比例式は高校でも重要!計算問題から分かりやすく解説!!
皆さんは、中学校時代に習った比例式を覚えていますか?
比例式は高校の試験でも様々な分野で登場しますので、忘れたまま、できないままにしてしまうと、苦手分野を増やしてしまうかもしれません。
この記事では中学校で学んだ比例式のおさらいと、高校での出題例を解説していきます。
自分は大丈夫、と思っている人も念のため一通り目を通しておくことをおすすめします。
1.比例式ってなんだっけ?性質を思い出そう!
そもそも比例式とはどのようなものだったでしょうか。
まずは最初の一歩目から、丁寧に説明をしていきます。
比例式の「比」とは、簡単に言うと「割合」のことを指します。
割合とは、複数の数があった時に、ある数に対する他の数の関係示す、~%や~倍といった表現です。
比についても考え方は同じで、例えば1:5といったように表した場合、2つの数値の間の関係を示しています。
この比で表した割合のことを「比の値」とよびます。
比について確認したところで、比例式の説明に入ります。
比例式とは、
a:b=c:d
のような、「2つの比の値が等しい」ということを示した式のことです。
この式を言葉で表すと、「aに対するbと、cに対するdの割合が等しい」ということで、
右辺と左辺の関係は、
この式の分母を消すために、両辺にbとdをかけると、
ad=bc
という比例式の性質が表せます。
教科書で一度は学んだことがある、
a:b=c:d ならば ad=bc
という関係です。
比例式の性質は比の外側と比の内側の項をかけているようにみえるため、
比例式の性質のことを、「外項の積=内項の積」と呼ばれています。
中学校で出題された比例式の基本問題も復習しておきましょう。
比例式の一部が変数となっており、一次方程式を解くといったものでした。
例えば、x:3=3:9 といった問題です。
xを求めるために、比例式の性質の「外項の積=内項の積」を用いると、
一次方程式 9x=9 となり
xについて解くと
x=1 となります。
また、比例式は2つの数だけでなく3つ以上の数についても表すことができます。
これを連比といいます。
例えば、3:6:4などです。
連比についての中学校での問題は、以下のようなものがありました。
【例題】
A:B=3:4、B:C=5:7のとき、A:B:Cはどのように表されるか。
これらの比はそのまま比べられないため、重なっているBの値をそろえる必要がありました。
並べて書くと、
A:B:C
3:4 …①
5:7 …②
となり、①と②をそろえるため、①×5、②×4とします。
A:B:C
15:20 …①
20:28 …②
よって、15:20:28 が答えとなります。
2.比例式に関する問題
中学校で学んだ比例式をおさらいしたところで、少し難しめの、高校での比例式の内容に入っていきます。
ここからは、高校の試験で出題される比例式に関する問題と、その解き方について解説していきます。
①比例式を用いた証明問題
比例式は以下のように証明問題の条件として出題されることがあります。
【例題】
(以下に解答と解説)
【解説】
1項で述べたように「
証明の方法としては、比例式を定数kを用いて表します。
K(k≠0)という記号は定数としてよく使われます。(実はどのような記号でもよいです。)
左辺について、
右辺について、
これを、与えられた式に代入します。
左辺
右辺
以上から、左辺=右辺なので、この等式が成り立つことが証明されました。
②相似に関する問題
比例式は、しばしば図形問題を解く時に必要になります。
形を変えずに拡大、縮小した図形のことを相似な図形とよび、対応する部分の長さを相似比とよびます。
【例題】
図の△ABCと△PQRは相似である。
(図は参考で、ABが6cm、ACが30cm、PQが4cmとします)
- 相似比を求めよ
- PRの長さを求めよ
(以下に解答と解説)
【解説】
2つの三角形は相似なため、それぞれの最も短い辺ABとPQの比を求める。
6:4=3:2 …(相似比)
2.PRはACと対応関係であるため、相似比3:2から求められる
30:x=3:2
3x=30×2
x=20 …(PR)
③連比を利用した計算問題
1項目で説明した連比に関しても、計算問題として出題される場合があります。
まずは問題をみてみましょう。
【例題】
abc≠0 とする。
のとき
の値を求めよ。
(以下に解答と解説)
【解説】
ぱっと見だと比例式の問題ではないように見えますが、比例式の性質を思い出してみてください。
実は、
比例式を条件に、式を解いていく方法は①で既に説明していますね。
今回も全く同様です。定数kを用いて式を解いていきます。
とおくと、k≠0 で、
a+b=3k
b+c=4k
c+a=5k
と連立することができます。
これから a、b、cをkで表していきます。
連立した3式の左辺と右辺をまとめると、
2(a+b+c)=12k
2で割って a+b+c=6k となります。
この式を利用し、連立した3つの等式をそれぞれ引いていくと、
a=2k、b=k、c=3kとなります。
後はこれらを問題の式に代入して計算していきます。
なお、kは消えるようになっており、消えない場合は計算ミスの可能性が高いため再度連立方程式を確認し直しましょう。
3.比例式の練習問題
【例題1】
a:b:c=1:2:3 で、 a+b+2c=36 のとき、 a、b、cの値を求めなさい。
(以下に解答と解説)
【解説1】
a:b:c=1:2:3という条件を分数の形に変形すると、
この値を k とおきます。
a=k、b=2k、c=3k
この値を a+b+2c に代入し、
次のようにkだけの式で書くと
a+b+2c=k+2k+6k=9kこれが 36 なので、 k=4 が得られます。
これを連立方程式に代入していくと、
a=4 、b=8、c=12 と求めることができます。
【例題2】
PQ//BCのとき、xとyの値を求めなさい。(補足:△APQと△ABCは相似)
(以下に解答と解説)
【解説】
△APQと△ABCは相似な関係であるため、
比例式 AP:AB=AQ:AC=PQ:BCが成り立つ。
4:10=x:7
2:5=x:7
5x=14
x=14/5
また、AP:PB=AQ:QC が成り立つ
4:6=8-y:y
2:3=8-y:y
2y=24-3y
5y=24
Y=24/5
4.比例式のまとめ
比例式について、中学校の内容から高校の試験問題まで、丁寧に解説をしてきましたが、まとめると以下のようになります。
① 比例式の「比」とは、簡単に言うと「割合」のことを指す。
②比例式とは、a :b = c : dのような、「2つの比の値が等しい」ということを示した式
③比例式は「外項の積=内項の積」という性質をもつ
④比例式は2つの数だけでなく3つ以上の数についても表すことができ、これを連比という。
⑤比例式は証明問題・計算問題として出題されることが多い。
⑥比例式は図形問題(相似)にも必須。
記事の初めの部分は中学校の復習でしたが、すべて理解できていたでしょうか。
この記事が今後の勉強に少しでも役に立てることを祈っています。
記事の内容でわからないところ、質問などあればこちらからお気軽にご質問ください。
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