剰余の定理とは?証明&必ず解いておきたい問題付き

数学 2016.12.13
剰余の定理とは?証明&必ず解いておきたい問題付き

高校数学の剰余の定理について、現役の早稲田大生が数学が苦手な人でも剰余の定理が理解できるように解説します。

剰余の定理は、整式P(x)を1次式x-aで割ったときのあまりをすぐに求めることができる便利な数学の公式です。(後に詳しく解説)

本記事を読めば、剰余の定理とは何か・剰余の定理が成り立つ理由(剰余の定理の証明)が理解できるでしょう!

最後には、剰余の定理を使った問題も用意した充実の内容です。

ぜひ最後まで読んで、剰余の定理をマスターしてください!

 

    1:剰余の定理とは?

    まずは剰余の定理とは何かについて解説します。

    剰余の定理とは「整式P(x)を1次式x-aで割ったときの余りはP(a)になり、1次式ax+bで割ったときの余りはP(-b/a)になる」ことを言います。

    以上が剰余の定理です。

    剰余の定理は、余りを求めるときに使える非常に便利な公式なので、ぜひ覚えておきましょう!

     

      2:剰余の定理を使った例題

      では、実際に剰余の定理を使ってみましょう。

      以下の剰余の定理の例題を解いてみます。

      剰余の定理:例題1

      以下の条件を満たすように、定数aの値を求めよ。

      ・整式P(x)=x3+ax+10は、x+5で割り切れる。

      解答&解説

      剰余の定理より、整式P(x)がx+5で割り切れるためには、

      P(-5)=0

      となればよいですね。

      よって、

      (-5)3-5a+10=0

      より、

      a=-23・・・(答)

      となります。

       

      剰余の定理:例題2

      以下の条件を満たすように、定数aの値を求めよ。

      ・整式P(x)=ax2-2x+3を2x+5で割ると33余る。

      解答&解説

      剰余の定理より、整式P(x)を2x+5で割ったときの余りはP(-5/2)です。

      したがって、

      (-5/2)2a+5+3=33

      より、

      a=4・・・(答)

      となります。

      剰余の定理の使い方のイメージができましたか?

      次の章では、なぜ剰余の定理が成り立つのか?(剰余の定理の証明)を行います。

       

      3:剰余の定理の証明

      では、剰余の定理の証明をしていきます。

      剰余の定理の証明は非常に簡単です。

      まず、整式P(x)を1次式ax+bで割ったときの商をQ(x)、余りをRとします。

      すると、

      P(x)

      =(ax+b)・Q(x)+R

      と表現できますね。

      ここで、x=-b/aを代入します。すると、

      P(-b/a)

      =0・Q(x)+R

      =R

      となり、剰余の定理が証明できました。

      なお、剰余の定理において、余りが0の場合が因数定理です。

      ※因数定理を詳しく学習したい人は、因数定理について詳しく解説した記事をご覧ください。

      以上が剰余の定理の証明です。剰余の定理の証明は非常にシンプルだったことがお分かり頂けたかと思います。

       

        4:剰余の定理の問題

        最後に、剰余の定理の問題を解いて力をつけましょう!

        剰余の定理の便利さを実感してください。

        剰余の定理:問題1

        以下の条件を満たすように、定数a、bの値を求めよ。

        ・整式P(x)=x3+ax2+bx+27はx+3で割り切れ、x-1で割ると3余る。

        解答&解説

        剰余の定理より、

        P(-3)=0なので、

        -27+9a-3b+27=0

        より、

        9a-3b=0 なので、

        3a-b=0・・・①

        また、剰余の定理より、

        P(1)=3なので、

        1+a+b+27=3

        より、

        a+b=-25・・・②

        ①と②を連立させます。

        ※連立方程式の解き方は、連立方程式について詳しく解説した記事をご覧ください。

        すると、

        a=-25/4、b=-75/4・・・(答)

        となります。

         

        剰余の定理:問題2

        整式P(x)をx+2で割ると余りは5、x+3で割ると余りは6となる。このとき、整式P(x)をx2+5x+6で割ると余りはいくつになるか求めよ。

        解答&解説

        x2+5x+6、すなわち(x+2)(x+3)で割ったときの余りを求めればよいのですね。

        整式P(x)を(x+2)(x+3)で割ったときの商をQ(x)、余りをax+bとおきます。

        ※2次式で割ったときの余りは1次式以下になりますね。

        すると、

        P(x)

        =(x+2)(x+3)・Q(x)+ax+b・・・①

        と表現できます。

        ここで、剰余の定理より、

        P(-2)=5なので、①より、

        -2a+b=5・・・②

        同様に、剰余の定理より、

        P(-3)=6なので、①より、

        -3a+b=6・・・③

        ②と③を連立させます。

        ※連立方程式の解き方は、連立方程式について詳しく解説した記事をご覧ください。

        すると、

        a=-1、b=3

        よって余りは、-x+3 ・・・(答)

        となります。

          剰余の定理のまとめ

          いかがでしたか?剰余の定理が理解できましたか?

          剰余の定理は、余りをすぐに求めることができる便利な公式でした。高校数学でも重要な公式の1つなので、剰余の定理は必ず覚えておきましょう!

          剰余の定理を忘れてしまった時は、また本記事を読み返して、剰余の定理を復習してください。

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          この記事の執筆者

          ニックネーム:やっすん

          早稲田大学商学部4年
          得意科目:数学