確率漸化式を徹底攻略!漸化式の基礎から解説します

数学 2018.12.27

確率漸化式は、その名の通り「確率」と「漸化式」を組み合わせた問題のことをいいます。
数学Aで学習した確率と、数学Bの数列で学習した漸化式はそれぞれ苦手とする受験生も多く、敬遠してしまう人もいます。
ですが、確率漸化式の問題ですることは、他の問題とかわりません。式を立てて解くだけです。
この記事では、確率漸化式についてまとめます。

1.確率漸化式を解く前に!漸化式の基礎をおさらいしよう

確率漸化式を解く前に漸化式の基礎をおさらいしましょう。

漸化式とは前の項と次の項の関係を表した式です。
基本的な漸化式として挙げられるのは、

                等差数列:an+1 = an + d

                等比数列:an+1 =  ran

                階差数列:an+1 = an + f(n)

3つです。
漸化式を解くときに意識するのはこの3つの形です。

問題としてはさまざまな形の漸化式が表れますが、どれもこのどれかの形に変形して、解くことになります。
等差数列であれば、等差数列の一般項の公式がありますし、等比数列も等比数列の一般項の公式があります。
それぞれ、

                等差数列:an = a1 + d(n – 1)

                等比数列:an = a1rn-1

です。これは必ず覚えておきましょう。

前の項と次の項の差をとった数列を階差数列といいます。
例えば、

     an = 1,2,4,7,11,16,22,29,37,46,56……

という数列 であれば、次の項との差を順番にとってゆくと

      bn = 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10……

という数列 を定義することができます。
この数列 を数列 の階差数列といいます。
さきの

                階差数列:an+1 = an + f(n)

であれば、f(n)の部分が階差数列にあたります
階差数列 を持つような数列 の一般項は、n 2 のとき

確率漸化式 計算で表されます。

漸化式の問題では、最終的にはこの等差数列、等比数列、階差数列の形に変形して、一般項の公式をつかって、もとの数列の一般項を求めることになります。
次に説明する確率漸化式の問題でも、自分で漸化式をたてる必要があるだけで、漸化式を解く作業は同じです。そのため、まず漸化式のパターン問題を解けるようになっておきましょう。

2.確率漸化式の問題を解いてみよう

さっそくですが確率漸化式は習うより慣れた方が身につくので、確率漸化式の問題を実際に解いてみましょう。

.

1から8までの数字がかかれたカードが各1枚ずつ、合計8枚ある。この中から1枚のカードを取り出して、カードを確認して元に戻すという操作を繰り返し行う。最初からn回この操作を繰り返したとき、最初からn個の数字の和が3の倍数になる確率を pnとおく。次の各問いに答えよ。

(1)p1,p2 を求めよ。
(2) pn+1とpn
をの式で表せ。
(3) pn
をもとめよ。

解答・解説

典型的な確率漸化式の問題です。
問題の意味さえわかれば、そう難しい問題ではありません。
順番にしっかり考えてゆきましょう。

(1)

p1は日本語で言えば、「1回目までの数字の合計が3の倍数であるような確率」です。
8枚のうち3の倍数は3と6の2枚のみですので、8枚からこの2枚を引く確率が、(1)の答えになります。

を同様に日本語で表すと、「2回目までの数字の合計が3の倍数であるような確率」です。
この問題が、次の(2)の考え方のヒントになっていますので、しっかりと理解しましょう。
確率漸化式の問題では、大抵(1)で問題の勘所をつかめるような誘導があることが多いですので、(1)をしっかり解くことが重要です。

この問題の場合、「合計が3の倍数になる」ことが重要ですから、2回目でそのようになるのはどういった場合なのかを考えます。
まず考えられるのは、「1回目で3の倍数を引き、2回目でも3の倍数を引く」場合です。
つまり、式で表せば

確率漸化式 計算

の場合です。
しかし、1回目で3の倍数にならなくても、2回目で3の倍数になるような場合も存在します。
例えば、2の次に4を引くようなパターンです。
どうなれば、2回目に合計が3の倍数になるかを列挙してみましょう。
確率の問題では、わかりづらい場合には、列挙して整理してから式に直すことも非常に有効です。
解答用紙にその部分は書かなくても構いません。
考え方だけきっちり書きましょう。

 一回目が1, 4, 7
→  二回目が2, 5, 8であればよい

 一回目が2, 5, 8
→  二回目が1, 4, 7であればよい

ここから、「1回目が3の倍数でないときには、1, 4, 7であれば2, 5, 8のように、それぞれに対応する3数を引けばよい」ということがわかります。
1回目が3の倍数でないとき」というのは、 1 – p1で表されますから、それにたいして 3/8 をかければよいことになります。
つまり

です。
2回目で合計が3の倍数になる確率p2 は、「1回目で3の倍数を引き、2回目でも3の倍数を引く確率」+「1回目で3の倍数でない数を引き、2回目でそれに対応する数を引いて3の倍数になる確率」と考えられます。
ですから

が求める確率になります。

(2)

(1)と同様に考えます。
 pnは「n回目までの数字の合計が3の倍数である確率」であり、 pn+1は「n + 1 回目までの数字の合計が3の倍数である確率」です。
この問題設定をしっかり押さえておきましょう。

つまりn回目で3の倍数だったら、n + 1回目で3の倍数になるためには、36を引く必要があります。
そして、n回目で3の倍数でなかったら、n + 1 回目では、それに対応する3枚(合計が3m+1(mは整数)で表されるすうなら2, 5, 8のような)を引く必要があります。
ですから、(1)の

と同様に考えれば、

(2)で求める式です。

以下のようにまとめてもよいでしょう。

n回目の合計 確率 n + 1回目の数 確率 n + 1回目の合計
3の倍数 pn 3, 6 2/8 3の倍数
1, 2, 4, 5, 7, 8 6/8 3の倍数でない
3の倍数+1 ? 合計で
1 – pn
2, 5, 8 3/8 3の倍数
1, 3, 4, 6, 7 5/8 3の倍数でない
3の倍数+2 ? 1, 4, 7 3/8 3の倍数
2, 3, 5, 6, 8 5/8 3の倍数でない

(3)

(2)までできれば、あとは漸化式を解くだけです。
(2)で求めた、

確率漸化式 計算

を解きます。
これは、特性方程式を使って等比数列の形に変形して解くタイプの式です。
ただし、特性方程式という単語は高校の範囲ではないので、記述問題では回答に書かない方が無難です。

特性方程式についての記事はこちら

確率漸化式 計算

の特性方程式は確率漸化式 計算より

確率漸化式 計算

と変形できます。

 ※漸化式の計算になれている方

確率漸化式 計算

は初項が確率漸化式 計算

であり、公比が確率漸化式 計算の等比数列なので、

確率漸化式 計算となります。

※漸化式の計算になれていない方

確率漸化式 計算とおくと、

確率漸化式 計算となるので、 qnは公比が – 1/8 の等比数列です。

等比数列とは、前の項にある定数rをかけると次の項になるような数列でした。
その一般項は

                an = a1rn-1
で表されます。
必要なのは初項a1と公比rの情報ですので、あとは初項を求めれば、一般項がわかることになります。
p1(1)で求めましたので

となります。ですので、qn の一般項は

となります。つまり

確率漸化式 計算

が求まります。

 3.確率漸化式のまとめ

最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、確率漸化式の代表的な問題を紹介して解説しました。
確率漸化式の問題は「漸化式をたてる」と「漸化式を解く」という2段階に分けられます。
「漸化式をたてる」ことさえできてしまえば、あとはパターンに従って解くだけです。
解けるようになるまで復習しましょう。
この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している、高校生のための「受験応援メディア」です。