部分分数分解の公式とやり方を徹底解説!
高校数学で学習する「部分分数分解」は、分数を扱う上、計算が面倒くさいなどの理由からニガテに思う人が多い単元です。
しかし、これをできるようになると、数学Bの単元で学習する「数列」で、解答することが手軽になります。
二次試験などで必ず役に立つので、この記事を通してマスターしよう!
部分分数分解とは?
部分分数分解とは、「ひとつの分数を、複数の分数の足し算または引き算で書き表す」ことです。
「通分(複数の分数の分母を合わせて一つの分数にする)」の逆バージョンというとわかりやすいかもしれません。
部分分数分解は有理式(多項式の商で表される式のこと)であれば、たとえ分母や分子に文字があっても行うことができます。
当然問題ではこれよりも難しいもの解くことになりますが、まずはこういう考え方なんだな、ということを覚えておいてください。
部分分数分解の公式
それでは部分分数分解の公式を紹介していきます。
この公式は、「この形のものが来たらこの形に変形すればいいんだな」という風に覚え、活用してください。
(II)分母が2次式、分子が1次式の場合(P=0とすると(I)の公式と同じものになります)
(III)分母が2次式、分子が1次式であり、分母が 2乗 の形になっている場合
これらが部分分数分解の公式となります。公式の「a,b,c」の部分は「P,Q,R」の数値と、xに係る数字によって変化していきます。
部分分数分解の形が分かってしまえばあとは数値を代入していくだけで簡単に部分分数分解を行うことができます。
また公式を使うためには、あらかじめ上記公式のどれかの形に代入できるように、与式を変形しておく必要があります。
そのためには、「分母を因数分解しておくこと」「分子の字数を分母の字数よりも小さくしておくこと」が必要となります。
部分分数分解のメリット
部分分数分解は確かに手順がたくさんあることにより、できれば避けたいと思う人が多いようですが、どのような場面で行うとよいのでしょうか。
数学Bで数列の単元を学習したとき、分数の数列を習った場合に部分分数分解を行うと、分数同士がうまく打ち消しあって計算がものすごく楽になることがあります。
ただだらだらと解いていくよりは、部分分数分解を行って解いた方が簡単ですし、何より解いていて爽快感があります。
例えば、
を与えられた場合、部分分数分解を行わないで解くと莫大な計算を要しますが、部分分数分解を行ったうえで解くと、
ここまで計算すれば、最初と最後の分数を残して真ん中の部分の分数をすべて打ち消すことができるため、
と、簡単に求めることができます。
部分分数分解の練習問題
例題として、
を解いてみましょう。
とおける」
という一文を明記します。
そのあと、分母を払います。分母が0ではないことを明記することを忘れないようにしてください。
「この式から分母を払うと、 1=a(x+3) + bx、(x≠0,-3)」
この後は、解答のまとめ方に注意が必要です。
先ほど、「x≠0,-3」であることを明記しましたが、ここからはxに0と-3を代入してaとbを求めていくので、このことを解答用紙に書いてしまうと先ほどの文言と矛盾してしまうことになるからです。
「1=a(x+3) + bxに x=0 を代入すると、
1=a(x+3) + bxに x=-3を代入すると、」
この「」内は書かずに、
「1=a(x+3) + bx の式を係数比較すると、
よって、
となる。」と表現します。
まとめ
今回は、部分分数分解の公式や解き方、その意義などを紹介していきました。
5つも公式があり覚えることは多いですが、それさえ乗り越えてしまえばあとは代入するだけなのでさほど難しいものではありません。
部分分数分解をマスターすれば分数数列の問題を解くときの強い武器になっていくことでしょう。
ぜひとも頑張ってマスターしてください!