使役動詞の受動態について詳しく解説!意味の違いを例文と一緒に紹介

英語 2023.12.26

「使役動詞」の文は「(誰かに)~させる / してもらう」という意味でしたね。
これに「受動態」の意味「~される」を加えた「使役動詞の受動態」は、主に「(誰かに)~させられる」という表現になります。

まだ使役動詞そのものについて詳しく分からない方は、「英語の使役動詞have/make/get/let/helpの意味・使い方を解説!」の記事をご覧ください。

		

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受動態になる使役動詞はmake/let/helpの3つ

使役動詞の主な5語、覚えていますか?

make ~させる
let ~させる・許可する
help ~するのを手伝う、助ける
have ~してもらう
get ~してもらう

以上が主な使役動詞とその意味です。

「使役動詞の受動態」で初めに押さえておきたいポイントは、上記5語のうち受動態になる動詞は、make / let / help の3語ということです。そしてその中でも、特にmakeが多く使われます。

苦手な人にとっては、この説明だけ読んでも納得できないかもしれませんね。以降の説明で例文を挙げていきますので、その文と意味をよく読んでみてください。

「使役動詞の受動態」の文が使われる場面をイメージすれば、理解の助けになりますよ。

have/get/letは受動態では使えないため注意

have / getが受動態で使われない理由は、makeのような「~させる」という強制的な使役の意味を含まないことにあります。上記で、have / getの意味は「~してもらう」と記載されていますね。

つまりこの2語は、同じ「使役」でも、makeのように強い力や指示で「何かをさせる」場合には用いられません。

使役動詞haveを使った使役動詞の文を見てみましょう。

(例)
I had my friend go there together.

私は友達にそこへ一緒に行ってもらった

この文では、「私」は「友達」に対して強制的に行かせたのではないという状況が伝えられています。「友達」も、自身の意志を持って「自発的」に行動したという要素を含みます。そのため、これを受動態にし「~させられる」という意味にするのは不自然です。

「友達に一緒に行ってもらった」を、少し強引ですが受動態にしますと「友達は一緒にそこへ行かされた」と訳されます。この2文は同じニュアンスには感じられませんね。

haveを使った能動態の文で伝えている内容は、そもそも受動態として言いかえられないものなのです。

getも、使役動詞としてはhaveとほぼ同じ意味で使われるので、受動態では使われないのです。

let(許可する)を受動態で表現したい場合は別語に置き換える

別語に置き換える」とは、つまり「letは受動態では使わない」ということです。
使役動詞letを使った能動態の文を受動態に変える時は、allow(許す、させておく)という語を使います。

基本の形は、“be allowed to~” 、意味は主に「~させてもらう」です。

ここではまず使役動詞の受動態に関する注意点だけ述べました。
詳細はともかく規則性で覚えてしまいたい、という人は、「使役動詞の受動態にhave / get / let はナシ!」と合言葉のように覚え込んでおきましょう。

使役動詞の受動態でto不定詞を使うのはなぜ?

「原型不定詞」、「to不定詞」…どっちを選ぶのか混乱を招きやすいポイントではありますが、どちらを選ぶかの判断を理屈で覚えるのは真の理解につながりません。

視野を広げて、その文で伝えたい内容、その背景、そして文章全体の構成を見れば、「なぜto不定詞なのか」が理解しやすくなります。

では使役動詞の能動態 / 受動態の文を見てください。

〈例〉
使役動詞・能動態の文:Mana made Riku carry the baggage.

マナはリクに荷物を運ばせた。

 

使役動詞・受動態の文:Riku was made to carry the baggage by Mana.

リクはマナに荷物を運ばされた。

1では原型不定詞carryだったのが、2では、to carry( = to不定詞)になっていますね。

一番の理由は、
2で原型不定詞を使うと「… was made carry…」のように2語の動詞が直接続き、変だから・意味がよくわからないからです。シンプルな理由です。

日本語で例えると、「リク・マナ・荷物・運ぶ・された」くらいの違和感と考えてください。不自然で格好悪いのを避けるため、単語間にワンクッションほしいところなのです。

そこで、toが入ったというわけです。toととは実に便利な語ですね。

ですから、「原型不定詞」「to不定詞」など、外側から用語で覚えようとするだけでなく、「この文で伝えられていることは何か」にも視点を移しましょう。

このような見方をするとネイティブの感覚に少しずつ近づいていき、正しい形の英語を吸収する力が高まります。

使役動詞makeの受動態

「(誰かに)~させられる」と表現する時は、使役動詞makeが最も多く使われます。基本の意味「作る」と関連して、「(人・物)をある状態に作り上げる、仕向ける、させる」などの強制力を表すため、受動態の「させられる」を表現する際には、ここではmakeだけと言えます。

形は【be+made+to不定詞】

既に上記で示しましたが、もう一度、使役動詞makeの能動態と受動態の文を比較して見てみましょう。

〈例〉
使役動詞・能動態の文:Mana made Riku carry the baggage.

マナはリクに荷物を運ばせた。

 

使役動詞・受動態の文:Riku was made to carry the baggage by Mana.

リクはマナに荷物を運ばされた。

「to不定詞」になる理由として、既述の通り「2つ動詞がつながったら変だから」がありました。

1では [Riku=名詞] の後に carry the baggage  と続くため、toのない「原型不定詞」でスムーズに文の内容が伝わり、toは不要だったのです。

では次に、2の文の意味の区切りに注目しながら、解説を加えていきます。

Riku was made        /         to carry the baggage by Mana.

リクは、させられた  /    マナに、荷物を 運ぶことを・運ぶように

文章を前半と後半に分けて、英文と意味を見比べてください。
前半の、リクが「させられた」ことを述べている箇所が、後半の「to carry」です。「運ぶことをさせられた」、「運ぶよう強制された」と伝えるのに「to」がつなぎの役割をしています。

「to不定詞」とする理由について、なんとなくイメージはつかめてきたでしょうか?

使役動詞letの受動態

先ほども述べましたが、使役動詞letは受動態の文では使われず、代わりにallowが使われます。letもallowも、基本的な意味は「許す」「させてあげる」です。

使役動詞・受動態の形になると、基本的な意味は「~させてもらう」になります。

形は【be+allowed+to不定詞】

それでは例文を見てください。

〈例〉
3. 使役動詞・能動態の文:The doctor let her go home.

医者は彼女を家へ帰らせてあげた。

 

4. 使役動詞・受動態の文:She was allowed to go home by the doctor.

彼女は医者に家へ帰らせてもらった。

3、4ともに、「彼女が医者から帰宅許可をもらえた」という内容ですね。能動態の時にはletを用いていましたが、受動態になると、使う動詞はallowに変えます。

そしてやはり、受動態になると、動詞間を「to」でつなぐ「to不定詞」の形を取ります。

使役動詞helpの受動態

次は使役動詞helpです。helpは使役動詞に使われても本来の意味と変わらず「(誰かが何かをする))のを助ける・手伝う」ですので、意味の理解は難しくないでしょう。

形は【be+helped+to不定詞】

使役動詞helpは受動態の文にも使えます。過去分詞helpedに変形すればOKです。

〈例〉
5. 使役動詞・能動態の文:Kazu helped Mom clean the room.

カズは、母が部屋を掃除するのを手伝った。

 

6. 使役動詞・受動態の文:Mom was helped to clean the room by Kazu.

母はカズに部屋を掃除するのを手伝ってもらった。

例文2・例文4と同様、例文6の「to clean」が「to不定詞」の部分にあたりますね。

全てパターンは同じです。「to不定詞」に慣れてきましたか?

使役動詞の受動態まとめ

使役動詞の能動態と比べ、主語が変わり受動態になったことで「原型不定詞」から「to不定詞」に変わる理由がわかってきたでしょうか。

「原型不定詞」、「to不定詞」等の用語を見ただけでくじけそうな人は、とにかく根気よく英文と訳を何度も見比べてみましょう。英語に対する感覚を磨くことにつながり、結果、教科としての英語にも強くなれます。

英語は、勉強するべき教科であると同時に実際の会話に使われている言語、意志を伝えるためのツールです。文法的事項を切り取ってルールを覚えようとするだけでなく、「こんな気持ちを伝えるにはこう表現するのか」のような視点で向き合うと、正しい英文が頭に残りやすくなりますよ。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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