力積とは?超重要な運動量との関係2つも早大生が解説
高校物理の力積について、物理が苦手な人でも理解できるように解説します。
スマホでも見やすいイラストを使って、現役の早稲田大学に通う筆者が丁寧に力積について解説します。
扱う内容は、「力積とは何か・力積の単位・力積と運動量の関係」についてです。最後には、この記事で力積が理解できたかを試すのに最適な計算問題も用意しました。
この記事を読み終える頃には、力積について理解できているでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
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1:力積とは?
まずは、力積とは何かについて、物理が苦手な人でも理解できるように解説します。
まず、物体に力を加えて、物体を移動させることを考えてみましょう。
この時、物体がどれだけ移動するのか?ということを考えてみましょう。
物体がどれだけ移動するかは、
1:どのくらいの大きさの力を物体に加えたか?
2:どれだけの時間、物体が移動したか?
の2つによって決まります。
そこで、「力×時間」という式を考えるわけです。この「力×時間」という式によって出される値を「力積」と呼んでいます。
「力積=力×時間」ということですね。
力積とは何か?についての解説は以上になります。次の章からは、力積の単位について見ていきましょう。
2:力積の単位
力積の単位について解説していきます。
先ほどの解説より、
力積=力×時間です。
力の単位はN(ニュートン)で、時間の単位はs(秒)でした。
したがって、力積の単位は[N]×[s]=[N・s]となります。
力積の単位は[N・s]ということを覚えておきましょう!
3:力積と運動量の関係①
力積と運動量には深い関係が2つあるので、ぜひ力積の学習と一緒に学んでおきましょう!1つずつ紹介していきます。
まずは1つ目から。
先ほどより、力積=[N]×[s]ということを学習しましたね。
ここで、
N(ニュートン)=kg・m/s2・・・①
であるということを思い出しましょう。
①を力積の公式に代入すると、
力積
=[N]×[s]
=[kg・m/s2]×[s]
=[kg・m/s]・・・②
となりますね。
②に注目しましょう。[kg・m/s]というのは、運動量の単位と同じです。
力積と運動量は、単位が同じだったのですね。
以上が力積と運動量の関係の1つ目です。
4:力積と運動量の関係②
力積と運動量の関係の2つ目です。
まず、運動方程式F=maを思い出してください。このF=maの両辺に、力が物体に作用する時間tをかけます。
Ft = mat・・・③
となりますね。
ここで、物体の初速度をv0とし、時間tのときに物体の速度がvになったとします。
すると、加速度aは、
a = (v-v0)/t・・・④
と表すことができますね。
④を③に代入します。すると、
Ft
=m(v-v0)
=mv-mv0・・・⑤
となりますね。
⑤は、運動量の変化を表していますね。
よって、力積は運動量の変化に等しいということがわかります。
以上より、力積と運動量の関係としては、
1:力積と運動量の単位は同じ
2:力積は運動量の変化に等しい
という2つの関係があることがお分かり頂けたかと思います。
どちらも重要な事柄なので、必ず知っておきましょう。
5:力積の計算問題
最後に、力積に関する計算問題を1問解いてみましょう。丁寧な解説付きです。
力積:計算問題
下の図のように、x軸方向を正とし、壁に向かって質量5kgのボールを30m/sで転がした。すると、ボールは壁にぶつかって20m/sで跳ね返った。このとき、ボールが受けた力積を求めよ。
解答&解説
「力積は運動量の変化に等しい」ということを使います。
力積=mv-mv0
より、求める力積は、
5×(-20)-5×30
=-100-150
=-250[N・s]・・・(答)
となります。
つまり、ボールはx軸の負の方向に250[N・s]の力積を受けたということですね。
力積のまとめ
いかがでしたか?力積についての解説は以上になります。
力積と運動量には2つの関係がありました。繰り返しになりますが、力積と運動量の関係はとても重要なので必ず覚えておきましょう。
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