モル濃度とは?計算・求め方・公式はコレで完璧!質量パーセントとの違いも
高校化学のモル濃度について、化学が苦手な人でもモル濃度が理解できるように現役の早稲田生が解説します。
スマホでも見やすいイラストでモル濃度について丁寧に解説しているので、化学が苦手な人もぜひ読んでください。
本記事を読めば、モル濃度とは何か・質量パーセントとの違い・モル濃度の計算方法や求め方(公式)、モル濃度の単位、質量パーセントへの変換方法が理解できるでしょう。
最後には、モル濃度と質量パーセントを使った応用問題も用意している充実の内容です。
ぜひ最後まで読んで、モル濃度をマスターしてください!
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【目次】
1:モル濃度とは?質量パーセントとの違いもわかる!
まずは、モル濃度とは何かについて解説します。よくある疑問の「質量パーセントとの違い」も理解しておきましょう!
モル濃度とは、溶液1Lあたりに、どれだけの溶質[mol]が含まれているか?を示したものです。
モル濃度は、その名の通り溶質がどれだけ含まれているかを[mol:モル]で考えます。
質量パーセントとの違いって?
質量パーセントとは、私たちが普段よく目にする濃度の表し方です。
例えば、水(溶液)100gの中に、食塩(溶質)が30g含まれていたとすれば、濃度は30%と言いますよね?
つまり、質量パーセントとは溶液の質量[g]に対して、どれだけの溶質[g]が含まれているか?を示したものです。
モル濃度は溶質を[mol:モル]で考えていたのに対して、質量パーセントは溶質を[g:グラム]で考えるのです。
モル濃度とは何か・質量パーセントとの違いの解説は以上です。
次の章からは、実際にモル濃度を計算してみましょう!
2:モル濃度の計算方法・求め方(公式)と単位
モル濃度とは、先ほど解説した通り、「溶液1Lあたりに、どれだけの溶質[mol]が含まれているか?を示したもの」です。
したがって、モル濃度の公式は、
溶質の物質量[mol] / 溶液の体積[L]
となります。
では、実際に例題を使って、モル濃度を計算してみます。
例題
20gの水酸化ナトリウムNaOHを水に溶かして2Lとした時の水酸化ナトリウム水溶液のモル濃度を計算せよ。
ただし、原子量は以下とする。
Na=23、O=16、H=1
※原子量とは何か忘れてしまった人は、原子量について解説した記事をご覧ください。
(以下に解答と解説)
解答&解説
まずは水酸化ナトリウムNaOHの分子量を求めます。
NaOHの分子量は
23 + 16 + 1 = 40
ですね。
つまり、水酸化ナトリウムNaOHを1mol集めると、40gになるということです。
今回は水酸化ナトリウムNaOHが20gなので、0.5molとなります。
溶質の物質量[mol] / 溶液の体積[L]
で計算できるので、
求めるモル濃度は
0.5[mol] / 2[L]
= 0.25[mol/L]・・・(答)
となります。
モル濃度は、溶質の物質量[mol] / 溶液の体積[L]で計算できるので単位は[mol/L]となります。
3:モル濃度から質量パーセントへの変換方法
高校化学の問題では、密度が与えられて、「モル濃度からパーセント質量へ変換せよ」という問題がよく出題されます。
苦手とする生徒が多いので、ぜひできるようになっておきましょう!
例題
モル濃度が1.4[mol/L]の水酸化ナトリウム水溶液の質量パーセントを求めよ。
ただし、水酸化ナトリウム水溶液の密度を1.4[g/cm3]、NaOHの分子量を40とする。
(以下に解答と解説)
解答&解説
まずは、1.4[mol/L]の水酸化ナトリウム水溶液には、何molの水酸化ナトリウムNaOHが溶けているか?を考えます。
問題では、水酸化ナトリウム水溶液の体積が与えられていませんが、このような場合は勝手に1Lの水溶液を仮定します。
水酸化ナトリウム1Lには1.4molの水酸化ナトリウムNaOHが溶けています。
NaOHの分子量が40ということは、NaOHを1mol集めれば40gになるということです。
よって、NaOHは1.4mol集めれば、
40 × 1.4 = 56[g]・・・①
ここで、与えられた密度を使います。1L=1000cm3ですね。
水酸化ナトリウム水溶液の密度は1.4[g/cm3]とのことなので、水酸化ナトリウム1Lの質量は
1.4[g/cm3] × 1000[cm3]
= 1400[g]・・・②
となります。
①と②より、水酸化ナトリウム水溶液1Lを仮定した時の水酸化ナトリウムNaOHの質量と水酸化ナトリウム水溶液の質量が計算できました。
よって、求める質量パーセントは、
56[g] / 1400[g] × 100
= 4[%]・・・(答)
となります。
いかがでしたか?
モル濃度から質量パーセントへの変換問題では、「水溶液の体積を勝手に1Lと仮定すること」がポイントとなります。
高校化学では頻出の問題なので、できるようにしておきましょう!
4:【応用】モル濃度と質量パーセントを使った計算問題
最後に、モル濃度と質量パーセントを使った計算問題を用意しました。
少し難しい応用問題ですが、高校化学でも頻出の問題の1つなので、ぜひ解いてみてください。
もちろん、丁寧な解答&解説付きです。
応用問題
4%の希塩酸HClを20L(密度1g/cm3)作りたい。この時、12mol/Lの濃塩酸HClが何L必要か求めよ。
ただし、HClの分子量は36.5とする。
(以下に解答と解説)
解答&解説
まずは、希塩酸HCl 20Lは、何gなのかを計算します。
20L=20000[cm3]ですね。
密度が1[g/cm3]なので、
20000 ×1
= 20000[g]
となります。ここで問題文より、希塩酸HClの濃度は4パーセントなので、
希塩酸HClに含まれる溶質HClの質量は
20000[g] × 4%
= 20000[g] × 4/100
= 800[g]
です。
問題文より、HClの分子量は36.5なので、HClを1mol集めると36.5[g]になります。
では、HClを800[g]集めると、800 / 36.5[mol]になりますね。
12 × P = 800 / 36.5
より、
P = 1.82[L]・・・(答)
となります。
モル濃度のまとめ
モル濃度が理解できましたか?
本記事では、質量パーセントへの変化方法や応用問題も紹介しました。
モル濃度は高校化学ではこれからもたくさん登場するので、しっかり理解しておきましょう!
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