原子価とは?原子価の求め方までわかりやすく解説

化学 2018.12.27
原子価とは?原子価の求め方までわかりやすく解説

化学において、基礎となるのが原子価です。
この原子価が理解できていないと、話にもなりません。
当然、受験にも関わってくるものですから、しっかりと理解しておきましょう。
ただ、基礎中の基礎だけに難しいことはなにもありません。
とにかく覚えてしまうことが大切になるので、しっかりと記憶するようにしてください。

    1.そもそも原子価ってなに?

    原子価とは、ある原子が他の原子と結合するかを示した数のことです。
    例えば、水の場合はH2Oと表記しますが、H-O-Hとも示せます。
    これは酸素の原子が水素元素2つと結合していることを、意味するのです。
    学校の授業では、いわゆる腕や手の数という考え方をすることが多いでしょう。
    ちなみに、よく似た言葉として価標があります。
    分子を構造式で示すとき、1組の共有電子対による単結合は1本の線で表すというものです。
    2重結合ならば2本の線、3重結合なら3本の線になります
    これは上で触れた水の分子構造式のことです。
    H-O-Hのことで、これが二酸化炭素ならO=C=Oという書き方です。
    この時に、水分子内には2本の価標があります。
    二酸化炭素分子内であれば4本の価標です。

    構造式についての記事はこちら

    ここまでの説明だと原子価と価標にどんな違いがあるの、と首をかしげてしまう人も多いでしょう。
    そこで、原子価と価標の違いを捉えるために言い換えてみます。
    原子価とは分子内の1つの原子から出ている価標の数、となるのです。
    つまり、分子全体を見て指すのではなく、分子の中にある原子に対して注目する時に使う言葉とも言えます。
    先ほどと同じく、水分子と二酸化炭素分子を例にとりましょう。
    水素原子の原子価は1で、酸素原子の原子価は2という形です。
    炭素原子ならば原子価は4になります。
    分子全体を見て、共有結合の本数を意味する時は価標で、原子のみを見て腕の数をかぞえる時は原子価、となります

      2.原子価を知るために周期表を覚えよう

      原子価を知るためにまずは周期表覚えましょう。
      化学を学ぶ上で欠かせないのが周期表です。


      この周期表を見れば、その原子が持つ原子価の数はすぐにわかるようになります。
      原子価とはそれぞれの原子が、独自の数を持つのではなく、周期表の縦軸に沿って同じ数を持つようになっているのです。
      例えば周期表の左端に注目してください。
      一番上にくるのが水素原子のHです。
      次にリチウムのLi、ナトリウムのNaと続いています。
      いわゆる族番号が1となる原子については、すべての原子が原子価を1となるのです。
      Liの右隣にくるBe、その下にくるMgの原子価は2になります。
      さらに右側の13族は3、14族ならば4が原子価です。
      このまま周期表の右端に行くほど、原子価は増えていくのかというと、そうではありません
      実は14族の4をピークにして、今度は下がっていくのです。
      15族の原子価は3、16族ならば2、17族で1になります。
      そして、周期表の右端になる18族、いわゆる希ガスになると原子価は0です。

      ここで原子価への理解を深めるために、注目したいのが価電子の数になります。
      価電子とは原子の最外殻にある電子のことです。
      電子は8個で安定するため、1個から7個は余りになります。
      周期表の左端である族番号1は価電子が1、2族は2、3族ならば3、14族の4と増えていきます。
      ここで原子価と異なるのは、価電子は8までと決まっている点です。
      つまり、15族でも数を減らさずに5、16族で6、17族で7という形になるのです。
      そして、希ガスである18族は8個の電子を持ちますので、余りになる価電子はありません、0です
      ここまで紹介してきたように、原子価とは原子が結合できる数のことを意味します。
      結合できる数とは不対電子の数になるので、原子価=不対電子の数と求めることができるのです。
      これが原子価の求め方になります。
      ただ、周期表をしっかりと覚えてしまえば、わざわざ求め方を覚えておく必要もありません。
      周期表にある原子の順番だけではなくて、族番号とそれに付随する価電子や原子価をイメージしておけば、自然とでてくるようになります。
      あとは、どれだけの練習問題をこなしていくかでしょう。

      3.周期表の覚え方(原子価をもっと知ろう①)

      原子価を知るために必要な周期表には覚え方があります。

      周期表の覚え方として有名なのが、水兵リーベ僕の船、七曲がるシップス、クラークかでしょう。
      原子表記にすると、H He Li Be B C N O F Ne Na Mg Al Si P S Cl Ar K Caになります。
      この後ろに続くのが遷移原子と呼ばれるものです。
      遷移原子とは、族番号3から族番号12までを占める原子になります。
      受験ではさほど関係のないものですから、特に覚える必要もないでしょう。
      ただ、周期表は先ほどもお伝えしたように、横に覚えていくのも大切ですが、縦に覚えるのも重要です。
      そのため水兵リーベだけのような語呂合わせでいいので、縦も覚えておくのをお勧めしておきます。
      特に理系の学生にとっては、大切なものだと言えるでしょう。

        4.周期表の豆知識(原子価をもっと知ろう②)

        原子価でもお馴染みの現在の周期表は、とても完成度が高いものです。
        この周期表を作ったとされるのが、ロシアの化学者であるドミトリ・メンデレーエフ氏で、1869年のことでした。
        メンデレーエフ氏が周期表を作成する以前にも、先駆的なものがありましたが、その完成度はお世辞にも高いものではなかったのです。
        では、どうしてメンデレーエフ氏が作った周期表が、現在まで改良されながらも使われているのでしょうか。
        1869年当時にはまだ発見されていない原子は多くありました。
        メンデレーエフ氏は未発見の原子は空白とし、その空白に入る原子の性質を予測したのです。
        そして、その予測があたっていた、というのがスゴいところでしょう。

        ちなみに、メンデレーエフ氏はカードゲームが大好きだったようで、元素名を書き込んだカードを並べ替えている内に、1つの表にすることを思いついたそうです。
        ただ、発表された当初は、まだ不完全なこともあってすぐに認められわけではありませんでした。
        しかし、さらに研究が進んでいき、新しい原子が発見されると氏の周期表の正しさが判明したのです。
        その結果、注目を集めるようになり、今日でも使われるようになりました。

        現代のものに近くなったのは、1913年にニールス・ボーアが提唱した理論からです。
        また、周期表というのは人類の知の集大成であるという見方もできます。
        未だ化学者が錬金術師と呼ばれた頃から、有名無名を問わずに多くの人が研究を重ねてきました。
        その研究の成果を簡便にまとめたのが、周期表だからです。
        結果、周期表のことを化学のバイブルとも言います。
        化学におけるあらゆる分野で、汎用的に用いられるものであり、さらには物理学など工業分野でも使われているほどです。
        まさしく現代の技術の根底を支えるものだと言えるでしょう。
        ちなみに周期表は、未発見のものも含めて118番までのものがあります
        受験ではそこまで問われることはありません。
        ただ、こうした情報を頭に入れておくことで、また違った見方もできるようになるでしょう。

          5.原子価のまとめ

          以上、原子価についてまとめてみました。
          原子価とは、原子そのものが持っている手の数のことです。
          分子の構造式や考え方を理解するために必須のものですから、しっかりと頭に入れておきましょう。
          受験でも周期表を使った問題は、出題されることが多いので覚えておいて損はありません。

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:受験のミカタ編集部

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