現在完了形(継続)と現在完了進行形の違いは?状態・動作に注目
「現在完了の継続用法と現在完了進行形の違いが分からない」「どうやって区別したらいいの?」と、困惑している方も多いでしょう。
現在完了の継続用法と現在完了進行形は、いずれも「継続して~している」という意味を持っています。しかし、両者には「何が継続しているのか」という明確な違いがあり、その違いを一度理解してしまえば、簡単に区別できるようになります。
そこでこの記事では、現在完了形(継続)と現在完了進行形の用法の違いや使い分けの方法について詳しく解説します。本記事を読み、現在完了形の用法に関する不明点を解消しましょう。
・現在完了形(継続)と現在完了進行形の違いが分かる
・現在完了形(継続)と現在完了進行形を区別する方法が分かる
・否定形や疑問形の文法が分かる
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【目次】
1.現在完了形と現在完了進行形の違いは「何が継続しているか」
1-1.現在完了形(継続):「状態」の継続を表す
1-2.現在完了進行形:「動作」の継続を表す
2.現在完了形と現在完了進行形を一目で見分けるには
2-1.その行動を5秒以内にやめられない場合:現在完了形
2-2.動詞を進行形にできる場合:現在完了進行形
3.現在完了形と現在完了進行形の文法表現の違い
3-1.否定文の表し方
3-2.疑問文の表し方
4.現在完了形・現在完了進行形を見分ける練習問題
5.まとめ
現在完了形と現在完了進行形の違いは「何が継続しているか」
現在完了形(継続)と現在完了進行形は、いずれも過去から現在まで何かが継続していることを意味する点では同じです。しかし、両者には「何が継続しているか」という点に違いがあります。具体的には、現在完了形が「状態」の継続を、現在完了進行形が「動作」の継続を示します。
両者の違いをきちんと理解するためには、上記の「状態」と「動作」が具体的に何を意味するのかを知ることが大切です。そこで、まずは状態と動作の概要を解説したあと、それぞれの動詞を使った英語の例文を紹介します。
現在完了形(継続):「状態」の継続を表す
現在完了形(継続)は、ある状態が過去から現在まで続いていることを示す文法です。特定の動作ではなく「存在している」や「持っている」といった状態が続いていることを表します。このような状態を示す動詞を「状態動詞」といいます。
状態動詞は、持続する状態を表すほか、心理や認識を表現するものが該当します。以下は、代表的な状態動詞です。
持続する状態:
- be(~にある、~である)
- have(~持っている)
心理:
- love(~を愛する)
- hope(~を望む)
認識:
- hear(聞こえる)
- know(~を知っている)
- understand(~を理解する)
次は、実際の例文を見てみましょう。
訳)彼は先週からずっと具合が悪いです。
上記の例文では持続する状態を表す状態動詞「be」を使って、具合が悪い状態が続いていることを現在完了形(継続)を用いて表現しています。
訳)私は彼を5年間知っています。
上記の例文では認識を表す状態動詞「know」を使って、知っているという認識が5年間継続していることを現在完了形の継続用法で伝えています。
現在完了進行形:「動作」の継続を表す
現在完了進行形は、特定の動作が過去から現在まで続いていることを示します。現在完了進行形では動作動詞が使用され、動作が現在も続いていることを強調します。よく使われる動作動詞は、以下のとおりです。
- study(~を勉強する)
- watch(~を見る)
- play(遊ぶ)
- walk(歩く)
- run(走る)
- eat(~を食べる)
実際の例文を見てみましょう。
訳)私は2時間ずっとサッカーをしています。
上記の例文では「play」という動作が2時間続いていることを説明しています。
訳)昨晩から雨が降り続いています。
上記の例文は「rain」という動作が昨晩からずっと続けていることを伝えています。なお、動作と聞くと「遊ぶ」や「歩く」といった具体的な行動をイメージする人も多いでしょうが「rain」も動作動詞の一つであるため、注意が必要です。
心理や認識などを表す状態動詞とは異なり、動作動詞は目に見える動作や変化を表す品詞だと理解するとよいでしょう。
また、先ほど状態動詞の例として「have(~持っている)」を挙げましたが、「have」は「食べる」という意味を持つ動作動詞でもあります。そのため、「have」は意味によって、状態動詞なのか、動作動詞なのか、動詞の種類が変わることに注意が必要です。
現在完了形と現在完了進行形を一目で見分けるには
現在完了形と現在完了進行形を一目で見分けるには、文章中で使用されている動詞を以下2つの観点で考えることが必要です。
- 動詞が示す行動を5秒以内にやめられるかどうか
- 動詞を進行形にできるかどうか
動詞が示す行動を5秒以内にやめられない場合、使われている文法は現在完了形だと判断できます。一方、文章中で使用されている動詞を進行形にできる場合、用法は現在完了進行形だと考えられます。なぜこのように考えられるのかを解説します。
その行動を5秒以内にやめられない場合:現在完了形
動詞が示す行動を5秒以内にやめられない場合、用法が現在完了形だと判断できる理由は、使われている動詞が状態動詞だと判断できるためです。
一例として、状態動詞である「know(知っている)」について考えてみましょう。知っているという状態は、自分の意志で制御できないため、5秒以内に忘れることは不可能です。そのため、過去から現在までの継続を示す際は、前述の「動作」ではなく「状態」の継続を意味することになります。
訳)私は彼女を10年間知っています。
したがって、上記の英語例文のように、使用すべき文法は現在完了形(継続)だと判断できます。
一方、動作動詞「eat(〜を食べる)」についても考えてみましょう。食べるという行為は、自分の意志で制御できるため、5秒以内にやめられます。つまり、認識や心理といった状態ではなく、特定の動作であると判断できるため、現在完了進行形が適していると判断できます。
訳)私は30分間昼食を食べています。
状態動詞は継続的な状態や認識などを表し、5秒以内にやめられない一方、動作動詞は5秒以内にやめられる行動を表します。2つの違いを理解することで、文中の動詞が状態動詞であれば現在完了形(継続)を、動作動詞であれば現在完了進行形を使えばよいと判断できるようになります。
動詞を進行形にできる場合:現在完了進行形
動詞を進行形にできる場合は現在完了進行形だと判断できる理由は、現在完了形(継続)で用いられる状態動詞は進行形「~ing」の用法で使用できないためです。
たとえば「watch(~を見る)」は「watching」と進行形にできますが「like(好き)」は「liking」と進行形にできません。そのため、watchは動作動詞、likeは状態動詞だと判断できます。動作と状態のどちらが継続しているのかを判断できれば、現在完了形(継続)なのか、現在完了進行形なのかを見極めることが可能です。
しかし「動詞を進行形にできるかどうかはどうやって判断したらいいの?」と悩んでしまう人もいるでしょう。動詞を進行形にできるかどうかは、その動詞をジェスチャーで明確に表現できるかどうかで判断できます。
たとえば「playing soccer(サッカーをしている)」は、ボールを蹴るジェスチャーで表現できますが、状態動詞である「knowing(知っている)」や「believing(信じている)」などは、ジェスチャーで表現することは難しいです。このように、動作動詞は目に見える具体的な動作を伴うため、進行形にしやすい特徴があります。
現在完了形と現在完了進行形の文法表現の違い
現在完了形と現在完了進行形の違いを理解したところで、次は両者の文法表現の違いについて学びましょう。いずれも現在完了形の「have」を使用するため、英文が似通ってしまいます。そのため、使用する際は間違えないように注意しなければなりません。
ここからは、それぞれの否定形と疑問形の表し方を解説します。文法表現では、どの点に違いがあるのかを理解するのに役立ててください。
否定文の表し方
まずは、現在完了形と現在完了進行形の否定文の表し方について説明します。まず、現在完了形の否定文は「主語 + have(has) not + 過去分詞」という形で表現されます。実際の例文を見てみましょう。
訳)私は寿司を食べたことがありません。
上記の例文のようにhaveの直後にnotを挿入します。なお、主語が三人称単数の場合は、haveをhasにしなければならないため、注意しましょう。
一方、現在完了進行形の否定文は「主語+ have(has)not been + 現在分詞ing」の形を取ります。こちらも例文を見てみましょう。
訳)私は朝から何も食べていません。
このように、基本的には現在完了形と同じ形を取ります。しかし、notのあとにbeenが必要になる点には、注意が必要です。
なお、現在完了形進行形でなくても意味が通じる場合は、現在完了形の否定文に直すことも検討してみましょう。たとえば、以下の場合などです。
訳)私は2時間ずっと英語を勉強しています。
上記の例文では「勉強する」という動作を2時間継続していることを強調しています。しかし、動作の継続ではなく動作が一度も行われていないことなど、ほかのことを強調したい場合は現在完了形の否定文が適しています。
訳)私は先週から英語を勉強していません。
上記の例文では、先週という過去のある時点から現在まで、勉強という動作が一度も行われていないことを強調しています。このように、否定文の作り方を理解することで、より正確な英語表現が可能となります。
疑問文の表し方
続いて、現在完了形と現在完了進行形の疑問文の表し方について説明します。
現在完了形の疑問文は「Have(Has) + 主語 + 過去分詞 〜?」という形を取ります。実際の例文を見てみましょう。
訳)宿題を終えましたか?
上記の例文のように、haveを文頭に置いたあと、主語と過去分詞を続けます。
それに対して、現在完了進行形の疑問文は「Have(Has) + 主語 + been + 現在分詞ing 〜?」という形で表現されます。こちらも実際の例文を見てみましょう。
訳)彼女は朝から勉強し続けていますか?
現在完了形と同様、hasを文頭に置いて、そのあとに主語、been、現在分詞ingを続けます。
なお、現在完了形・現在完了進行形の疑問文に対する答え方は、以下の2通りです。
「はい」の場合:Yes, + 主語 + have
「いいえ」の場合:No, + 主語 + have not
したがって、上記の例文に対する答え方は、次のようになります。
-Yes, I have. / No, I have not.
-Yes, she has. / No, she has not.
現在完了進行形の疑問文であっても「Yes, she has been.」のようにbeenは入らないため、回答する際は注意が必要です。
現在完了形・現在完了進行形を見分ける練習問題
現在完了形と現在完了進行形を見分けるための練習問題を5問用意しました。それぞれの問題で、適切な動詞の形を選んでください。
①She ( ) in this city for ten years.
- lives
- lived
- has lived
- has been living
➁I ( ) my current job since last year.
- do
- did
- have done
- have been doing
③He ( ) his homework for two hours.
- does
- did
- has done
- has been doing
④We ( ) each other since high school.
- have known
- have been knowing
- know
- knew
⑤They ( ) at the project all night.
- work
- worked
- have worked
- have been working
正解と解説
①正解:3. has lived
解説:「彼女はこの町に10年間住んでいる」という状態の継続を表すため、現在完了形の「has lived」が正解です。
➁正解:4. have been doing
解説:「昨年から現在までその仕事をし続けている」という動作の継続を表すため、現在完了進行形の「have been doing」が正しいと判断できます。
③正解:4. has been doing
解説:「彼は2時間宿題をし続けている」という動作の継続を表すため、現在完了進行形の「has been doing」が適切です。
④正解:1. have known
解説:「高校時代から現在までお互いを知っている」という状態の継続を表すため、現在完了形の「have known」が正答であると理解できます。
⑤正解:4. have been working
解説:「彼らは一晩中プロジェクトに取り組み続けている」という動作の継続を表すため、現在完了進行形の「have been working」が最適です。
まとめ
現在完了形(継続)と現在完了進行形は、いずれも過去から現在まで続いている状態や動作を表します。しかし、継続しているものや使われる動詞が異なります。
現在完了形は「状態」の継続を示し「know」や「be」などの状態動詞が使われます。一方、現在完了進行形は「動作」の継続を示し「play」や「study」などの動作動詞が使われます。
見分ける際は、動詞が示す行動を5秒以内にやめられるかどうか、動詞を進行形にできるかどうかがカギとなります。現在完了形(継続)と現在完了進行形の違いを理解することで、より正確な英語表現ができるようになるでしょう。
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