一次不等式の解き方を早大生が解説!計算&文章題も解ける!

数学 2016.11.4

一次不等式について、数学が苦手な人でも理解できるように、現役早稲田生の筆者が丁寧に解説します。

この記事を読めば、一次不等式の性質・一次不等式の解き方が理解できるでしょう。

また、最後には、一次不等式の解き方がしっかり理解できたかを試すのに最適な計算問題・文章題を用意しました。ぜひ最後まで読んで、一次不等式をマスターしてください!

 

1:一次不等式の性質

まずは、一次不等式の性質について解説していきます。一次不等式を理解する上で非常に重要な事柄なので、必ず理解しておきましょう。

一次不等式の性質は以下の3つです。

一次不等式の性質①

a<bなら、

a+c<b+c、a-c<b-c

が成り立つ。

ある不等式a<bが成り立つ時、両辺に同じ数cを足したり引いたりしても不等号の向きは変わらないということです。

[例]

5<10なら、

5+20<10+20、5-20<10-20

が成り立ちますね。

 

一次不等式の性質②

a<b、c>0なら、

ac<bc、a/c<b/c

が成り立つ。

ある不等式a<b,c>0が成り立つ時、両辺に同じ数c(c>0)を掛けたり割ったりしても不等号の向きは変わらないということです。

[例]

4<8なら、

4×2 < 8×2 が成り立ち、

4 / 2 < 8 /2 が成り立ちますね。

 

一次不等式の性質③

a<b、c<0なら、

ac>bc、a/c>b/c

が成り立つ。

ある不等式a<b,c<0が成り立つ時、両辺同じ数c(c<0)を掛けたり割ったりすると不等号の向きが逆向きになるということです。

[例]

6<10なら、

6×(-2) > 10×(-2) が成り立ち、

6 / (-2) > 10 / (-2) が成り立ちますね。

 

以上が一次不等式の性質についての解説になります。

どれも大事な性質なので必ず理解しておきましょう!

次の章では、一次不等式の解き方について解説していきます。

 

2:一次不等式の解き方

この章では、一次不等式の解き方をいくつか例をあげて解説していきます。

先ほど紹介した「一次不等式の性質」について振り返りながら読んでみてください。

例1)

一次不等式3x+2 < 7を解け。

一次不等式では、最終的に左辺をxだけの形にしたいので、両辺から2を引いて左辺の項の数を減らします。

ここで、一次不等式の性質①より、不等号の向きは変わりません。

3x+2-2<7-2

3x<5

さらに両辺を3で割って

(一次不等式の性質②より)

x<5/3・・・(答)

になります。

 

例2)

一次不等式-(3/2)x ≦ 8を解け。

最終的にxの係数を1の形にしたいので、両辺に-2を掛けて分母をはらいます。

(ここで、いきなり-2/3を両辺に掛けてxの係数を1にしても構いません。)

≧ -16

※ここでマイナスの数(-2)を掛けているので、不等式の性質③の性質より、不等号の向きが逆になることに注意しましょう!

よって、

x ≧ -(16/3)・・・(答)

 

例3)

一次不等式-5x-7 > 2を解け。

まず、両辺に7を足して、

-5x-7+7 > 2+7

-5x > 9

両辺を-5で割って、

x < -(9/5)・・・(答)

マイナスで割っているので、一次不等式の性質③より、不等号の向きは逆向きになることに注意しましょう!

 

一次不等式の解き方の解説は以上になります。一次不等式では、多くの計算問題を解いて慣れていくのがオススメです。

次の章では、一次不等式の問題をいくつかご用意しています。ぜひ解いてみてください。

 

3:一次不等式の計算問題

では早速、一次不等式の計算問題をいくつか解いてみましょう!

 

一次不等式:問題①

一次不等式 3x-4 > 7を解け。

解答&解説

まず、両辺に4を足して左辺の項の数を減らしていきます。

3x-4+4 > 7+4

3x>11

両辺を3で割って

x>11/3・・・(答)

 

一次不等式:問題②

一次不等式 -(5/3)x > 8を解け。

解答&解説

まず、両辺を-3倍して分母をはらいます。

5x<-24

x<-(24/5) ・・・(答)

 

一次不等式:問題③

一次不等式 -4x+4 > 16を解け。

解答&解説

まず、両辺から4を引いて

-4x>12

次に、両辺を-4で割って

x<-3 ・・・(答)

以下かでしたか?一次不等式の計算問題は以上になります。次の章では、一次不等式を利用した文章題を1つ用意しました。

ぜひチェレンジしてください!

 

4:一次不等式の文章題

一次不等式の文章題は、テストでも頻繁に出題されます。ぜひこの機会に一次不等式の文章題に慣れておきましょう。

問題

Aくんの所持金は3000円で、一つ200円のりんごを購入し、家に郵送したいと考えています。お店の人に送料について尋ねたところ、550円かかるそうです。

Aくんは送料を含めて最大何個のりんごを購入できるでしょうか。

解答&解説

購入するりんごの個数をxとおいて一次不等式を立てていきます。

りんごだけの値段は、りんご一つあたりの値段200円かける購入する個数x個で200x円と表すことができます。

送料は550円かかるので、

200x+550円が、Aくんの所持金である3000円以内におさまればいいことがわかります。

よって一次不等式を立てると、

200x+550 ≦ 3000

と表すことができます。

まず、両辺から550を引いて、

200x ≦ 2450

両辺を200で割って、

x ≦ 2450/200

x ≦ 12.25

よって、りんごは最大で12個購入することができます。

いかがでしたか?

一次不等式とは何か、一次不等式の解き方についてお分りいただけましたか?

一次不等式は数学の基本分野にあたります。必ず理解しておきましょう!

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この記事の執筆者

ニックネーム:やっすん

早稲田大学商学部4年
得意科目:数学