恒等式とは?2つの解き方(係数比較法、数値代入法)をわかりやすく解説します!
恒等式は、名前的には少し難しそうな印象を受けますが、考え方を理解して、2つの解き方を覚えてしまえば案外難しくはありません。
応用問題にも、恒等式の考え方が必要になってくる問題もありますので、しっかりと考え方を理解しましょう。
1. 恒等式とは?
つまり、
Ax2+Bx+C=ax2+bx+cが成立するとき
A=a B=b C=cが成立するという事です。
それでは、これを踏まえて一つ問題です。
以下の2つは恒等式と言えるのでしょうか?
①x2+3x=x-1
②3x+2z=2x+4z
正解は・・
どちらも言えませんね。
なぜなら・・
①はx=-1の時しか成り立ちません。また、②は(x,z)=(2,1)など、x=2zでは無限になりたちますが、その他のとき、成り立ちません。
もう一度言いますが、
P=Qの時、Xなどの文字式にどんな数値を代入しても、等式がなりたたなくては、恒等式とは言えません。
2. 恒等式(解き方)
恒等式の解き方は、大きく分けて2つあります。
①係数比較法
②数値代入法
①係数比較法
係数比較法は、恒等式の次数の項が同じである事を利用して、両辺を展開し、比較する方法です。基本的にはこちらの方法を使います。
例題です。
まず、方程式を展開していきましょう。
2x3+2x2+ax+b
={2x2+1}(cx+d)
=2cx3+2dx2+cx+d
恒等式なので、次数が同じなので・・
2=2c, 2=2d, a=c, b=d
連立を解いて・・
(a,b,c,d)=(1,1,1,1)
②数値代入法
数値代入法は、どんな数値を代入しても恒等式が成立するという事を利用して解く方法です。
例題です。
(X-2)や(X+3)のように、(X+○)の形で囲まれていたらポイントです。
恒等式が成り立つ時は、Xにどんな値を入れても、(右辺)=(左辺)になるので、(右式)を簡単にするために、X=2,-3,-1を当てはめる。
X=2を代入すると・・
15=15c c=1
X=-3を代入すると・・
15=-5b b=-3
X=-1を代入すると・・
3=-6a-3b a=1
a=-1,b=-3,c=1になります。これで正解・・!?
いえ、これで終わらせてはいけません
これはまだ、X=2, X=-3, X=-1の時に、恒等式が成り立つ条件(必要条件)を示しただけで、実際に、全てのXについて成り立つことは確認出来ていません。
だから、a=-1,b=-3,c=1を当てはめて、恒等式を成立させなくてはなりません。(十分条件)
2x2+2x+3
=(x-2)(x+3)-3(x-2)+(x+3)(x+1)
=x2+x-6-3x+6+x2+4x+3
=2x2+2x+3
この過程を忘れると減点されるので、しっかりと必要条件まで示す事が必要です。
次は練習問題を解こう!
恒等式の基礎が理解できたら、早速下のボタンをクリックして、練習問題を解いてみましょう!