相加相乗平均とは?公式・証明から使い方までわかりやすく解説!(練習問題付き)

数学 2024.3.25
相加相乗平均とは?公式・証明から使い方までわかりやすく解説!(練習問題付き)

相加相乗平均の公式の意味がわからない」「どんな場面で公式を使えばいいかわからない」とのように、相加相乗平均の公式は知っていても、実際に使えるほど正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。

相加相乗平均は、対数関数は高校の数学Ⅱで学習する単元です。二次関数の問題や指数関数の問題など、ほかのテーマの問題の途中で利用することが多く、知っていないと解けない問題もあります。

本記事では一般的な相加相乗平均だけでなく、3つの変数における相加相乗平均や使い方についても解説していきます。

相加相乗平均をマスターすることで、難しい問題も整理して解けるようになります。色々な形で頻繁に出題される分野なので、ぜひ最後まで読んでください!

この記事で分かること
・相加相乗平均の公式について
・相加相乗平均の証明について
・相加相乗平均の使い方と練習問題

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    相加相乗平均とは実数の和と積の関係のこと

    相加相乗平均の関係とは、「2つの実数a、b(a>0、b>0)がある時、(a+b)/2≧√abが成り立ち、等号が成り立つのはa=bの時である」という公式のことをいいます。

    ※実数の意味がわからない人は、▶実数とは何かを即理解&試験で使えるテクニックとは?をご覧ください。

    相加相乗平均の公式

    また、(a+b)/2をaとbの相加平均といい、√abのことを相乗平均といいます。次の章では、相加相乗平均が成り立つ理由(証明)を解説します。

      相加相乗平均の証明

      では、相加相乗平均の関係が常に成立することを証明していきます。

      a>0、b>0の時、
      a+b-2√ab
      =(√a)2-2・√a・√b+(√b)2
      =(√a-√b)2≧0

      よって、a+b-2√ab≧0となるので、両辺を整理して(a+b)/2≧√ab となります。

      また、(√a-√b)2=0より、等号は√a=√b、すなわちa=bの時に成立します

      以上で相加相乗平均の証明ができました!

      相加相乗平均を用いる場面は?

      相加相乗平均は、最小値を求める問題など様々な場面で活用できます。本章では、例題を1つ使って、相加相乗平均の使い方をイメージして頂ければと思います。

      例題

      a>0とする。この時、a+1/2aの最小値を求めよ。

      解答&解説

      相加相乗平均より、

      a+1/2a ≧ 2・√a・(1/2a)

      です。右辺を計算すると、

      2・√a・(1/2a)=√2

      なお、a=1/2aが成立するとき、すなわちa=√2/2 のとき、等号が成立します。よって、a+1/2aの最小値は√2となります。

      相加相乗平均の使い方がイメージできましたか?

      今までは、aとbという2つの変数の相加相乗平均を解説してきました。しかし、相加相乗平均は3つの変数でも活用できます。次の章からは、3つの変数の相加相乗平均を解説します。

      変数が3つの場合

      変数が3つある場合の相加相乗平均は、「(a+b+c)/3≧(abc)1/3」となり、等号が成り立つのはa=b=cの時です。

      ただし、a>0、b>0、c>0とする。

      変数が3つある場合の相加相乗平均

      次の章では、変数が3つの相加相乗平均の証明を解説します。

        相加相乗平均の証明【変数が3つの場合】

        では、変数が3つの場合にも相加相乗平均の関係が常に成立することを証明します。

        まず、x3+y3+z3-3xyz=(x+y+z)(x2+y2+z2-xy-yz-zx)・・・①

        ここで、x>0、y>0、z>0の時、①の右辺は、

        x2+y2+z2-xy-yz-zx
        =(2x2+2y2+2z2-2xy-2yz-2zx)/2
        ={(x-y)2+(y-z)2+(z-x)2}/2≧0

        となります。よって、①よりx3+y3+z3-3xyz≧0となりますね。

        式を変形して、(x3+y3+z3)/3≧xyz・・・②

        となります。ここで、x=a1/3、y=b1/3、z=c1/3とおくと、②は、(a+b+c)/3≧(abc)1/3となることがわかりました。

        等号は、x=y、y=z、z=xの時、すなわちa=b=cの時に成り立つことがわかります。

        変数が3つの場合の相加相乗平均の証明は以上になります。

          相加相乗平均の問題

          最後に、相加相乗平均の問題を紹介します。基本的なものばかりですので、以下の問題は必ず解けるようにしておきましょう!

          【問題①】

          a>0、b>0とする。

          この時、(b/a)+(a/b)≧2となることを証明せよ。

          【解答&解説】

          相加相乗平均より、

          (b/a)+(a/b)≧2・√(b/a)・(a/b)

          が成立します。

          √(b/a)・(a/b)=1

          であるため、

          (b/a)+(a/b)≧2

          となります。

          【問題②】

          a>0、b>0とする。

          この時、ab+(9/ab)≧6となることを証明せよ。

          【解答&解説】

          相加相乗平均より、

          ab+(9/ab)≧2・√ab・(9/ab)

          が成立します。

          √ab・(9/ab)=3

          であるため、

          ab+(9/ab)≧6

          となります。

          【問題③】

          a>0、b>0とする。

          この時、(2a+b)(2/a + 1/b)≧9となることを証明せよ。

          【解答&解説】

          まずは、

          (2a+b)(2/a + 1/b)≧9

          の左辺を展開してみましょう。すると、

          4+(2a/b)+(2b/a)+1≧9

          となるので、

          (2a/b)+(2b/a)≧4

          より、両辺を2で割って、

          (a/b)+(b/a)≧2

          となります。

          つまり、この問題は「(a/b)+(b/a)≧2を証明せよ」という問題と同じであることがわかりますね。

          相加相乗平均より、

          (a/b)+(b/a)≧2・√(a/b)・(b/a)

          なので、問題①から

          (a/b)+(b/a)≧2

          が証明され、同時に(2a+b)(2/a + 1/b)≧9となることも証明されました。

            まとめ

            相加相乗平均の公式や使い方が理解できましたか?

            相加相乗平均は高校数学で忘れがちな公式の1つですが、様々な場面で活用される重要なテーマです。相加相乗平均を忘れてしまったときは、また本記事で相加相乗平均を復習しましょう!

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            この記事の執筆者

            ニックネーム:やっすん

            早稲田大学商学部4年
            得意科目:数学