現在完了進行形とは?現在完了形との違いは?

英語 2020.7.22

中学3年生で登場した「現在完了形」、覚えていますか?そうです。【have + 過去分詞】の、あの文法です。

受動態の時に必死に覚えた不規則動詞の変化表が、「覚えていてよかった!無駄じゃなかった!」と身にしみて感じる人も少なくなかったのではないでしょうか?

現在完了形に自信のない方はこちらで確認してみましょう!

1.現在完了進行形はズバリ、こういうこと!

さて、「現在完了進行形」のお話です。まずは下のイラストを見てください。

「現在完了進行形」は、「ずっと〜し続けている」という、『過去のある時点から現在まで動作が続いている』ことを表現しています。

例文) I have been studying English since this morning.

【私は今朝からずっと英語を勉強しています】

基本文は【 have [ has ] + been + 動詞のing形 〜】です。

現在完了は【have + 過去分詞】、進行形は【be動詞 + 〜ing】です。

この2つの特徴の合体版となるわけです。

進行形の【be動詞】の過去分詞が【been】なので、【have + been + 動詞のing形】という形ができます。

先にも述べたように、現在完了進行形は「動作が続いている」様子を表す文法ですので、ここで使われる動詞は「動作動詞」です。

その動作が今も継続し、これからも続く様子を強調する時、現在完了進行形を使います。

例)[妻は一日中ずっと買い物をしている。]

My wife has been shopping all day.

まだ終わる様子が見られない奥さんのお買い物。それに対する旦那さんの「うんざり感」、伝わりますか?

話者のこのような感情を乗せやすいのも、この文法の特徴と言えます。

2.現在完了進行形に使えない動詞があるって本当?

既に述べたように、現在完了進行形は「動作の連続」を表すので、「動作動詞」が使われます。

現在進行形と同様、状態を表す「状態動詞」は基本的には使うことができません。

2-1.「動作動詞」と「状態動詞」

「動作動詞」には、どのようなものがあるでしょうか。

上記のようにシンプルに動きを表す動詞が「動作動詞」です。「見て分かる動き」ということですね。

では、「状態動詞」はどうでしょう。同じように例を挙げます。

このように、動きが目に見えない動詞を「状態動詞」といいます。「状態動詞」が進行形にできない理由を、下の例文を使って説明します。

例文 1) I like dogs.
「私は犬が好きです。」

例文 2)  I am liking dogs now.
「私は今、犬を好いています」

一目瞭然だとは思いますが、あえて皆さんにお尋ねします。

ズバリ、違和感のある文はどっちでしょうか?…そうです。

例文2の 【 I am liking dogs now. 】です。

「今、まさに好きになりつつある」的なニュアンスとしては「有り」なのですが、皆さんご存知の通り、進行形は「動作の継続・未完」を表すので、例文2の状況は極めて不自然ということになります。

実は状態動詞の中にも、場合によっては進行形にできるものもありますが、ここではあえて触れずに進みます。

2-2.「動作動詞」と「状態動詞」はどうやって見分ける?

無数にある「動詞」から、動作動詞と状態動詞をどのようにして見分けるのでしょうか。

ざっくり言うと、すぐに「止められる」か「止められない」かです。

【 like 】は感情や感覚ですので、今すぐにその気持を止めるということはできません。

ものすご〜く気分屋さんで、一瞬一瞬で感情がコロコロ変わる方もまれにいますが、ここは一般的な認識で読み進めてもらえるとありがたいです(笑)。

そしてもう一つの特徴は、「その動きを繰り返せるかどうか」です。

【 eat 】(食べる)は、「食べる→やめる→食べる→やめる」を繰り返すことができるので「動作動詞」となります。

それと比べて、【 like 】(好む)はどうでしょう。「好き→やめる→好き→やめる」を瞬時に切り換えて繰り返すことはできません。

だから、「状態動詞」というわけです。

3.現在完了形との違いは?例文で解説!

「(ずっと)〜している」と聞くと浮かぶのは、やはり現在完了形ではないでしょうか。

現在完了進行形との違いは何でしょう?次の日本文を見て、それぞれ英文に書き換えてみましょう。

例文1) 雪が昨日から降っています。

例文2) 雪が昨日からずっと降り続いています。

どちらも日本語だと、「昨日から雪が降っている」ことを表していますが、訳し方によって時制に違いがあるのが分かりますか?

例文1)【現在完了形】[雪が昨日から降っています ]

It has snowed since yesterday.

→ 昨日から降り出したが、今も降っているのか(継続)、もう止んでいるのか(完了)は不明。

例文2)【現在完了進行形】[ 雪が昨日からずっと降り続いています ]

It has been snowing since yesterday.

→昨日から降り出したが、まだまだ継続して降り続けそうな様

こうして「時制」の違いにフォーカスしてみると、細かなニュアンスに気付き、英語での表現がより豊かになっていきます。

現在完了形は多くの場合、今はもう終了していることを表す場合に使われます。

現在完了進行形は、現在までに終了していないことを表すときに使われます。

その時制の違いに注目すれば、使い分けは簡単です。

では、これまで学んだことに注意しながら、次の問題を解いてみましょう。

 

現在完了形・現在完了進行形の問題

(1)~(6)の文には、現在完了形と現在完了進行形のどちらが適切でしょうか?

(1)How long have you ( learned / been learning ) the clarinet?

(2)Hey look, I have just ( bought / been buying ) this T-shirt. It’s cool isn’t it?

(3)Tim has ( broken / been breaking ) his leg.

(4)He hasn’t ( told / been telling ) me his secret.

(5)I have ( worked / been working ) all day.

(6)How long have you ( read / been reading ) this book?

では1つずつ解答と解説を和訳とともに入れていきたいと思います。

 

 

(1)How long have you ( learned / been learning ) the clarinet?
あなたはどのくらいの期間クラリネットを習っているのですか。

→これからも続く様子が感じられるので、現在完了進行形( been learning )が正解です。

 

(2)Hey look, I have just ( bought / been buying ) this T-shirt. It’s cool isn’t it?
ねぇ見て。私このTシャツ買ったの。イケてるでしょ?

→”This T-shirt”を買い続けることはできないので、現在完了形( bought )で表現します。

 

(3)Tim has ( broken / been breaking ) his leg.
ティムは足を骨折しました。

→②と同様、足が折れ続けるというホラーな展開は無いので、現在完了形( broken )です!

 

(4)He hasn’t ( told / been telling ) me his secret.
彼は私に彼の秘密を教えてくれていません。

→今の時点で話していないことが確定しているので、現在完了形(told)で表します。

 

(5)I have ( worked / been working ) all day.
私は一日中働き続けてるんだ。

→誰かに責められているのでしょうか。「勘弁してくれ」と言わんばかりの感情を乗せたボヤキが伝わります。

仕事が続く様子、動作が継続していく様子がよく伝わるので現在完了進行形( been working)です。

 

(6)How long have you ( read / been reading ) this book?
キミはこの本、どれくらいの期間読んでいるの?

→おそらく読んでいる途中の相手を見つけて聞いてみたのでしょう。そのような情景が目に浮かびます。

動作が完結していないので、現在完了進行形 ( been reading )が正解です。

このように、動作の継続に注目して問題を解くと現在完了形と現在完了進行形の違いをより理解できると思います。

4.現在完了進行形 まとめ

ここまで「現在完了進行形」について学んできましたが、いかがでしたか?

中学校で習った現在完了形を含めて、しっかり理解できましたか?以下にまとめるので、学習の参考にしてください。

 

  • 過去のある時点から今、そしてその後も続く、躍動感ある動作の連続を表現している。
  • 「動作動詞」を用いて表現する
  • 「動作動詞」と「状態動詞」の違いは「止められるか止められないか」
  • 「現在完了進行形」と「現在完了形」の違いは「時制」である

 

以上が、現在完了進行形の「コア」となる概念です。

一見複雑にも見えるのですが、中学校で学んだ「現在進行形」と「現在完了形」といった基礎中の基礎の文法をしっかりマスターし、コアの部分を理解していれば、そこまで難しい問題ではありません。

同じ問題でも構いませんので、何度も解いて問題に慣れていきましょう。

完了形のコンビネーションはまだまだありますが、焦らずゆっくり学んで行きましょう。

 

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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