ケプラーの法則と万有引力!3つの法則をわかりやすく解説

物理 2018.10.15
ケプラーの法則と万有引力!3つの法則をわかりやすく解説

ケプラーの法則とは、惑星の運動に関する法則です。全部で3つあり、これらの法則は天文学の進歩に大きく貢献したと言われています。

受験や試験という面から言うと、これらの法則は単体で出題されるというよりも、万有引力の計算や惑星の質量を求めさせるために出題されることが多いです!

また、いくつか計算を行いますが、そのときに等速円運動の式を用います。

この記事では、そんなケプラーの法則について、わかりやすく解説していきます!

 

    1.ケプラーの法則とは?

    ケプラーの法則は、3つの法則から成り立ちます。それぞれ、以下になります。

    第1法則:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円(だえん)状を運動する。
    第2法則:惑星と太陽とを結ぶ線分が、一定時間に通過する面積は一定である。
    第3法則:惑星の公転周期Tの2乗は、軌道楕円の半長軸(太陽と惑星間の平均の距離)aの3乗に比例する。

    第1法則については、知識として知っておく程度にとどめて構いません。第2第3法則は、計算の過程で使用することがあるため、良く理解しておきましょう。

    そうは言っても法則はそれほど難しいものではありません。それぞれについて細かく見ていきましょう。

     

    第1法則について

    意外かもしれませんが、太陽の周りを地球は1年かけて周りますが、その軌道は真円ではなく、中心からわずかにずれた位置を中心とした楕円です。

    大事なことは、地球を含め、「太陽系の惑星はすべて太陽を焦点とした楕円軌道で運動していること」です。

    楕円と焦点の関係は、円と中心点の関係のようなものです。
    ためしに、紙とペンと紐を用意し、下記の方法で綺麗な楕円を書いてみてください。イメージが湧きます。

     

    紐の両端をテープで固定する。ペン先で紐がピンと張るようにする。

    ケプラー 1

    紐を貼りながらペンを動かす。

    ケプラー 2

    そのまま1周する。

    ケプラー 3

    楕円の出来上がり。紐の固定した位置が楕円の焦点になる。

    ケプラー 4

    第1法則では、この焦点の位置のどちらかを太陽として、その周りの赤線を地球が周っていることを表しています。

    余談ですが、太陽と地球の大きさを考えると、地球の軌道は「ほぼ円状」という事実を、頭の片隅に置いておくようにしてください。普段の説明では、楕円ということを意識させるため、意図的に焦点の位置を遠くに設定しています。

    ※↓ぱっと見は円だが、実は楕円。
    ケプラー 5
    地球の実際の軌道は、上記のようにほぼ焦点位置が重なっており、軌道は円に近い。

     

    第2法則について

    この法則は「面積速度一定の法則」などとも呼ばれます。この法則を理解するために、図を見ながら視覚的に説明しましょう。

    ケプラー 6

    図に示したように、惑星が太陽の近くを移動した場合、惑星の移動距離は長いです。一方、太陽から離れた位置を惑星が移動した場合は、移動距離は短いです。

    このとき、太陽と移動した距離からなる扇形の面積(図の斜線の面積)は等しくなります。これは面積速度が一定である、とも言います。

     

    第3法則について

    この法則は特に深い理解は必要なく、そういうものだと覚える方が良いです。
    式としては、以下のように表せます。惑星ごとにTとaの値は異なりますが、計算するといずれも同じ値になります。

    ケプラー 7

    万有引力の計算などでこの関係式を使用する場合は、一定の部分を適当な文字で表して式として用いましょう。(後半の説明ではkと置いています)

    ケプラー 8

    以上の3つが、ケプラーの法則に関する紹介と説明でした。

    次に、ケプラーの法則を利用して求められたとされる万有引力の法則とエネルギーに関する説明と、これから出題される
    練習問題を説明したいと思います。

     

      万有引力の法則

      万有引力の法則(universal gravitation)は、名前が有名でおそらく誰しもが聞いたことがある法則ではないかと思います。

      万有引力の法則は、ケプラーらが観測によって得た結果とケプラーの法則を用いて導いた法則です。
      宇宙に存在するすべての物体はお互いに引き付けあっている、というもので、全宇宙すべてに通じる法則です。すべての物体なので、地球と人間から鉛筆と消しゴムまで、ありとあらゆるものが対象です。

      今から万有引力の求め方と例題を説明します。まず、考え方を簡単にするために、惑星は太陽の周りを円軌道で動いていると仮定します。

      第1法則でも話しましたが、実際に軌道はほとんど円と言っても差し支えないくらい、焦点の位置は近いです。
      太陽の中心から惑星の中心までの距離を軌道半径と言い、rとします。

      ケプラーの第2法則より、太陽の周りを惑星は面積速度一定で運動します。軌道が円であると仮定していますので、惑星は等速で運動していることになります。

      太陽が円運動する惑星を中心に向かって引く力(中心力。この場合は引力のこと)の大きさF1は、
      (引力)=(質量)×(半径)×(角速度)2より、惑星の質量m、角速度ωとすれば、

      ケプラー 9

      ケプラー 10

      周期Tは、ケプラーの第3法則から、太陽と惑星間の距離を用いて表すことができます。
      例えば、下記のように定数をkとおくと、

      ケプラー 11

      太陽と惑星の距離, r = aより、式に代入して、

      ケプラー 12

      (K1はすべて定数なのでまとめています。)

      これが、「太陽」が「惑星」を引き付ける力です。同じように、作用反作用の関係から、「惑星」が「太陽」を引く力も存在するはずです。

      惑星が太陽を引く力をF2とすれば、太陽の質量をMとすると、上記と同様の計算から、

      ケプラー 13

      作用反作用が成り立つので2つの引力は等しくなります。ゆえに、

      ケプラー 14

      これから、質量と定数Kの関係から、万有引力定数 Gというものを定義して

      ケプラー 15

      元のF1またはF2の式にGを代入すると、万有引力Fは

      ケプラー 16

      これが、万有引力です。天体のような大きいスケールのものから、身の回りのものまで、すべて万有引力が働いています。

      式が意味するところは、2つの物体の距離に反比例し、質量に比例する、というものです。

       

      *試験でとても重要

      この万有引力の式には、もう一つの側面があります。試験では必須の知識です。簡単なので、覚えてしまってもいいと思います。

      それは重力加速度 gとの関係性です。

      例えば、地面から高さhの距離にある物体(質量, m)と、地球(半径R, 質量M)との万有引力を考えます。

      物体に働く重力はF=mgで表せます。万有引力は上記で求めたとおりです。重力と万有引力は作用反作用の関係にあるので、

      ケプラー 17

      万有引力定数が与えられなかったり、天体の質量が与えられない場合などは、この関係を使います。
      また、問題によってはRに比べてhがとても小さいため、無視することができ、もっとシンプルになる場合もあります。

      R >> hより、

      ケプラー 18

       

      万有引力による位置エネルギー

      さて、今求めた万有引力は物体に働く力の1つです。つまり、F=mgなどと同じです。

      そうなると、万有引力にも位置エネルギーというものを考えることができます。これはとても簡単です。

      ケプラー 19

      ある物体1(質量M)が、別の物体2(質量m)を万有引力Fで引っ張っており、その距離がrとすると、(基準点は無限遠をU=0とする)

      (位置エネルギー)=(力)×(距離)なので、

      ケプラー 20

      注意が必要なのは、無限遠から見た時、力が発生するのは反対方向(無限遠からみたらさらに遠くに物体2が移動する)なので、位置エネルギーは負になります。

      よくジェットコースタースターの位置エネルギーの例題でU=mghと習いますが、これは地上から見た時にジェットコースターが地上に向かって力がかかるため、正の値になります。

      もし、ジェットコースターよりも高い位置に基準を取っていれば、位置エネルギーは負になります。

       

      万有引力を使った例題

      実際に、地球の周りを周回している人工衛星、「きぼう」の速さvを計算してみましょう。
      地球の質量をM [kg]、人工衛星の質量をm [kg]、地球の半径 R [m]、地表から人工衛星までの距離を h [m]とします。

      人工衛星は等速円運動を続けている物体の中心力Fは

      ケプラー 21

      この中心力と、地球と人工衛星間にかかる万有引力は等しいので、

      ケプラー 22

      vは当然正の値なので、

      ケプラー 23

      この問題ではGが与えられていないので、MG=gR2の関係を利用して

      ケプラー 24

      これが文字で表した場合の地球の周りを周回する人工衛星の速度です。
      具体的な数字を代入してみましょう。

      地球の半径を6370 km, 衛星は高さ408 kmを周回し、重力加速度 9.81 m/s2とすると

      ケプラー 25

      1秒間にとても速い速度で移動していますね。1分間で約460 kmだとすると、東京から姫路までを移動したことになります。

      それくらい早い速度で「きぼう」は周回しているんですね。

      ではこの人工衛星はさらに速く周回すると何が起こると思いますか?
      答えは、地球の軌道を飛び出してしまいます。

      この速度uを求めてみましょう。
      ある時の人工衛星の速度をv [m/s]と置き、地球の周回軌道を超えるときの速さをu [m/s]と置きます。
      地球の半径をR [m]とし、地上から人工衛星までの距離をh [m]と置きます。地球の質量 M [kg]、人工衛星の質量をm [kg]とすると

      エネルギーの保存則から、(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定より、

      ケプラー 26

      地上から無限大に行った位置で、人工衛星の速度が0になるとき(R+h→無限大で位置エネルギーが0の位置)、右辺は0になるから、

      ケプラー 27

      実際にこれを計算してみると、u = 11.2 km/sとなります。

      これくらいの速さになると人工衛星としては意味がないので、ロケットを飛ばす際には、最終的に人工衛星が11.2 km/s以下の速度になるように調整しています。

      ちなみに、この地球軌道を脱出するような速度のことを第二宇宙速度と言います。

      第一宇宙速度は、地球の表面を落下せずに飛ぶような速度のことで、例題のhをh=0として計算すれば求めることができ、その速度は7.91 km/sです。

      この名称を問われるような問題は出題されにくいとは思いますが、衛星の速度を計算したり、あるいはこの速度から周期を求めるような問題は出題されやすいです。

      計算方法はほぼワンパターンであり、しっかり対策すれば得点源に繋がりやすいので、頑張って勉強しましょう。

       

      ちょっと踏み込んで

      万有引力と言えば、ニュートンがリンゴが落ちるのを見て発見したと言われていますが、皆さんはどう思いますか?

      確かに天才ともなれば、そのような発想に行きつくかもしれません。しかしニュートン自身も、リンゴが落ちる様子を見て万有引力に気が付いたわけではないと言われています。

      このころ、ケプラーらの熱心な測定結果から、ケプラーの法則が正しいことが証明されていました。太陽が地球を引き付ける力についても、当然計算がなされていました。そんなとき、ニュートンは落下するリンゴを見てあることを考えました。

      「天体が引き付ける力があるように、リンゴのような小さな物体も地球から引力を受けているはずだ。であるならば、リンゴもまた、作用反作用の関係から地球を引っ張っているのではないか?」

      このような着眼点のもとに、研究がされた結果が、万有引力の法則です。

      引力とは、天体クラスの質量が大きいものだけではなくリンゴのようなずっと小さなものにも働いている、という訳です。天体の法則を、まったく別の物に適用できないか?と考えたニュートンはやはり天才でしょう。

      皆さんも、試験に限らず悩んだ時は別の視点から見つめてみると、何か突破口が開けるかもしれませんよ。

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      この記事の執筆者

      ニックネーム:受験のミカタ編集部

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