円周角の定理・証明・逆をスマホで見やすい図で徹底解説!
円周角の定理・円周角の定理の逆について、早稲田大学に通う筆者が、数学が苦手な人でも必ず円周角の定理が理解できるように解説しています。
円周角の定理では、覚えることが2つあるので、注意してください!
スマホでも見やすい図を用いて円周角の定理について解説しているので安心してお読みください!
また、最後には、本記事で円周角の定理・円周角の定理の逆が理解できたかを試すのに最適な練習問題も用意しました。
本記事を読み終える頃には、円周角の定理・円周角の定理の逆が完璧に理解できているでしょう。
1:円周角の定理とは?(2つあるので注意!)
まずは円周角の定理とは何かについて解説します。円周角の定理では、覚えることが2つあるので、1つずつ解説していきます。
円周角の定理その1
円周角の定理まず1つ目は、下の図のように、「1つの孤に対する円周角の大きさは、中心角の大きさの半分になる」ということです。このことを円周角の定理といいます。
※中心角は、2つの半径によって作られる角のことです。
※円周角は、とある円周上の1点から、その点を含まない円周上の異なる2点へそれぞれ線を引いた時に作られる角のことです。
円周角の定理その2
円周角の定理2つ目は、「同じ孤に対する円周角は等しい」ということです。これも円周角の定理です。下の図をご覧ください。
孤ABに対する円周角は、どれを取っても角の大きさが等しくなります。これも重要な円周角の定理なので、必ず覚えておきましょう!
次からは、なぜ円周角の定理が成り立つのか?ということを証明していきます。
2:円周角の定理の証明
では、円周角の定理の証明を解説します。円周角の定理は2つあったので、それぞれ別々に解説します。
円周角の定理の証明その1
まずは、先ほど紹介した「1つの孤に対する円周角の大きさは、中心角の大きさの半分になる」という円周角の定理の証明です。
この円周角の定理の証明は、3つのパターンに分けて証明します。
【パターン1:ACが円の中心を通る場合】
この時、OB、OCはともに円の半径です。したがって、三角形OBCはOB=OCの二等辺三角形です。
よって、∠OBC = ∠OCBです。∠AOBは三角形OBCの外角なので、
∠AOB
= ∠OBC + ∠OCB
= 2 × ∠OCB となります。
【パターン2:中心角の中に円の中心がある場合】
三角形OACと三角形OBCに注目します。OA・OC・OBは全て円の半径なので、OA = OC = OBです。
よって、三角形OAC、三角形OBCはともに二等辺三角形です。
よって、 先ほどの「パターン1」と同様に考えて、
∠AOD = 2 × ∠ACO
∠BOD = 2 × ∠BCO です。
∠AOB
= ∠AOD + ∠BOD
= 2 × ∠ACO + 2 × ∠BCO
= 2 × (∠ACO + ∠BCO)
= 2 × ∠ACB となります。
【パターン3:∠ACBの外に中心角がある場合】
まずは補助線CDを引きます。
∠BOD = 2 × ∠BCO
∠AOD = 2 × ∠ACO
なので、
∠BOA
= ∠BOD – ∠AOD
= 2 × ∠BCO – 2 × ∠ACO
= 2 × (∠BCO – ∠ACO)
= 2 × ∠BCA
となります。
円周角の定理1つ目の証明は以上になります。
円周角の定理の証明その2
次は、「同じ孤に対する円周角は等しい」という円周角の定理を証明していきます。
これは意外と簡単に証明できます。
まずは、円の中心Oと、点A、Bを結んで補助線を引きましょう。
ここで、もう一度∠APBと∠AQBをよく見てみましょう!
どちらとも∠AOBに対する円周角になっていますね!
つまり、
∠AOB = 2 × ∠APB
∠AOB = 2 × ∠AQB です。
したがって、∠APB = ∠AQBとなります。
円周角の定理の証明は以上になります。
3:円周角の定理の逆とは?
円周角の定理の学習では、「円周角の定理の逆」という事も学習します。円周角の定理の逆は非常に重要なので、必ず知っておきましょう!
円周角の定理の逆とは、下の図のように、「2点P、Qが直線ABについて同じ側にある時、∠APB = ∠AQBならば、4点A、B、P、Qは同じ円周上にある。」ことをいいます。
【円周角の定理の逆】
今はまだ、円周角の定理の逆をどんな場面で使用するのかあまりイメージがわかないかもしれません。しかし、安心してください。
次の章で、円周角の定理・円周角の定理の逆に関する練習問題を用意したので、練習問題を解いて、円周角の定理・円周角の定理の逆の実践での使い方を学んでいきましょう!
4:円周角の定理(練習問題)
まずは、円周角の定理の練習問題からです。(円周角の定理の逆の練習問題はこの後にあります。)早速解いていきましょう!
円周角の定理:問題①
下のような図形がある時、∠ACBの大きさを求めよ。
円周角の定理:問題①の解説
これは簡単ですよね?円周角の定理より、
∠ACB
= ∠AOB ÷ 2
= 120° ÷ 2
= 60° ・・・(答)
となります。これは円周角の定理の基本です。
円周角の定理:問題②
下のような図形がある時、∠ADBの大きさを求めよ。
円周角の定理:問題②の解説
円周角の定理より、∠ADB=∠ACBですね。
なので、∠ACBを求めればよさそうです。
∠ACB
= 120° – 40°
= 80° ですね。
したがって、円周角の定理より、
∠ADB = 80°・・・(答)
となります。
次は、円周角の定理の逆に関する問題です。
5:円周角の定理の逆(練習問題)
下のような図形がある時、∠ADBの大きさを求めよ。
円周角の定理の逆:問題の解説
∠BDC
= 120° – 40°
= 80° ですね。
∠BACも80°なので、円周角の定理の逆より、4点A、B、C、Dは同じ円周上にあることがわかります。
よって、円周角の定理より、∠ADB = ∠ACBです。
したがって、∠ADB = 30°・・・(答)となります。
円周角の定理のまとめ
いかがでしたか?円周角の定理・円周角の定理の逆に関する解説は以上です。
円周角の定理・円周角の定理の逆は、中学でも高校でも扱うことになる重要な定理です。忘れてしまった場合は、本記事を読み返して、円周角の定理・円周角の定理の逆を復習してください。
また、円周角の定理は接弦定理にも使われるのでこちらの記事をご覧ください。