に x = a を代入した値ということになります。これが微分の定義式です。

    本来はすべての微分は、この定義式に基づいて計算しますが、xの累乗の微分などは簡単に計算できますので、いちいち微分の定義式を使わなくても計算できます。

    数学Ⅱでは、xの累乗の導関数を求める機会しかないので、これで事足りますが、未知の関数の導関数を求める際には、この微分の定義式を利用します。

     

      2.三角関数の微分

      f(x)=sin⁡x

      のとき、f ( x ) を定義に従って微分してみましょう。

      微分

      ここで

      微分

      であることに注目して、

      微分

      ですから、

      sinの微分の途中式です。

      となり、f’(x)=cos⁡x  となります。

       

      では、cos⁡x  を微分するとどうでしょうか。

      定義に従って微分することもできますが、次のように微分することもできます。

      三角関数の計算と、合成関数の微分を利用します。

      微分

       

      次に tanx の微分は、分数の微分を使って求めることができます。

      微分

      となります。

       

      3.三角関数の極限

      微分

      の証明をします。

      証明:

      ① x → +0のとき

      0<x<微分として、半径r、中心角xの扇形OAPを作ります。

      点Aにおける円の接線が直線OPと交わる点をTとすると、∠OAT=微分  となります。

      このとき、⊿OAPと扇形OAP、⊿OATの面積を比べると、

      ⊿OAP<扇形OAP<⊿OAT

      となります。OA = OP = r、 AT=rtanx ですから、それぞれの面積を求めて

      微分

      ここで偏角は鋭角なので、sinx >0  ですから、sinxで割ったのちに逆数を取ると

      sinx/xの極限の証明に関する式です。

      となります。

      微分なので、はさみうちの原理から

      微分

      ②x→-0のときは、x = -tとおけば、先と同じような計算ができます。

      微分

      右側極限も左側極限も一致しますので、

      微分

      となり、証明できました。

       

      この式は、三角関数の極限を求める際によく出てくる式ですので、覚えておきましょう。

       

        4.三角関数の微分の練習問題

        問. 次の関数の微分をせよ。

        微分

         

         

         

        解答・解説

        積分は、公式を覚えていないとできないこともありますが、微分は丁寧に計算していけば、必ずできます(微分可能な関数であれば、ですが)。

        使うのは、「合成関数の微分法」「積の微分法」「商の微分法(分数の微分法)」です。

        この3つさえマスターできていれば、おおむね問題ありません。

        しっかり復習しておきましょう。

         

        (1)

        積の微分法と合成関数の微分法を使います。
        複数を使うと混乱してしまいますから、丁寧に解いてゆきましょう。

        y’=(sin⁡x cos2⁡x )’
        =(sin⁡x )’ cos2⁡x+sin⁡x (cos2⁡x )’
        =cos3⁡x+sin⁡x {2 cos⁡x (cos⁡x )’ }
        =cos3⁡x-2 sin2⁡x cos⁡x

        積の微分法と、合成関数の微分法を組み合わせた問題です。

        一気に計算しようとすると間違えてしまいます。

        特に1行目から2行目にかけては、面倒でもいちいち書いておいた方が計算ミスを防ぐことができます。

         

        (2)

        商の微分法を利用します。

        微分

        しっかり丁寧に計算してゆきましょう。

        三角関数の計算では、計算を途中でやめてしまう受験生が多いです。

        これ以上計算できないかどうかを、確認してから回答しましょう。

        上の式なら、3行目や4行目で計算をやめてしまうと、明らかに計算途中です。

        部分点しかもらえませんので、気を付けましょう。

         

          5.おわりに

          最後までご覧くださってありがとうございました。

          この記事では、三角関数の微分法についてまとめました。

          三角関数の微分法では、結果だけ覚えておけば基本的には問題ありません。

          つまり、

          微分

          です。この3つの式は必ず覚えておきましょう。

          特に、 cosx は微分すると-が付きますので注意してください。

          三角関数の積分を習うと、-がつくのが cosx  か sinx かで、迷ってしまうこともあると思います。

          試験会場で正負の符号ミスは、単なる計算ミスで大きく減点されてしまいますので、絶対に避けなければなりません。

          受験生側は計算ミスを軽く見がちですが、ミスなく正確に計算できることはとても大切です。

          解き方がわかったら、計算は面倒だからと手を止めずに、最後まで計算して慣れておきましょう。

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

          「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。