奨学金とは?奨学金制度や種類について詳しく解説!

受験トピックス 2019.6.7
奨学金とは?奨学金制度や種類について詳しく解説!

みなさん、奨学金制度というものを知っていますか?なんとなく「学費を貸してくれる制度」と認識している人が多いのではないでしょうか。奨学金制度のなかには給付型のものや返済型のもの、利息があるもの無いものなど様々な制度が存在します。この記事では奨学金の定義や種類について詳しく解説していきます!

    1.奨学金ってなに?

    1-1.そもそも奨学金制度とは?

    奨学金制度とは経済的理由で就学が難しいひとに対して奨学金を貸与または給付することによって教育機会を保障するための制度のことを表します。

    4年制大学の場合、各大学で異なりますが卒業するまでにかかる学費は国立大学(文理ともに)で約250万、私立文系で約400万、私立理系で約540万、私立医学部(6年間)の場合は約2,000万を超えると言われています。この学費を支援してくれるのが奨学金制度です。

    もっと詳しく知りたい方は、大学の学費についての記事をご覧下さい。

    日本学生支援機構の学生生活調査(平成28)によると、大学に進学した学生のうち48.9%が奨学金制度を利用しているといいます。奨学金制度は大学生の約半数が利用する一般的な制度なのです。

    現在、奨学金の中には日本学生支援機構や民間団体から貸し出されるもの、株式会社の寄付金を原資とするものなど多種多様な制度が存在しています。

    奨学金について深く理解することは、自分の将来の可能性を広げることにつながるかもしれません。

     

    1-2.返済型奨学金の例

    奨学金制度をあまり知らないまま学習意欲があるにもかかわらず、経済的に厳しいという理由で大学進学を諦めてしまう人も少なくありません。「奨学金といっても借りているだけだから将来返すのが大変なのでしょう?」と思っている方もいるのではないでしょうか。返済の必要がない給付型の奨学金制度もありますが、ここでは返済型奨学金の返済例を紹介していきたいと思います。

    〇月51,000円貸与(4年間)無利子の場合

    貸与総額

    51,000()×48(カ月)=2,448,000()

    13,600円返済すると

    2,448,000()÷13,600()=180()

    180回返済回数、つまり15年間で返済が完了することになります。計画通りに返済を進めていれば37歳前後で完済することができます。

    〇月30,000円貸与(4年間)年利2%の場合

    貸与総額

    30,000()×48(カ月)=1,440,000()

    年利2%返還総額

    1,650,545

    13(156)で返済した場合、月10,580円で完済することができます。計画通りに返済を進めていれば35歳前後で完済することができます。

     

    奨学金返済のイメージはつきましたでしょうか。一般的に10年から20年ほどで完済するものが多いですが、返済の仕方もそれぞれの制度によって異なるためリサーチが必要となります。そして奨学金を貸与した際は計画的な返済が必要となります。

     

      2.奨学金の種類

      先ほど、現在日本には様々な奨学金制度が存在すると述べました。ここではその多種多様の奨学金制度を4つに分けて紹介します。

      2-1.日本学生支援機構(JASSO)

      奨学金制度の代表例として日本学生支援機構(JASSO)が設置する奨学金制度が挙げられます。

      日本学生支援機構の奨学金は大きく分けて無利息の貸与型制度(第一種奨学金)、利息付きの貸与型奨学金制度(第二種奨学金)、給付型の制度が存在します。

       

      〇第一種奨学金

      • 対象
        国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)に在学する学生・生徒。
      • 利息
        無利息。
      • 選考
        あり。(特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人)
      • 貸与額
        学校種別(大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程))、設置者(国立・公立・私立)、入学年度、通学形態(自宅通学・自宅外通学)によって定められる。
      • 返還方式
        定額返還方式(貸与総額に応じて月々の返還額が算出され、返還完了まで定額で返還する制度)、または所得連動返還方式(前年の所得に応じてその年の毎月の返還額が決まる制度)によって返還。

       

      〇第二種奨学金

      • 対象
        国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校(45年生)・専修学校(専門課程)の学生・生徒。
      • 利息
        年(365日あたり)3%を上限とする利息付。なお、在学中は無利息。
      • 選考
        あり。第一種奨学金よりゆるやかな基準によって選考。
      • 貸与額
        大学院においては5種類の貸与月額から、大学・短期大学・高等専門学校(45年生)・専修学校(専門課程)においては11種類の貸与月額から、それぞれ自由に選択可能。
      • 返還方式
        定額返還方式(貸与総額に応じて月々の返還額が算出され、返還完了まで定額で返還する制度)

       

      〇給付型の制度

      • 対象
        住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生(既入学者を含む2020年度の在学生から対象)。
      • 選考
        あり。高校3年生の夏までに本人からの申請が必要。進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学修状況をしっかりと見極められる。高等学校在学時の成績だけで否定的な判断をせず、高校等が、レポートの提出や面談等により本人の学修意欲や進学目的等を確認する。
      • 給付額
        学校種別(大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程))、設置者(国立・公立・私立)、入学年度、通学形態(自宅通学・自宅外通学)、世帯収入などによって定められる。

       

      2-2.大学独自の奨学金制度

      大学独自の奨学金制度は私立大学だけではなく、国立大学にも増えつつある。大学独自の奨学金は対象人数が多いものや、給付額または貸与額が高いもの、入試の成績優秀者に対して授与されるスカラシップ制度などがあります。詳しくは各大学のホームページなどをチェックしましょう。

      受験のミカタには各大学の奨学金について紹介した記事もあります。

       

      2-3.地方自治体の奨学金制度

      奨学金制度の中には地方自治体が設置する制度もあります。地方自治体が設置する制度は貸与型のものが多く、日本学生支援機構の奨学金制度との併用が出来ないこともあるため注意が必要です。自分が住んでいる地域の自治体がどのような奨学金制度を設けているのか調べてみましょう

       

      2-4.その他の奨学金制度

      以上の奨学金制度のほかに保護者が他界してしまった子供向けの支援団体が設置する奨学金制度(あしなが育英会交通遺児育英会)や、民間企業が独自に実施する奨学金制度などがあります。

       

      3.奨学金と教育ローンの違いとは?

      これまで様々な奨学金制度を紹介してきましたが学費を借りる際に利用可能な制度として奨学金制度のほかに、教育ローンというものがあります。

      教育ローンも経済的理由で就学が難しいひとに対してお金を貸与する点では貸与型奨学金制度と何ら変わりはありません。では奨学金と教育ローンにはどのような違いがあるのでしょうか。様々な視点で比較していきます。

       

      • 申請者
        奨学金は貸与して返還するのが子供側であるのに対して、教育ローンは基本的に親が貸与して返還まで行う。
      • 経済面での審査
        奨学金は経済的に進学が厳しい学生が支給対象になるため、経済的な面では教育ローンよりも審査が通りやすい。
      • 申請時期
        奨学金制度は申し込み時期が限定されているものが多いのに対し、教育ローンは基本的にいつでももうしこむことが可能。
      • 金利
        基本的には奨学金制度の方が金利は低い。
      • 受取方法
        奨学金は基本的に月ごとに貸与されるのに対して、教育ローンは一度にまとまったお金を借りることができる。

       

      教育ローンにも国の教育ローン民間の教育ローンの2種類があります。国の教育ローンは金利が低く固定設定されているというメリットがありますが、融資限度額が350万までという制限があります。それに対し、民間の教育ローンは融資限度額が申込者によって異なり、1,000~3,000万円の高額ローンもあります。

      教育ローンは奨学金制度との併用が可能な場合もあります。奨学金制度を利用する際には、自分に合った制度を探しましょう。

       

        4.奨学金のまとめ

        いかがでしたか?今の日本には経済的環境にかかわらず、平等に教育機会を得るための制度が充実しています。自分の進路を決める際には卒業までにかかる学費についても考える必要があります。保護者の方とも話し合って、悔いない進路選択を行いましょう。

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        この記事の執筆者

        ニックネーム:受験のミカタ編集部

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