質量数とは?求め方&みんなが知りたい2つの疑問を解消!
高校化学・物理における質量数について、早稲田大学に通う筆者が化学・物理が苦手な人でも理解できるように解説します。
質量数は原子の分野を学習する上で非常に重要です。
本記事では、質量数とは何かについて、スマホでも見やすいイラストで解説していきます。
本記事を読めば、質量数とは何か、質量数の求め方・原子番号との関係に加えて、よくある疑問である質量数の単位や原子量との違いが理解できるでしょう。
ぜひ最後まで読んで、質量数をマスターしてください!
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1:質量数とは?化学・物理が苦手でもわかる!
質量数とは何かを理解するには、原子の構造を理解することが必要です。
なので、まずは原子の構造から解説していきます。(原子の構造が理解できている人は飛ばして大丈夫です。)
原子は原子核と電子で構成されています。
※原子核について深く学習したい人は、原子核について解説した記事をご覧ください。
原子核の周りを電子がグルグル移動していて、原子核の中には陽子と中性子が入っています。
質量数とは、陽子の数と中性子の数を足したものになります。
以上が質量数とは何かについての解説です。
2:質量数の求め方とは?原子番号との関係も
先ほど解説した通り、「質量数=陽子の数+中性子の数」です。
なので、質量数を求めるには、陽子の数と中性子の数がわかれば良いです。
ここで覚えておいてほしいのが、
「陽子の数=原子番号」
ということです。
化学の世界では、元素番号の左下に原子番号を、左上に質量数を記述します。
例えば、元素記号がB(ホウ素)の場合は、原子番号が5、質量数が10なので以下のように書きます。
原子番号が5ということは、陽子の数も5です。
質量数(陽子+中性子)は10なので、中性子の数は
10 – 5 = 5
となります。
質量数が与えられて、「中性子の数を求めよ」という問題はよく出題されるので、ぜひ解けるようにしておきましょう。
参考
同じ元素でも、質量数が違うことがあります。
例えば、元素記号C(炭素、原子番号6)には、質量数が12のものと13のものがあります。
※「質量数=陽子+中性子」なので、元素記号Cには中性子が6(12-6)のものと7(13-6)のものがあるということです。
このような元素同士を同位体と言います。ぜひ同位体について詳しく解説した記事もご覧ください。
3:質量数の単位とは?
よく「質量数の単位って何ですか?」という質問があります。
ここで、その疑問を解消しておきましょう!
結論は、「質量数に単位はありません!」
「質量数=陽子の数+中性子の数」だから質量数の単位は[個]なのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかし、質量数に単位はない!とこれを機にしっかり覚えておきましょう!
4:質量数と原子量の違いとは?
よくある疑問の2つ目として、「質量数と原子量の違いがわからない」というのがあります。
その疑問を解消しておきましょう。
まず、質量数とは先ほどから解説している通り、陽子の数と中性子の数を足したものです。
それに対して原子量とは、原子の相対質量の平均値のことです。
原子量は、同位体の相対質量×存在比で求めることができます。
例えば、塩素Clは、35Cl(相対質量35)が75%、37Cl(相対質量37)が25%の比で存在しています。
よって、塩素Clの原子量は
35×75/100 + 37×25/100
= 35.5
となります。
原子量も、質量数と同様に単位はありません。
※原子量に関する詳しい事柄については、原子量について詳しく解説した記事をご覧ください。
質量数のまとめ
質量数とは何か、求め方が理解できましたか?
本記事では、よくある疑問である「質量数の単位」と「原子量との違い」についても解説しました。
質量数は化学・物理では基礎の基礎なので、必ず理解しておきましょう!