英語の大過去とは過去のさらに過去!例文を用いて分かりやすく解説

英語 2024.9.4

学校の授業で現在完了形や過去完了形については理解できたものの、大過去との違いがよくわからない」人も多いでしょう。特に「過去完了と大過去は文法構造が似通っている」ため、混同してしまう人は少なくありません。

そこでこの記事では、大過去の意味や用法のほか、混同しがちな過去完了形や仮定法過去完了形との違いをわかりやすく解説します。練習問題も準備していますので、本記事を大過去の理解を深めるために役立ててください。

この記事で分かること
・大過去の意味と用法
・大過去と過去完了・仮定法過去完了との違い
・大過去を使った問題の解き方

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大過去とは?

大過去とは、過去のある時点よりさらに前に起こった出来事を表す時制です。過去完了形と同じ

く、大過去は「had」に過去分詞を組み合わせた形で表されます。
「文章だけの説明だとよくわからない」と感じている人もいるでしょう。

そこで、ここからは大過去の意味と用法について、例文を交えながら詳しく解説します。

意味:過去のさらに過去を表す

先ほどの解説どおり、英語の大過去は、過去のある時点よりさらに過去に遡った時点の出来事を表現する文法です。たとえば「彼が駅に到着したとき、列車はすでに発車していた」といった状況を伝える際、過去完了形と同じ文法構造を持つ大過去が用いられます。

上記の例では、彼が駅に着いた過去の時点と、その前に発生した列車の発車というさらに前の出来事が区別できるように大過去が使われています。

このように、大過去を使うと過去の出来事の前後関係が明確になり、出来事の順序や背景を正確に伝えることが可能です。

用法:「had+過去分詞」で表す

大過去は、過去完了形と同じく「had+過去分詞」で表されます。ただし、大過去と過去完了形は、意味が異なる点に注意が必要です。ここからは、実際の例文を通じて大過去の使い方や意味を確認していきましょう。

大過去の例文

さっそく、以下の例文をもとに大過去の使い方や意味を確認しましょう。

When he arrived, the movie had already started.
彼が到着したとき、映画はすでに始まっていました。


上記の例文では、大過去を使って二つの過去の出来事を順序立てて説明しています。一つは「彼が到着した」という出来事、もう一つは「映画が始まった」というさらに前の出来事です。

二つの出来事のうち、より過去に起こったのが映画の上映であるため、大過去を示す「had started」が主語の「the movie」とともに使用されています。

大過去と過去完了・仮定法過去完了との違い

大過去は文法上、過去完了と仮定法過去完了と同じように表されます。しかし、意味はいずれも異なるため、使い分けるには違いを理解することが欠かせません。

それぞれの違いが理解できるように、ここからは例文を用いて解説します。

過去完了:過去のある時点まで継続している

過去完了形は、過去のある時点までに完了した動作や状態を表す時制です。過去のある時点と、その前に継続していた出来事との関係を強調する際に使用されます。

以下の例文を見てみましょう。

He had not known about the facts until he read the book on World War II.
彼は第二次世界大戦に関する本を読むまで、その事実について知りませんでした。

上記の例文では「本を読む」動作を完了させるまで「事実を知らなかった」状態が続いていたことが説明されています。
冒頭の言葉を用いて解説すると、過去のある時点が「本を読む動作」に、その前に継続していた出来事が「事実を知らない状態」に該当します。

過去完了形と大過去は、どちらも「had+過去分詞」の形を取る点で同じです。しかし、上記を踏まえると訳し方に違いがあるといえます。

前述のとおり、過去完了形は過去の出来事が特定の時点まで継続していたことを示すため、継続の意味合いを持たせた訳し方をしなければなりません。
たとえば「弟が帰宅するまでに、私は2時間英語を勉強していた」などが考えられます。

一方、大過去は単に過去のある時点より前に起こった出来事を示す文法であるため、継続の意味合いを持たせた訳し方は不要です。
ただし、より過去に起こったことが伝わるように「すでに」といった表現を用いる必要があります。

仮定法過去完了:過去に起きていないことを表現

仮定法過去完了は、実際は過去に起こらなかった出来事や状態を仮定する際に使用される文法で、想像や後悔を伝える場合に用いられます。文法構造は「If 主語 had+過去分詞~, 主語 助動詞(would, could, might, shouldなど)+have+過去分詞~」です。

実際に例文を見てみましょう。

If he had left earlier, he would have caught the plane.
もし彼が早く出発していたら、飛行機に間に合ったでしょう。

上記例文の場合、実際は彼が早く出発しなかったため、飛行機には間に合っていません。そこで「もし彼が早く出発していたら」と仮定の形式で、実際には起こっていない想像を伝えています。

仮定法過去完了は過去の事実とは異なる出来事を仮定する文法であるのに対し、大過去は単に過去のさらに前の出来事を表す文法です。仮定法過去完了と大過去の文法構造は似ているものの、意味には明確な違いがあるといえます。

大過去の否定文:「had not+過去分詞」で表す

大過去の否定文は「主語 + had not + 過去分詞」で表されます。

実際の例文を見てみましょう。

She had not tasted sushi before she visited Japan.
日本を訪れる前に、彼女は寿司を食べたことがありませんでした。

上記の例文において、大過去の否定に該当するのは「had not tasted sushi」の箇所です。「日本を訪れる」という過去の時点より前には、寿司を食べたことがないと大過去の否定文を用いて説明しています。

大過去の疑問文:「Had+主語+過去分詞~?」で表す

大過去の疑問文は「Had+主語+過去分詞~?」で表されます。

否定文のときと同じく、こちらも例文を交えて解説します。

Had he finished his homework before his mother got home?
彼の母が帰宅する前に、彼は宿題を終えていましたか?

上記の例文において、大過去の疑問を示しているのは「Had he finished his homework」の部分です。「彼の母が帰宅する」という過去の時点より前に、彼は宿題をやり終えていたのかを大過去の疑問文を用いて尋ねています。

なお、疑問文に対する答え方は過去完了形と同じです。肯定の返事は「Yes, 主語 had.」、否定の返事は「No, 主語 had not (hadn’t).」と答えます。

大過去の問題

学習内容の理解をさらに深めるため、実際に大過去の問題を解いてみましょう。英文と日本語訳を読み、最も適切な選択肢を選んでください。

解き終わった後は、必ず答え合わせを行い、解説を読みましょう。

肯定文の問題

彼女が家に戻ったとき、彼はすでに出発していました。
She found that he ( ) by the time she returned home.

1.left
2.had left

上記の英文で注目すべきは「by the time she returned home」という表現です。この表現は、彼女が戻る前にすでに何かが起きていたことを示しています。このような「過去のさらに過去」を表現する際、使われるのが大過去です。したがって、正解は「2. had left」だと判断できます。

否定文の問題

彼女が到着する前に、彼は手紙を受け取っていませんでした。
He ( ) the letter before she arrived.

1.did not receive
2.had not received

上記の例文を見てみると、過去形の「arrived」が使われているのがわかります。つまり、彼が手紙を受け取っていなかったことは「arrived」より前に起こった出来事だと判断できます。したがって、正解は「2. had not received」です。

疑問文の問題

テストの日までに、彼はすでにすべての復習を終えていましたか?
( ) he ( ) all his revision before the test day came?

1.Did, finish
2.Had, finished

過去のある時点が何かを把握するために、上記の例文から過去形を探すと「came」を見つけられます。さらに、設問の日本語を見ると、テストの日が来る前に彼がすべての復習を終えていたかを尋ねていることがわかります。過去のさらに前に起こった出来事を尋ねるには、大過去の疑問文を使わなければなりません。
したがって、正解は「2. Had, finished」だと判断できます。

まとめ

大過去は、過去のある時点よりもさらに過去に起こった出来事を表現する文法です。過去完了形や仮定法過去完了形と似た構造を持っていますが、意味や用途には明確な違いがあります。過去の出来事の前後関係を正確に伝えるためには、それぞれの違いを理解し、適切に使い分ける能力が欠かせません。

この記事を通じて、大過去の正しい使い方を身につけ、英語の得点力アップを図りましょう。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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