接弦定理とは?証明から覚え方まで早稲田生が徹底解説!
接弦定理とは何か(公式)・接弦定理が成り立つことの証明・接弦定理の覚え方について、スマホでもPCでも見やすいイラストを使いながら解説しています。
解説者は、現在早稲田大学に通っている大学3年生です!数学が苦手な人でも必ず接弦定理が理解できるように解説しました!安心して最後までお読みください!
最後には、接弦定理が理解できたかを試すのに最適な問題も用意しました!
本記事を読み終える頃には、接弦定理は完璧に理解できているでしょう!
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1:接弦定理とは?(接弦定理の公式)
まずは接弦定理とは何か(接弦定理の公式)についてみていきます。
下のイラストのように、円の弦ABが接線ATと接点Aで交わっている時、∠TAB = ∠ACB が成り立ちます。このことを接弦定理といいます。
【接弦定理:公式】
ちなみに、∠TABのことを、「接線と弦が作る角」といいます。
上のイラストでは、∠TABが90°よりも小さいですが、下のイラストのように、90°より大きくても接弦定理は成り立ちます。
【∠TABが90°よりも大きい場合】
2:接弦定理の証明
では、なぜ接弦定理は成り立つのでしょうか?この章では、接弦定理が成り立つことを証明します。
まず、下のイラストのように、接点Aから円の中心を通る直径を引いて、円との交点をPとします。PとBも結びます。
この時、円周角の定理より、∠ACB=∠APBですね。
また、APは直径なので∠ABP=90°です。
よって、∠APB + ∠PAB = 90°です。
これを変形して、∠APB = 90° – ∠PAB・・・①
ここで、∠PAT=90°です。(ATは接線なので。)
よって、∠PAB + ∠BAT = 90°です。
これを変形して、∠BAT = 90° – ∠PAB・・・②
①と②より、∠APB = ∠BATとなります。
ここで、円周角の定理より、∠APB = ∠ACBです。
※円周角の定理の記事はこちらをご覧ください。
したがって、∠ACB = ∠BATとなり、接弦定理が証明できました!
3:接弦定理の覚え方
接弦定理は、どこの角とどこの角の大きさが等しいのかわかりにくいですよね?
この章では、下のような三角形を例に取り、接弦定理において、等しい角の見つけかた(接弦定理の覚え方)を紹介します。
接弦定理では、以下の手順に沿って等しい角を見つけていくのが良いでしょう。
接弦定理の覚え方:手順①
まずは、「接線と弦が作る角」を見つけます。
接弦定理の覚え方:手順②
次に、手順①で見つけた「接線と弦が作る角」に接している弦(直線)と、その弦に対応する弧(接線と弦が作る角の側にある孤)を考えます。
今回の場合だと、弦(直線)ABと孤ABですね。
接弦定理の覚え方:手順③
最後に、手順②における弦および孤に対する円周角を考えます。この角が、手順①で見つけた「接線と弦が作る角」に等しくなります。
今回の場合だと、弦(直線)AB、孤ABに対する円周角は∠ACBですね。
よって、∠BAT = ∠ACBとなります。
以上が接弦定理の覚え方になります。接弦定理を習ったばかりの頃は慣れないかもしれませんが、練習問題を解いていくうちに必ず自然とできるようになります!
次の章で接弦定理に関する練習問題を用意したので、良い機会だと思って解いてみてください!
4:接弦定理の練習問題
最後に、接弦定理の練習問題を解いてみましょう!詳しい解説付きなので、安心してくださいね!
接弦定理:練習問題
下の図のような円と三角形があるとき、∠CADの大きさを求めよ。ただし、点Aは円と直線DEの接点とする。
接弦定理:練習問題の解答&解説
接弦定理より、∠BAE = ∠ACBですね。
図より、∠BAE = ∠ACB = 100°となります。
また、図より、三角形ABCはCA = CBの二等辺三角形なので、
∠CAB
= ∠CBA
= (180°-100°)/2
= 40°
となります。
したがって、求める∠CAD
= 180°- (∠CAB+∠BAE)
= 180°- (40°+100°)
= 40°・・・(答)
となります。
ここで、求めた∠CAD=40°は∠ABCと等しいことに注目してください。
∠CADと∠ABCは、接弦定理そのものですよね?
これに気づくことができればこの問題の答えは一瞬です。。接弦定理では右側だけに注目しがちですが、左側にも注目してみることも心がけてみてください!
接弦定理のまとめ
接弦定理に関する解説は以上になります。
接弦定理は入試でも意外とよく問われる分野の1つですので、忘れてしまった場合はぜひ本記事で接弦定理を思い出してください!