関係副詞とは?関係代名詞との違いもわかりやすく解説!
英語が苦手な人にとって関係副詞とは難問です。
さらに、関係代名詞との見分け方や、非制限用法も難しいですよね。
今回は、そんな関係副詞(where, when, why, how, that)について、現役の国立大生が、できる限り分かりやすく丁寧に解説します。
※関係代名詞について復習したい人は、関係代名詞について解説した記事をどうぞ!
1.そもそも、関係副詞とは?
関係副詞とは、一言でいうと、「あるモノについて言った後に、そのモノについての説明をくっつけるための接着剤、副詞バージョン」です。
「副詞バージョン」と書いたのは、「代名詞バージョン」として「関係代名詞」があるからです。
※関係代名詞についてしっかり復習したい!という方は、関係代名詞について解説した記事をご覧ください。
関係副詞として使われる単語はたったの5つで、where, when, why, how そして that だけです。
というわけで、次の章から、関係副詞の文とは一体どんな文なのか、例文を使って見ていきましょう!
きちんと理解すれば問題もラクラク解けるようになるので、ぜひ最後まで読んで、英語を得意にしてくださいね!
2.4つの関係副詞(where, when, why, how)
英語で関係副詞が使われる状況には4種類あり、それぞれの状況でどの関係副詞なのかが決まります。
このなかで、thatはどの状況でも関係副詞の代わりとして使うことができます。
(※あとで詳しく説明しますが、関係副詞where の代わりとして使う時には少し条件があります。)
いわば、トランプの7並べやダウトで他のカードの代わりに使えるジョーカーのようなものです。
しかし、いつでも使えるために、入試やテストで出題されることはほとんどありません。(選択肢にthatが入っている瞬間に正解だと分かるため)
そのため、関係副詞では where, when, why, how についてしっかりと押さえておく必要があります。
それでは、that 以外の4つ(where, when, why, how)について、順番に見ていきましょう。
2-1.関係副詞のwhere
関係副詞のwhere は、「場所」を表すときに使われます。
つまり where は、「場所についての説明をくっつけるための接着剤、副詞バージョン」というわけです。
主語①+動詞①+~~場所+【where】+主語②+自動詞②+~~
関係副詞が「接着剤」というのは、↑のように、2つの文をつなげているように見えるからです。
しかし実際は、「主語①+動詞①+~~場所」の文①に出てくる「場所」についての説明をくっつけていると考えたほうが分かりやすいです。
というふうに、前の文で出てきた「公園」には「ハトがいっぱい住んでいる」という説明を、【関係副詞where】を使ってくっつけているのです。
この文の「公園」のように、where 以下の文が表す場所と同じものを指している言葉を「先行詞」といいます。
基本的に、先行詞は関係副詞の直前にあります。
つまり、関係副詞where が場所について表すということは、関係副詞where の先行詞は場所に関する言葉だということです。
この「先行詞」が関係副詞と同じものを指すとき、関係副詞は文と文の接着剤になります。
上の図の「2文バージョン」では、関係副詞を使っていないので、「①と②の文は同じ公園の話をしているんだよ」ということを表すために「そこでは」=there を②の文の最後にくっつけているけど、「関係副詞バージョン」では「a park」=「where 以下の文が示している場所」と分かるから、there を使いません。
これが、「関係副詞の where は文の中の there を表す」と言われている意味です。
また、関係副詞where の先行詞は、実際の「場所」だけでなく、抽象的な意味での「場所」も含みます。
ちなみに先ほども言った通り、関係副詞 where は that と置き換えることもできます。
ただし、関係副詞where が that に置き換えられるのは、先行詞が the place, somewhere, anywhere, nowhere, everywhere などのとき以外は、あまり見られません。
2-2.関係副詞のwhen
関係副詞の when は、「時」を表すときに使われます。
つまり when の先行詞には、「時」を表す言葉が来るというわけです。
関係副詞whenでは、このように、先行詞と関係副詞が離れている場合もあります。
ちなみに、この関係副詞 when は that と置き換えることもできます。
2-3.関係副詞のwhy
関係副詞whyの先行詞は a reason か the reason だけです。
ちなみに、次のような例もありますが、落ち着いて解けばすぐ分かります。
上の文には2つの「that」がありますが、1つ目の that は関係副詞why の代わりとして使われていて、2つ目の that は名詞節を導くためのもので、「~ということ」という意味です。
口語では、2つ目の that を because に変えることもあります。
関係副詞why は、先行詞が the reason のときなら、that で代用できます。
2-4.関係副詞のhow
関係副詞how の先行詞は「方法」という意味の the way だけです。
しかし、この場合は、関係副詞how または先行詞the way のどちらかが必ず省略されます。
また、どうしても先行詞the way の後に関係詞を置きたい場合は、that または in which を使うことに注意が必要です。
この which は関係代名詞です。
どうして which の前に in が付いているのかは、5.関係副詞と関係代名詞の見分け方で詳しく説明しますが、関係副詞は助動詞+関係代名詞で書き換えられるからです。
3.関係副詞・先行詞の省略
上の関係副詞how の説明の中で、関係副詞やその先行詞が省略される例について書きましたが、他にも、関係副詞や先行詞が省略されるケースがあります。
※ケースと言えば、case が先行詞のとき関係副詞は where ですよ!
関係副詞の省略
関係副詞の省略は主に、くだけた口語的な言い方で起こります。
また、関係副詞の省略が起こるのは、先行詞の直後に関係副詞があるときです。
※関係副詞how はもともとthe way と how どちらかしか使えないため、図には入れていません。
※「関係副詞where の省略はできなくて、関係代名詞that の省略だ」と考える説もあります。
先行詞の省略
関係副詞の先行詞も省略される場合があります。
先行詞が省略されるのは、先行詞が無くても意味が通じるような場合です。
たとえば、the place where というとき、the place が無くても where だけで「場所」を表していることが分かりますよね。
そのため、the place, the time, the reason などが先行詞のときは、先行詞が省略されることがあります。
関係副詞how と、その先行詞the way を一緒に使うことができないのも、how の先行詞は the way しかないので、どちらかだけで意味が通じてしまうということが理由です。
4.関係副詞の制限用法と非制限用法とは?
関係副詞の when と where には、非制限用法という使い方があります。
この非制限用法に対して、1~3章で見たような関係副詞の使い方を、制限用法と言うこともあります。
非制限用法とは、一言でいうと、先行詞の特徴をそのまま説明するような関係副詞の使い方です。
どういうことか、例文と図を使って説明します。
いままで見てきたような制限用法では、先行詞だけではたくさんのものが当てはまってしまいどれについて言いたいのか分からないため、関係副詞以下の文で条件付けをし、どの park について言いたいのかを絞り込んでいます。
これが、先行詞が表すたくさんのものに制限をかけて絞り込む=制限用法です。
一方、非制限用法では、先行詞は関係副詞以下の文が表すものと完全一致します。
そのため、制限用法では先行詞が the place など漠然としたものなのに対し、非制限用法では先行詞が具体的な場所の名前や時刻などであることが多いです。
つまり、これ以上、先行詞を制限する必要がないので、「非制限」用法というわけです。
非制限用法では、先行詞と関係副詞の間に ,(コンマ)が置かれます。
訳しかたは、非制限用法のwhere → and there, 非制限用法のwhen → and then と考えると分かりやすいです。
非制限用法は、日本語訳の問題として出やすいので、どのように訳すのかをしっかりと覚えてください。
5.関係副詞と関係代名詞の見分け方
それでは最後に、英語の関係副詞と関係代名詞の違いについて解説します。
関係副詞と関係代名詞を見分けるための条件は、ずばり「最後の動詞が自動詞か他動詞か」です。
関係副詞と関係代名詞の違い
ここで、関係副詞と関係代名詞について軽くおさらいします。
関係副詞は「there, then」などで表される文②を、もう1つの文①にくっつけるための接着剤として働いています。
つまり、関係副詞は副詞で表される内容を表しながら、2つの文を繋げているということですね。
一方、関係代名詞は、「that, it, he, she, his○○, her○○, its○○・・・」などで表現される文②を、もう1つの文①にくっつけるための接着剤です。
関係代名詞には主格、目的格、所有格がありますが、それぞれ、主語、目的語、所有(my○○や his○○など)を表しながら、2つの文を繋げています。
関係副詞と関係代名詞の見分け方
関係副詞と関係代名詞の違いが分かりにくくなるのは、次のような場合です。
この記事をここまで読んだ人は、先行詞がどちらも「場所」なので、( )の中にはどちらも関係副詞where が入ると思ってしまうかもしれません。
しかし、この2つの問題のうち、片方には関係代名詞which が入ります。
このような問題が出た時は、関係副詞or関係代名詞の後にある動詞に注目しましょう。
そして、これらの文を関係副詞or関係代名詞を使わずに、2文で書くとどうなるのかを考えます。
ここで、(1)の文では「Kyoto」は visit の目的語になっているため、目的格の関係代名詞which を使うことになります。
どうして「I visited there」と書けないのかというと、「visit」が他動詞だからです。
このように、visit を「場所を訪れる」という意味で使う時は、必ず他動詞であることが分かります。
他動詞とは、「~を○○する」というように、すぐ後にくる名詞に働きかける性質の動詞のことです。
この、他動詞の後には、名詞しか来ることが出来ません。
つまり、「visit Japan」ということはあっても、「visit there」ということはないのです。(※ there は副詞だから)
※例えば、「Do you know anywhere to visit there?」という文では visit の後に there があるように見えますが、「そこを訪れる」という意味ではなく、「そこで、どこか訪れるべき場所を知っていますか?」という意味です。
この文でも、本来なら「visit somewhere」(文中では疑問形なのでanywhere)となり、 visit は他動詞として働いていることが分かります。
一方で、(2)では、go が自動詞なので、「go there」になっています。
もし問題文の( )の中に2単語入れてもいいのなら、図のように「go to the city → to which」という風に、助動詞+関係代名詞which を使うこともできます。
英単語が自動詞なのか、他動詞なのかを覚えるには、こまめに辞書や単語帳でチェックしたり、「visit Japan」「make a cake」など音読をしてリズムで覚えたりすると効果的です。
6.まとめ
いかがでしたか?
関係副詞は、はじめは難しくも感じますが、落ち着いて考えれば理解できる内容です。
ぜひ、英語を得点源にしてくださいね!