相加相乗平均とは?公式・証明から使い方までが簡単に理解できます(練習問題付き)

数学 2022.12.14
相加相乗平均とは?公式・証明から使い方までが簡単に理解できます(練習問題付き)

高校数学における、相加相乗平均について、数学が苦手な生徒でも理解できるように解説します。

現役の早稲田生が相加相乗平均について丁寧に解説しています。

相加相乗平均は、数学の問題の途中で利用することが多く、知っていないと解けない問題もあったりします。

本記事では、一般的な相加相乗平均だけでなく、3つの変数における相加相乗平均や、使い方についても解説していきます。

相加相乗平均について充実の内容なので、ぜひ最後まで読んでください!

 

    1:相加相乗平均とは?(公式)

    まずは、相加相乗平均とは何か(公式)を解説します。

    相加相乗平均とは、「2つの実数a、b(a>0、b>0)がある時、(a+b)/2≧√abが成り立ち、等号が成り立つのはa=bの時である」という公式のことをいいます。

    ※実数の意味がわからない人は、実数とは何かについて解説した記事をご覧ください。

    相加相乗平均の公式

    また、(a+b)/2をaとbの相加平均といい、√abのことを相乗平均といいます。

    以上が相加相乗平均とは何か(公式)についての解説です。

    次の章では、相加相乗平均が成り立つ理由(証明)を解説します。

     

      2:相加相乗平均の証明

      では、相加相乗平均の証明を行っていきます。

      a>0、b>0の時、

      a+b-2√ab

      =(√a)2-2・√a・√b+(√b)2

      =(√a-√b)2≧0

      よって、

      a+b-2√ab≧0

      となるので、両辺を整理して

      (a+b)/2≧√ab となります。

      また、等号は

      (√a-√b)2=0

      より、

      √a=√b、すなわち

      a=bの時に成り立ちます。

      以上で相加相乗平均の証明ができました!

       

      3:相加相乗平均の使い方

      相加相乗平均はどんな場面・問題で使うのでしょうか?

      本章では、例題を1つ使って、相加相乗平均の使い方をイメージして頂ければと思います。

      使い方:例題

      a>0とする。この時、a+1/2aの最小値を求めよ。

      解答&解説

      相加相乗平均より、

      a+1/2a ≧ 2・√a・(1/2a)

      です。

      右辺を計算すると、

      2・√a・(1/2a)

      =√2

      となるので、

      a+1/2aの最小値は√2となります。

      相加相乗平均の使い方がイメージできましたか?

      今までは、aとbという2つの変数の相加相乗平均を解説してきました。

      しかし、相加相乗平均は3つの変数でも活用できます。次の章からは、3つの変数の相加相乗平均を解説します。

       

        4:変数が3つの相加相乗平均

        変数が3つある場合の相加相乗平均は、「(a+b+c)/3≧(abc)1/3」となり、等号が成り立つのはa=b=cの時です。

        ただし、a>0、b>0、c>0とする。

        変数が3つある場合の相加相乗平均

        次の章では、変数が3つの相加相乗平均の証明を解説します。

         

          5:変数が3つの相加相乗平均の証明

          少し複雑な証明になりますが、頑張って理解してください!

          まず、

          x3+y3+z3-3xyz

          =(x+y+z)(x2+y2+z2-xy-yz-zx)・・・①

          です。ここで、x>0、y>0、z>0の時、①の右辺は、

          x2+y2+z2-xy-yz-zx

          =(2x2+2y2+2z2-2xy-2yz-2zx)/2

          ={(x-y)2+(y-z)2+(z-x)2}/2≧0

          となります。よって、①より

          x3+y3+z3-3xyz≧0となりますね。

          式を変形して、

          (x3+y3+z3)/3≧xyz・・・②

          となります。

          ここで、x=a1/3、y=b1/3、z=c1/3

          とおくと、②は、

          (a+b+c)/3≧(abc)1/3

          となることがわかりました。

          等号は、

          x=y、y=z、z=xの時、すなわちa=b=cの時に成り立つことがわかります。

          変数が3つの場合の相加相乗平均の証明は以上になります。

          次の章では、相加相乗平均の問題をいくつか出題します。ぜひ解いてみてください!

           

            6:相加相乗平均の問題

            では、早速相加相乗平均の問題を解いていきましょう!

            問題①

            a>0、b>0とする。

            この時、(b/a)+(a/b)≧2となることを証明せよ。

            解答&解説

            相加相乗平均より、

            (b/a)+(a/b)≧2・√(b/a)・(a/b)

            となるので、

            (b/a)+(a/b)≧2

            となります。よって示された。

             

            問題②

            a>0、b>0とする。

            この時、ab+(9/ab)≧6となることを証明せよ。

            解答&解説

            相加相乗平均より、

            ab+(9/ab)≧2・√ab・(9/ab)

            となるので、

            ab+(9/ab)≧6

            となる。よって、示された。

             

            問題③

            a>0、b>0とする。

            この時、(2a+b)(2/a+1/b)≧9となることを証明せよ。

            解答&解説

            まずは、

            (2a+b)(2/a+2/b)≧9

            の左辺を展開してみましょう。すると、

            4+(2a/b)+(2b/a)+1≧9

            となるので、

            (2a/b)+(2b/a)≧4

            より、両辺を2で割って、

            (a/b)+(b/a)≧2

            となります。すると、問題①と同じになりましたね。

            相加相乗平均より、

            (a/b)+(b/a)≧2・√(a/b)・(b/a)

            なので、

            (a/b)+(b/a)≧2

            が証明されました。

             

              まとめ

              相加相乗平均の公式や使い方が理解できましたか?

              相加相乗平均は高校数学で忘れがちな公式の1つです。

              相加相乗平均を忘れてしまったときは、また本記事で相加相乗平均を復習しましょう!

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              この記事の執筆者

              ニックネーム:やっすん

              早稲田大学商学部4年
              得意科目:数学