確率の問題を間違えてしまう5つの原因と求め方とは?
確率の問題は、数Ⅰ・Aのセンター試験の問題によく出題されます。しかし、確率を苦手としている人も多く、最も得点差が出やすい範囲の1つです。
確率が苦手な人には、共通する5つの原因があります。
今回の記事では、その5つと正しい求め方を数学が苦手な人にも易しく解説します。この記事を読むと自分がどうして確率の問題を間違ってしまっているかの答えが出ると思います。
是非、確率の問題で間違いをなくしていきましょう!
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1. 確率の失点原因①「定義がしっかりと頭に入っていない」
あなたは、「確率の定義は何ですか?」と言われて、ぱっと頭に思い浮かべられますか?
以下が確率の定義になります。
確率は、上記定義が全てといっても過言ではありません。この定義をしっかりと頭にいれない限り、確率は解く事は出来ないので、絶対に頭の中に入れましょう!
2. 確率の失点原因②「同じ形のサイコロやコインなどを区別して考えられていない」
それでは、具体的に確率の問題をどうして間違えてしまうのかを1つ1つ紹介します。
まず1つ目は、同じ形のサイコロやコインを区別して考えられていないことです。これは、確率を苦手とする人が最も間違えてしまっている考え方です。具体的な問題を見ていきましょう。
<よくある間違い>
果物を取り出した時に考えられる組み合わせは・・
{リンゴ、リンゴ、バナナ}、{リンゴ、バナナ、バナナ}、{バナナ、バナナ、バナナ}の3通り。
だから、{リンゴ、バナナ、バナナ}になる確率はになります・・・
これは大きな間違えです。もしこれが正解だとすると、バナナが100個の時も200個の時も答えは
確率において、大事なのは例え同じバナナやリンゴだとしても、バナナ1、バナナ2、バナナ3…のように1つ1つを区別することです。つまり、確率を解く際は、バナナ1もバナナ2も別物であると考えてよいのです。
それでは、問題の解答を見ていきましょう。
< 解答 >
まず、確率の定義の分母となる「全ての場合の数」を求めます。
果物6個の中から3個を選ぶ組み合わせは・・
次に、「事象Aの起こる場合の数」を求めます。
リンゴ2個の中から1個、バナナ4個の中から2個を選ぶ組み合わせは・・
よって確率は・・
になります。
3. 確率の失点原因③「組み合わせと順列がごっちゃになってしまっている」
確率の問題では、定義の分母である「全ての場合の数」を順列で求めた場合は、「事象Aの起こる場合の数」も順列で求めなくてはなりません。
組み合わせの場合も同様で、「全ての場合の数」を組み合わせで求めた場合は、「事象Aの起こる場合の数」も組み合わせで求めなくてはなりません。
(ちなみに「順列」と「組み合わせ」が曖昧な方は、「【誰でも理解出来る!】順列と組み合わせ」を参照してください。)
2つがごっちゃになって、間違えてしまう人がいます。それぞれの場合を解いてみましょう。
【順列の場合】
< 解答 >
「全ての場合の数」である7人の並べ方は・・
両端が女子となる時、両端の二人の並べ方は
間の5人の並べ方は・・
よって求める確率は、
になります。
【組み合わせの場合】
(1)全部色が同じになる場合
(2)色と番号が全部異なる場合
<解答>
(1)12個のボールの選び方は・・
よって、全部色が同じになる場合は・・
になります。
(2)番号の取り出し方は、
よって、色も番号も全部異なる確率は・・
になります。
4. 確率の失点原因④「排反・独立には注意しよう」
確率を少し難しくしている原因として、排反や独立いう考え方があります。まずは、独立と排反の意味をしっかり理解し、区別することが出来るようにしましょう。
排反と独立は互いに、2つ以上が互いに干渉しない時に使う言葉ですが、確率において使う時には明確な区別があります。
図示したので、2つの違いを確認してみてください。
ちなみに、試行とは、サイコロを1回振るなどの実験や観測のことを言い、事象とは、試行によって起こる結果のことです。それを踏まえて、排反と独立をそれぞれ見ていきましょう。
排反事象とは、1回の試行で、事象Aと事象Bが同時に起こらない時のことを言います。
例えば、バナナ4個とリンゴ3個のうち、同じ果物を3つ取り出す確率を求める時に、全てがバナナである事象Aと、全てがリンゴである事象Bは、排反事象です。
ちなみに、上図で図示したように、事象Aと事象Bが排反事象なら、2つを足し合わせることができ、
P(AUB)=P(A)+P(B)
になります。
今回は、全てがバナナである事象Aと、全てがリンゴである事象Bを足し合わせて
になります。
2つ以上の試行が互いに影響を及ぼさない時、それらの試行は独立であると言います。
2回サイコロを投げる時に、1回目は5以上、2回目は3以下の目が出る確率を求める場合などがこのパターンに当てはまります。
1回目が2が出ようが、6が出ようが2回目のサイコロの目には影響しません。このような時は、独立な試行と言えます。
この時の公式は以下になります。
独立な試行S、Tにおいて、Sでは事象Aが起こり、Tでは事象Bが起こるという事象をCとすると・・
P(C)=P(A)P(B)
今回の例では、1回目と2回目の確率を掛け合わせるので・・
になります。
5. 確率の失点原因⑤「反復試行の公式は確率の落とし穴」
一番、最初に示した確率の定義から派生した、反復試行の公式があります。
もともと、問題文で1回の試行における事象Aの確率が定義されているときがあります。その時は、上記公式を使って解く事が重要になります。無理矢理、確率の定義に当てはめようとして、分からなくなってしまうことがあるので注意して解いてください。
まずは、この公式を証明します。
【証明】
確率Pの事象Aがr回起こるので・・
事象Aが起きない確率(1-P)の事象が(n-r)回起こるので・・
また、事象Aがr回起こる場合の数は、n個の位置からr個を選ぶ
よって、これらの確率は・・
になります。
具体的に問題を見ていきましょう。
サイコロを1回投げて、3以上の目が出る確率は
だから、3以上の目が5回出る確率は、
になります。
いかがでしたか?
確率の問題に苦戦していた人は以上の5つの原因で解けなかったのではないでしょうか?確率問題はパターンがあります。ですので、頻出問題を数多く問題を解いていくことが大切になります!