漸化式とは?解き方は?数学が苦手でも必ず理解できるように慶應生がレクチャー
数ⅡBでつまづきやすい漸化式。でもここでつまずいたら先に進めない。そんな漸化式をマスターするための第一歩。
本当に基礎的な漸化式の公式を現役慶應生がレクチャーしたいと思います。
漸化式とはパターンがいろいろあります。しかし、基本はこれから説明する3つの漸化式の公式を抑えておけば大丈夫です。
この記事を読んで少しでも漸化式への苦手意識をなくしましょう!
1:漸化式とは?解き方もすぐ分かる!
本章では漸化式とは何かについて解説していきます。
「漸化式」についてわかりやすい例を用いて説明しているので、数学が苦手な人も必ず理解できるでしょう!!
例えば、
毎月1万円のお小遣いをもらえるとします。
現在もっているお金をAn、としてもらったお小遣いの合計を表していきます。
ちなみに来月は(n+1)は今月に1か月、再来月は(n+2)は今月に2か月足したことを示しています。
現在:An (円)
来月:An+1=An+10000(円)
再来月:An+2=An+1+10000(円)
このように前に出した数字を利用して次の値を出していきます。
つまり、漸化式の大事なことは前の項に従うということですね。
つまり、漸化式とは、数列の各項を、その前の項から順にただ1通りに定める規則を表す等式のことです。
2.等差数列型とは&解き方
さて、「漸化式」がどのようなものかわかったところで、覚えるべき公式1つ目を教えます。
そんなに気を張らなくても、名前の通り等差数列がわかっていれば問題ありません。
まず、等差数列型とは上の例で出したように前の項から一定の値が足されている時に用いる公式です。
公式
an+1-an=d
[公差d]
まず、この公式を覚えてください。
公式を覚えたところでさっそく例題で実践していきたいと思います。
例題
an=2、an+1=an+3によって定められる数列{an}の一般項を求めよ。
解答&解説
まず、公式と同じ形にするためにa(n)を移項します。
an+1-an=3より、数列{an}は初項2、公差3の等差数列だから、
an=2+(n-1)・3=3n-1 (答え)
となります。意外と簡単ですよね?
3:等比数列型とは&解き方
では、次に同じように等比数列について説明していきます。
等比数列型とは、前の値から一定の値が掛けられているときに使います。
公式
an+1=r・an
[公比r]
こちらも普通に等比数列の公式です。
これを覚えたところで、例題を解いていきましょう。
例題
a1=3、3an+1+2an=0によって定められる数列{an}の一般項を求めよ。
解答&解説
まず、知っている形に直すために移項をし、an+1について解きます。
an+1=-2/3・an
これより、数列{an}は初項3、公比-2/3の等比数列だから、
等比数列の公式an=a・rn-1に代入して、
an=3・(-2/3)n-1 (答え)
4:階差数列型とは&解き方
最後に、少しレベルアップして階差数列型を説明していきます。
まず、階差数列型とは前の値から今の値を引いた時にまだnの式が残るときに使います。
公式
an+1-an=fn
[隣り合う項の差がnの式]
この時fn=bnとすると、数列{bn}は{an}の階差数列であるから、
公式
を利用して一般項anを求める。
*n≧2をする理由:∑の上が(n-1)つまり第(n-1)項まで足すという指示なので、nが2 以上でないと成り立たないから。
*n=1のときの値も確認する。
何を言っているのかわからなくても例題を解いてイメージをつけましょう。
例題
a1=1、an+1=an+5n+1によって示される数列{an}の一般項を求めよ。
解答&解説
{bn}=an+1-an=5n+1
より{an}の階差数列の第k項は{bk}=5k+1だから
n≧2のとき
n=1のとき
よってa1=1(初項と一致する)のでanはn=1のときも成り立つ。
したがって
(答え)
漸化式のまとめ
漸化式の覚えるべき基本はおさえられましたか?
これから漸化式はどんどんレベルが上がっていきますが、どんな時もこの3つの漸化式の公式を意識して解くようにしていきましょう。