細胞膜の構造と働きを徹底解説!受動輸送・能動輸送をマスターしよう

生物 2019.10.4
細胞膜の構造と働きを徹底解説!受動輸送・能動輸送をマスターしよう

細胞膜はただ細胞の区切りとして機能しているだけではなく、細胞にとって重要な機能を果たしています。

今回は、細胞膜の構造と働きについて、わかりやすく解説していきます。

    1. 細胞膜の構造

    下の図からわかるように、細胞膜は主にリン脂質とタンパク質からできています。

    細胞膜の構造

    さらに、リン脂質は、水に溶けやすい親水部水に溶けにくい疎水部に分かれています。

    2つのリン脂質分子が、親水部が疎水部を挟みこむように2重になっているのが分かりますか?

    このことから、脂質二重膜と呼ばれています。

    細胞膜が脂質二重膜を形成することによって、細胞質と外界とを隔てることができ、生命維持が可能になったのです。

    また、細胞膜にはタンパク質も埋め込まれています。

    この埋め込まれたタンパク質を、膜タンパク質と呼びます。

      2. 細胞膜の機能

      細胞膜の働きは大きく分けて、4つあります。

      細胞膜の機能(受容体、チャネル、ポンプ)

      まず第1に、外界と自己の区別をつけることが挙げられます。

      これは膜によって、物理的に細胞内と細胞外を区別することができることから得られる働きです。

      この機能によって2~4の働きが生まれます。

      また、細胞内から細胞骨格タンパク質などで補強されているので、比較的安定した膜を形成していて、すぐに破けてしまわないようになっています。

       

      第2の働きは、細胞膜によって、細胞は恒常性を保つことができる点です

      恒常性とは、生物が、その内部環境を一定に保ち続けようとする傾向を意味します。

      細胞外の環境が変化した場合、細胞内の環境が急激に変わってしまっては生命の維持が難しくなる場合があります。

      しかし、第1の働きで内外を分けることができているため、外部環境の変化が起きても、ある程度一定に保つように調整ができます。

       

      また、第3の働きとして、外部環境との境界として隣り合う細胞と情報交換を行う機能もあります。

      例えば、神経細胞は、神経伝達物質という化学物質を介して、隣の細胞と情報のやりとりをしています。

       

      第4の働きとして、物質の出入りのコントロールがあります。</ >

      細胞膜は細胞の外と中の物質の出入りを司っています。

      これについては、次の項目で、じっくり解説していきます。

      3. 細胞膜の選択的透過性

      細胞膜は全ての物質を通すわけではなく、特定の物質だけを通します。

      この、物質によって透過性が異なる現象を選択的透過性といいます。

      細胞膜の選択的透過性

      これは生命維持にとってはとても重要な機能です。

      細胞にとって必要な物を通し、不要なものは通さないことで、生命を維持しやすくし、効率の良い細胞膜の物質輸送を実現しています。

      細胞膜の物質輸送の方法にはいくつか種類がありますが、大きく分けて、受動輸送と能動輸送があります。

       

      受動輸送

      受動輸送とは、細胞膜の内側と外側の物質が、濃度の勾配に従って、エネルギーを用いずに物質が移動することを言います。

      これを「拡散する」とも言います。

      ※濃度の勾配に従った輸送について詳しく知りたい方は、浸透圧に関する記事をご覧ください。

      細胞膜のリン脂質部分は、例えば、酸素や二酸化炭素、水のような小さな分子を通すことができます。

      その他の大きい分子、例えば、アミノ酸や糖やイオンはリン脂質部分を透過できないので、膜を貫通した輸送タンパク質部分(チャネル、担体)を通過します。

      いくつか例を挙げると、

      水分子はアクアポリンというチャネルを通過します。

      また Na+ (ナトリウムイオン)や K+ (カリウムイオン)などはイオンチャネルと呼ばれるタンパク質を通過します。

      チャネルは常に開いている訳ではなく、必要に応じて開閉します。

      アミノ酸やグルコースなどの大きな分子を運ぶ、担体(輸送体)と呼ばれるタンパク質もあります。

      通過の仕方に違いはありますが、受動輸送では、全て濃度勾配によって拡散する物理法則に従っています。このため、細胞はエネルギーを使わずに、濃度の高いほうから低いほうへ「受動的に」物質を輸送します。

      細胞膜の受動輸送

       

      能動輸送

      能動輸送とは、濃度勾配に逆らって物質が輸送されることをいいます。

      能動輸送は受動輸送とは逆で、濃度勾配に逆らって輸送するためエネルギーが必要です。

      このとき使用される輸送タンパク質はポンプと呼ばれます。

      特に有名なのが、ナトリウムポンプです。

      ナトリウムポンプは細胞膜にあり、濃度勾配に逆らってNa+ を細胞内部から外部へと排出し、K+ を取り込みます。

      一度の輸送で必要な物を取り込み、不要なものを排出するように、エネルギーを節約して輸送するしくみです。

      この時使われるのはATPのエネルギーです。

      細胞膜の受動輸送

      この仕組みによって、細胞内外での浸透圧の違いがあった場合でも、必要な物質を取り込んで、不要な物質は排出できるようになっています。

      浸透圧については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さいね。

      (→浸透圧とは?生物の細胞の仕組みをわかりやすく解説

        細胞膜のまとめ

        今回は、細胞膜の構造と働きについて、画像や具体例を交えて詳しく解説しました。
        一見すると、難しそうに見える膜の物質輸送も、イラストで見るとわかりやすいですよね。

        能動輸送と受動輸送の違いは、たくさんの用語が出てくるため、注意しましょう。

        実際にどのようなものがあるか、具体例を思い出しながら解けば、問題演習も比較的解きやすくなりますよ。

        細胞・細胞膜についてのまとめ記事が読みたいという方は「細胞・細胞膜の働きの勉強に役立つ記事まとめ!構造や働きまで網羅」も併せてお読みください。

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        この記事の執筆者

        ニックネーム:受験のミカタ編集部

        「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。