同位体とは?同素体との違い・覚え方も早稲田生が紹介
同位体とは何かについて、物理が苦手な人でも理解できるように、現役の早稲田生が解説します。
同位体とは何かを理解するには、陽子や中性子、質量数などの関係がわかれば簡単です。本記事では、陽子や中性子、質量数などにも触れているので、安心して最後までお読みください。
また、同位体によく似たものとして、同素体というものがあります。重要な違いなので、同位体と同素体の違いにも触れていきます。
かなり丁寧に解説しているので、本記事を読めば必ず同位体をマスターできるでしょう!
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1:同位体とは?
同位体とは何かについて解説します。
同位体とは、トムソンという研究者が発見したものです。
トムソンは、原子の質量を調べているうちに、同じ原子でも質量数が異なるものが存在することを発見しました。
例:水素には質量数が1のものと2のものが存在する。
※質量数については以下で詳しく解説します。
このような原子核を、互いに同位体であるといいます。
同位体は、同じ原子は原子番号が同じなので、陽子の数は同じですが、中性子の数が違うために質量数が異なります。(以下で詳しく説明します。)
同位体の定義は以上になります。ただ、これだけでは同位体についてのイメージが湧きにくいと思うので、次からは同位体についてもっと深く解説していきます。
2:同位体と陽子・中性子・質量数の関係
ではここで、陽子・中性子・質量数の関係を振り返りましょう。
まず、原子は原子核と電子からできています。
そして、原子核は陽子と中性子からできています。
原子核 = 陽子 + 中性子
陽子・中性子・質量数について
陽子は原子番号の数と同じです。
また、陽子の数 + 中性子の数 = 質量数です。
原子記号の左上に質量数を、左下に原子番号を添えて書きます。
上記の例だと、原子番号が7なので、陽子の数は7です。質量数は14なので、中性子の数は14 – 7より、7となりますね。
同位体との関係
では、ここでもう一度同位体を振り返ります。先ほども説明した通り、同位体とは、同じ原子でも質量数が異なるもののことでした。
そして、質量数=陽子+中性子でした。しかし、陽子は必ず原子番号と同じになります。必ずです。
なので、同位体が存在する原因は中性子ということになります。
同位体が存在する原因は、中性子の数が異なるからということを必ず覚えておきましょう!
3:同位体と同素体の違い
同位体とよく似た言葉に、同素体があります。よく混同しがちなので、しっかり区別しておきます。
同素体とは、同じ元素から構成される単体で化学的性質が異なるものです。例を挙げます。
同素体の例:ダイヤモンドと黒鉛
ダイヤモンドと黒鉛は全然違う物質であることはおわかりでしょう。ダイヤモンドは例の宝石ですし、黒鉛は鉛筆の芯とかに使われている物質です。全然違いますね。。。
しかし、ダイヤモンドも黒鉛も同じ炭素で構成されています。ここでは詳しくは解説しませんが、同じ炭素からできているのに全く違う物質ができてしまう原因は、元素同士(今回の場合は炭素)の並び方や結合の仕方が違うからです。
同素体と同位体が全然違うことがお分かりいただけたでしょう。
同位体と同素体の覚え方(区別の仕方)
最後に、同位体と同素体の覚え方を紹介します。同位体か同素体のどちらか1つを覚えれば、残りはもう1つなので、片方だけ覚えれば良いです。
これでどっちがどっちか忘れてしまった時でも安心です。
覚え方:『同位体は位置が同じ』
同位体は、原子番号は同じでした。中性子の数が違うだけです。
原子番号が同じなら、当然ですが、周期表で同じ位置にあります。
同位体の「位」と位置の「位」は同じ漢字なので覚えやすいと思います。『同位体は位置が同じ、同位体は位置が同じ・・・』と何回も唱えましょう!
同位体のまとめ
いかがでしたか?同位体についての解説は以上になります。繰り返しになりますが、同位体は中性子の数が異なることによって存在します。このことことを必ず覚えておいてください!