真数条件とは?対数を考える上で重要な真数条件を徹底解説!

数学 2019.12.20

対数の問題において、真数条件と底の条件は、常に気を配っておかなければなりません。
特に記述問題では、真数条件や底の条件の記述を忘れていたために、答えを導くための不等式が足りず、答えが合わないことがあります。
受験生にとっては、真数条件や底の条件の記述漏れは小さなミスかもしれません。
しかし、対数の定義と照らして考えると、真数条件や底の条件を忘れることは、数学を扱う上で非常に危険なことです。
この記事では、真数条件や底の条件など、対数についてまとめます。

1、真数条件を学ぶ前に必要な対数の復習

真数条件や底の条件についてお伝えする前に、対数関数の定義と用語について復習しましょう。
早速ですが、y=2xについて考えます。

対数

このグラフについて考えると、

x=1のときy=2
x=2のときy=4
x=3のときy=8
x=4のときy=16
x=5のときy=32

指数関数 y=2x は、xに値を代入することによってyの値がただ一つに決まります。
数学では 2xのxの部分を「指数」と言いますから、この関数を指数関数と呼びます。
一般的に、ax=Mについて、aを底、Mを真数と言います。

上のグラフを見ると、先にも言ったように「xの値が決まればyの値がただ一つに決まる」ことがわかります。逆に、「yの値がただ一つに決まれば、xの値もただ一つに決まる」こともグラフから読み取ることができます。

式で考えると23=□のように、指数部分がわかっているときに真数部分を求める計算を行うのが指数関数です。

逆に2=8のように、真数と底から、指数部分を導くような計算も考えられます。
2=8のような、簡単なものであれば、すぐに求めることができますが、
2x=7なら、xは無理数になりコンピューターを使わなければ求められません。

そこで、このxの値を表すのに、対数の概念を導入します。
2x=7⇔x=log2⁡7
すると、このように定義することができます。このxは「2を何乗かしたら7になるような値」を表します。

一般には、ax=M ⇔ x=loga⁡Mとなります。
このとき、aを対数の底、Mを真数と言います。

y=loga⁡xのような方程式を考えたとき、xの値が決まればyの値はただ一つに決まりますから、yはxに関する関数であり、対数関数と呼ばれます。対数関数は、指数関数の逆関数です。

対数関数については以下にまとめてあります。
→対数関数の基礎を復習したい方はこちら!
→対数関数の練習問題を解きたい方はこちら!

2、真数条件・底の条件とは?

前章で対数関数の定義や、底、真数について復習しました。
対数関数は、指数関数の逆関数として定義され、
ax=M⇔x=loga⁡M
のaを底、Mを真数と言いました。

指数関数について考えるとき、底は1ではない値を考えます。
1は何乗しても1ですから、特に考える意義がないからです。

また、底に負の数を当てはめたとします。例えば、y=(-2)xのような関数を考えます。
すると、

x=1のときy=-2
x=2のときy=4
x=3のときy=-8
x=4のときy=16
x=5のときy=-32

となり、xが偶数か奇数かによって、yの値が正負を行き来します。

このような状態を振動すると言いますが、振動する関数を扱うのは面倒ですから、このような値も考えません。ですから、指数関数の底については、1ではない正の値について定義しています。

また、この条件を満たすような底をとったとき、真数は0や負の値をとることはありません。
底が1以外の正の数ですから、その数を何乗しても正の数しかとりません。

対数関数の真数条件や底の条件は、元はこの指数関数の底の条件と真数条件に由来しています。
指数関数において、底は1でない正数ですから、その条件は対数関数にも引き継がれます。
また、それにともなって、真数は正の数を取りますから、これが真数条件となります。
式にすると、loga⁡M にたいして
a≠1,a>0 かつ M>0 です。
この「M>0」が真数条件であり、「a≠1,a>0」が底の条件です。

真数条件や底の条件は、真数や底に文字が含まれるときには、常に気を付けておきましょう。
対数の問題が出題されたらまず、真数や底に文字が含まれているかどうかを確認してください。
文字が含まれていた場合は、回答用紙に真っ先に「真数条件より○○>0」「底の条件より○○≠1かつ○○>0」として、不等式を計算しておくだけでも部分点が狙えます。

 

真数条件は、対数関数のグラフを見ても明らかです。

真数条件

対数関数は指数関数の逆関数ですから、両者を見比べると、y = xに対して対称な図形になっています。
指数関数 y=2xについて y > 0 が成立しますから、その逆関数である y=log2⁡x の真数xは正の値をとりますので、x > 0 が成立します。
このことはグラフ上でも表れているでしょう。

 

存在しない数を扱ったときの危険性について、考えてみましょう。
例えば「最大の自然数は1である」という命題を証明してみます。
「最大の自然数Mが1ではない」と仮定します。
Mが1でない自然数ならば、Mの2乗はMより大きい自然数となります。
Mは最大の自然数ですが、Mの2乗というMより大きい自然数が存在しますから、Mは最大の自然数でないことなり、矛盾が生じます。
よって背理法により仮定が間違っていたことになり、「最大の自然数は1である」ことが証明できました。

ご存知の通り、最大の自然数が1であるはずがありません。
そもそもどのような大きい実数をもってきても、それより大きい自然数は必ず存在し、「最大の自然数」というものが存在しません。
この存在しないものを当たり前のように使ってしまったせいで、「最大の自然数は1である」などというものが証明されてしまったのです。
数学において、存在しない数や定義されていない数を扱うのは非常に危険です。
文字の入った対数を扱う際には、必ずその真数や底の範囲を気にかけておきましょう。

3、真数条件の練習問題

練習問題

問. 次の方程式を解け。
(1) logx⁡9=-2
(2) log2⁡(x+1)+log2⁡(x-2)=2

 

 

 

 

 

 

 

スクロールしたら解答・解説

 

 

 

 

 

 

 

解答・解説

(1) この問題では、底に文字が含まれています。
ですから、底の条件を考えましょう。
底の条件より、x≠1,x>0です。
問の方程式を変形してゆくと、
logx⁡9=-2
⇔x-2=9
練習1
となります。底の条件を合わせて考えると練習2は不適ですから、求める答えは
練習3です。

 

(2) この問題では真数部分に文字が含まれていますから、真数条件を使います。
真数条件より、
「x+1 > 0 ⇔ x > -1 かつ x-2 > 0 ⇔ x > 2」です。まとめるとx > 2です。
問の不等式を計算してゆくと、
logx⁡(x+1)+log2⁡(x-2)=2
⇔log2⁡(x+1)(x-2)=2
⇔log2⁡(x+1)(x-2)=2log2⁡2
⇔log2⁡(x+1)(x-2)=log2⁡22 

よって
(x+1)(x-2)=4
⇔x2-x-6=0
⇔(x-3)(x+2)=0
⇔x=-2,3

となります。真数条件がx>2ですから、x=-2は不適です。
よって求める答えはx=3です。

4、真数条件まとめ

最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、真数条件や底の条件についてまとめました。
真数条件や底の条件は、対数の問題を解くうえで常に気を配っておく必要があります。
loga⁡Mにたいして、「真数条件 M>0」と、「底の条件 a≠1,a>0」です。
対数関数は指数関数の逆関数として定義されていますから、この真数条件や底の条件も指数関数に由来するものです。
最後にまとめたように、存在しない数を扱うことは、数学において非常に危険なことです。
底や真数部分に文字が含まれている場合には、まず真数条件や底の条件を記述することを癖づけましょう。
ご参考になれば幸いです。

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この記事の執筆者

ニックネーム:受験のミカタ編集部

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