背理法とは?例を使って慶應生がわかりやすく解説してみた

数学 2016.12.19
背理法とは?例を使って慶應生がわかりやすく解説してみた

高校数学で学習する背理法とは何か?背理法の具体例をいくつか紹介します。

本記事では、数学が苦手な人でも背理法が理解できるように、現役の慶應生が背理法についてわかりやすく解説します。

背理法は、無理数であることの証明などでよく使われます。

背理法の具体例をいくつか見れば、背理法のイメージがつかめるでしょう。

ぜひ最後まで読んで、背理法を理解してください!

 

    1:背理法とは?

    まずは背理法とは何かについてわかりやく解説します。

    背理法とは、「ある命題Aに対して、Aが成り立たないと仮定して矛盾を導くことで、命題Aが成り立つことを示す証明方法のこと」です。

    例えば、「犬は動物である」という命題を背理法で証明してみるとします。

    背理法を使う時はまず、命題が成り立たないと仮定します。つまり、「犬は動物ではない」という仮定を立てます。

    そして、「犬は動物ではない」という仮定に矛盾を見つけます。

    矛盾を見つけることで「犬は動物ではない」が否定されるので、結果的に「犬は動物である」という結論に達するわけです。

    背理法の流れ解説画像

    背理法の流れは以上のような感じです。では、次の章から背理法の具体例を見ていきます。

     

      2:背理法の証明問題①

      では、背理法の具体例1つ目です。

      背理法:具体例

      √5は無理数であることを、背理法で証明せよ。

      (※以下に解答と解説)

      解答&解説

      背理法の超有名問題なので、必ず解けるようにしておきましょう!

      まずは命題を否定します。つまり、「√5が無理数ではない」と仮定します。

      つまり、「√5が有理数である」と仮定するわけですね。

      ※無理数と有理数があまり理解できていない人は、無理数と有理数について解説した記事をご覧ください。

      すると√5は、互いに素な(1以外に公約数を持たない)自然数a、bを用いて

      √5 = a/b と表現できます。

      よって、

      a = √5・b より

      a2 = 5b2・・・①

      したがって、a2は5の倍数なので、aも5の倍数です。

      ゆえに、cを自然数として

      a = 5c と表現できます。

      これを①に代入して

      25c2 = 5b2

      より

      5c2 = b2

      b2は5の倍数なので、bも5の倍数です。

      ここで、aも5の倍数であったことを思い出してください。

      よって、aとbは公約数5を持つことになり、aとbが互いに素(1以外に公約数を持たない)ということに矛盾します。

      以上より、「√5は有理数である」という仮定が成り立たないので、命題「√5は無理数である」が背理法により証明されました。

      いかがですか?背理法のイメージがつかめましたか?

      以上の問題は背理法の有名問題なので、必ず解けるようにしてください。

       

      3:背理法の証明問題②

      では、少し難易度が上がった背理法の問題を解いてみましょう。

      背理法:具体例

      √5+√7は無理数であることを背理法で証明せよ。ただし、√7が無理数であることは証明なしに使っても良い。

      (※以下に解答と解説)

      解答&解説

      まずは命題を否定します。「√5+√7は無理数ではない」という仮定を立てます。

      「無理数ではない」ということはこの時、√5+√7は有理数なので、Rを有利数として、

      R=√5+√7 とおきます。

      すると、

      √5=R-√7 より

      5=R2-2√7・R+7

      なので、

      2√7・R=R2+2

      Rは0ではないので、

      √7=(R2+2)/2R・・・②

      Rは有理数なので、②の右辺は有理数である。

      しかし、②の左辺は無理数なので矛盾が生じる。

      したがって、背理法より√5+√7は無理数となる。

       

        4:背理法の証明問題③

        では、背理法の証明問題の3つ目を解いてみましょう。

        背理法:具体例

        aとbを有理数とする。a+b√3=0ならば、a=b=0となることを背理法で証明せよ。

        ただし、√3が無理数であることは証明なしに使っても良い。

        (※以下に解答と解説)

        解答&解説

        命題を否定します。「b≠0」と仮定します。

        すると、

        √3=-a/b・・・③

        となり、aとbは有理数なので、③の右辺は有理数です。

        しかし、③の左辺は無理数です。従って矛盾が生じています。

        よって、b=0となります。

        すると、

        a+0・√3=0 より

        a=0となります。よって、命題が背理法で証明されました。

        ※一般に、次のことが成り立つので、覚えておきましょう!

        背理法で覚えておきべき事柄

         

          5:背理法の証明問題④

          いよいよ最後の背理法の証明問題です。

          背理法:具体例

          a、b、x、yが有理数であるとする。

          この時、

          a+b√3=x+y√3

          ならば

          a=xかつb=y

          となることを背理法で証明せよ。

          (※以下に解答と解説)

          解答&解説

          まずは命題を否定します。今回は、「b≠y」と仮定します。

          すると、a+b√3=x+y√3 より

          (b-y)√3=x-a より

          √3=(x-a)/(b-y)・・・④

          です。ここで、「b≠y」より④の右辺は有理数です。

          しかし、④の左辺は無理数です。よって、矛盾が生じています。

          従って、背理法よりb=yが導けます。

          ここで、

          a+b√3=x+y√3

          にb=yを代入すると、

          a+y√3=x+y√3

          となるので、a=xとなります。

          従って、背理法より命題は真であることが証明されました。

          ※一般的に、次のことが成り立つので覚えておきましょう!

          背理法で覚えておきべき事柄

           

            背理法のまとめ

            背理法とは何か・背理法の使い方が理解できましたか?

            背理法は高校数学でも重要な分野の1つです。背理法を忘れてしまった時は、また本記事を読み返して背理法を復習してください!

            記事の内容でわからないところ、質問などあればこちらからお気軽にご質問ください。

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            この記事の執筆者

            ニックネーム:受験のミカタ編集部

            「受験のミカタ」は、難関大学在学中の大学生ライターが中心となり運営している「受験応援メディア」です。