命題(逆・裏・対偶・真偽)とは何か?わかりやすく図説します!
「対偶、逆、裏がごっちゃになってしまう!」「命題の真偽が正しく判断出来ない。」
命題の分野では、用語の意味がごっちゃになってしまったり、真偽が正しく判断出来なかったりすることがあると思います。しかし、そんな用語も図式化して頭の中で、整理してしまえばもう間違える事はありません。
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1. 命題の用語まとめ(2分)
命題の用語を簡単に整理しましょう。
1-1. 命題とは?
命題は、正しいか正しくないかが数学的に決まる文章や数式の事です。
以下の2つのうちどちらが命題だか分かりますか?
①7はラッキーな数字だ。
②4と2は偶数である。
もちろん②ですね。①は主観的で、論理的に裏付けされたものではありません。②は数学的に正しいので、命題になります。
命題では「P⇒Q」でPを仮定、Qを結論と定義します。
1-2. 命題の真偽
命題が正しい時を真、間違っているときを偽と言います。
P⇒Qが真の時は、以下が成り立ちます。
それでは、簡単な実践です。命題の真偽を判断してみてください。
※X、Yは実数とします。
(1)X+Y>0、XY>0ならば、X>0、Y>0になる。
(2)X² =16ならば、X=4になる。
【解答】
(1)真、XY>0の時は(X>0、Y>0)または(X<0、Y<0)。
だから、X+Y>0が成り立つのは、X>0∩Y>0の時だけです。。
(2)偽、X² =16の時は、X=±4が成り立ちます。
1-3. 命題 否定
条件Pに対して、「Pでない」条件はと表す。これを条件Pを否定すると言います。この時、以下の関係が成り立ちます。
これは、ドモルガンの法則と同じです。ドモルガンの法則が分からない人は「集合 必ず覚えなくてはならない6つの記号&3つの法則」を参照してください。
2.逆・裏・対偶はもう迷わない(2分)
逆・裏・対偶は混乱し易いですが、図を頭の中にイメージ出来れば間違える事は減ります。
2.1 逆・裏・対偶 図
命題P⇒Qに対して
Q⇒Pを逆
⇒
これを図で表したのが以下になります。
この時、覚えてほしいのが、「命題の真偽と対偶の真偽は一致する。」ということです。
また、命題の真偽と逆、裏の真偽は必ずしも一致しません。
例えば、「猫は動物である。」を例にしましょう。
逆:動物なら猫である。→これは明らかに偽ですね。動物には犬も猿などたくさんいます。
裏:猫でないなら動物でない。→これも偽ですね。犬も猿も動物です。
対偶:動物でないならば猫でない→これは真です。もちろん、ぬいぐるみとかはありますが笑
2.2 逆・裏・対偶 問題
ここでは、2題出題します。それぞれの逆・裏・対偶とその真偽を考えてください。
(1)3の倍数は9の倍数である。
【解答】
逆:9の倍数は3の倍数である。 これは真ですね。
裏:3の倍数でないならば、9の倍数ではない。 これも真です。
対偶:9の倍数でないならば、3の倍数でない。 これは偽ですね。6、12などがあります。
(2)XY=6ならば、X=2、Y=3 である。
【解答】
逆:X=2、Y=3ならば、XY=6。 これは真です。
裏:XY=6でないならば、X=2、Y=3でない。 これも真です。
対偶:X=2、Y=3でないならば、XY=6でない。 これも偽です。(X、Y)=(1,6)、(6,1)などがあります。
逆は裏と対偶の関係になるので、常に真偽は一致します。
命題(逆・裏・対偶・真偽)のまとめ
いかがでしたか?
命題に関する用語を忘れるたびに復習しましょう!