運動量は質量×速度で計算しよう!単位や運動エネルギーとの違いとは?
高校物理における運動量について、スマホでも見やすいイラストを使いながら慶応大学に通う筆者が丁寧に解説します。
物理が苦手な人でも運動量について理解できるぐらい分かりやすく解説しています。
本記事を読めば、運動量とは何か・運動量保存則・運動量と運動エネルギーの違いなどが理解できるでしょう。
最後には運動量の計算問題も用意した充実の内容です。
ぜひ最後まで読んで、運動量をマスターしてください!
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1:運動量とは?運動量の単位もわかる!
まずは運動量とは何かを理解しましょう。
例えば、以下のイラストのようにダンボールを地面に置いて、ボールをダンボールにぶつけることを考えてみましょう。
この時、500gのボールをゆっくりぶつけた場合と、5kgのボールを早いスピードでぶつけた場合を考えてみます。
500gのボールをゆっくりぶつけても、ダンボールは動かないかもしれません。。
しかし、5kgのボールを早いスピードでぶつけるとダンボールはさすがに動きますよね?
以上のように、ダンボールが動くかどうかは物体(ボール)の質量と速度によって決まります。
そこで、質量(mとする)×速度(vとする)という量mvを考えます。運動量とはmvのことを指します。
運動量の単位
運動量の計算方法がわかったところで、次は運動量の単位について学習しましょう。
運動量はm(質量:[kg])とv(速度[m/s])の掛け算でした。
よって、運動量の単位は[kg・m/s]となります。
簡単ですよね?
運動量は質量m×速度vで求められることをしっかり覚えておけば、運動量の単位を忘れてもすぐに導けます。
2:運動量保存則とは?イラストでよくわかる!
運動量を理解した次は、運動量保存則について学習しましょう。
以下のイラストのように一直線上を質量mAの物体が速度VAで運動し、その前方を質量mBの物体Bが速度VBで運動しているとします。
VA >VBであれば、AはBに衝突しますね。衝突すると、AとBは接触し、この間に作用反作用の力を及ぼし合います。
※作用反作用については、作用反作用の法則について解説した記事をお読みください。
そこで、衝突後のA・Bの速度をV‘A・V‘Bとします。
この時、以下の式が成り立ちます。
mAVA + mBVB = mAV‘A + mBV‘B
つまり、衝突によって、個々の物体の運動の運動量が変化しても、それらの運動量の和は変化しないということですね。
この式を運動量保存則と呼んでいます。
運動量保存則についてもっと深く学習したい人は、運動量保存則について詳しく解説した記事をご覧ください。
3:運動量と運動エネルギーの違いについて
運動量とよく間違いやすいのが、運動エネルギーです。
その違いをハッキリしておきましょう!
運動エネルギーとは、「運動している物体が、別の物体に衝突して仕事をすることができる能力」のことです。
質量m[kg]の物体が、速さv[m/s]で移動する時に物体が持つ運動エネルギーK[J]は
K[J] = 1/2・mv2
となります。運動エネルギーは「仕事」なので単位が[J:ジュール]になることに注意してください。
※運動エネルギーを深く学習したい人は、運動エネルギーについて詳しく解説した記事をご覧ください。
運動量と運動エネルギーでは求め方も単位も違います!しっかり違いを理解しておきましょう!
4:運動量の計算問題
最後に、運動量に関する計算問題を用意しました。
ぜひ解いて、運動量とは何が理解できたかを確認してください。
問題
質量5[kg]のボールが、速度43.2km/hで壁に衝突した。
この時の運動量を求めよ。
解答&解説
運動量の求め方は質量[kg]×速度[m/s]でした。
速度は[m/s]であることに注意してください。
なので、「5×43.2」を答えとするのは間違いです!
まずは43.2[km/h]を[m/s]に変化しましょう。
43.2[km] = 43200[m]ですね。
よって43.2[km/h]=43200[m/h]です。
1時間(=60分)で43200m進むので、1分間では
43200 ÷ 60 = 720m
進みます。1分=60秒なので、720mを60秒で割ります。
720 ÷ 60 = 12[m/s]
より、単位を[m/s]に変換できました。
では、運動量を求めましょう。
運動量=質量[kg]×速度[m/s]より、
5×12=60[kg・m/s]・・・(答)
となります。
運動量のまとめ
運動量とは何か・運動量の単位や求め方が理解出来ましたか?
運動量は物理では頻繁に登場するので、しっかり理解しておきましょう。