対数関数とは?logの公式や性質・グラフの書き方まで解説!
「対数関数の定義や性質が分からない」「logの公式やグラフの見方が分からない」とのように、対数関数という単元そのものに躓いている方も多いのではないでしょうか。
対数関数は高校の数学Ⅱで学習する、指数を発展させた単元です。公式やグラフを覚えることで対数関数の性質が分かり、試験で解けるようになります。
練習問題を基に、公式の使い方やグラフの見方を解説していくので、この機会に対数関数の苦手意識を克服しましょう。
また、対数関数をマスターすることで、微分・積分の理解も深めることができます。さまざまな分野に登場する性質上、得点源になる単元なので、この記事を最後まで読んで点数アップに役立ててください。
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・logの定義についての理解
・対数と指数の関係性について
・対数関数の7つの公式の使い方
1.対数関数(log)とは
1-1.対数と指数の関係性:同じ概念を別称した存在
1-2.具体的な数を求めるために「log」を使う
2.対数関数の性質(底と真数の条件)
3.対数関数の公式
4.対数関数のグラフ
5.対数関数の練習問題
対数関数(log)とは
対数関数とは、y=logaXに対し、Xに数字を入れてyを返す関数です。覚えるために定義を確認しておきましょう。
ax = M ⇔ x = logaM
aを対数の底(てい)、Mを真数、xは「aを底とするMの対数」という
定義を見てもイメージが掴みにくいと思うので、指数との関係性を踏まえて対数関数の背景や考え方を解説します。
対数と指数の関係性:同じ概念を別称した存在
対数とは▲を□乗すると◯になるかを考えるものです。この時の□は指数といい、1つの数を何回かけるかを表しています。
例えば、2を3乗する(2を3回かける)と8になりますよね。この場合□に当たる部分は3になるため、この時の指数は3になります。▲の部分は対数といい、対数関数においてはlogという表記で表されます。
先程の2を3乗すると8になる例をlog表記に当てはめると、log28=Xとなり、ここでの対数は「2を何乗すると8になるか」を考えているものです。これを対数で定義すると「23 = 8 ⇔ 3 = log28」と表現されます。
対数と指数は切っても切れない関係なので、それぞれの意味についてしっかりと理解しておきましょう。
具体的な数を求めるために「log」を使う
先程logという記号が出てきましたが、なぜこのような概念が必要なのでしょうか。もちろん 3 = log28 のような、すべて整数で表されるようなものであれば、わざわざ対数の概念を考える必要はありません。
しかし、「2x = 9」のようなものであればどうでしょう。xに入る数字は、「3.333….」になり、整数で表すことができません。整数で指数を表すことができない場合でも、logを使うことによって、2x = 9 は x = log29 と表すことが可能です。
対数関数の性質(底と真数の条件)
ここでは、底や真数に課せられた条件の意味や背景を解説していきます。先程、指数で ax = M を考えたときに、底 a には条件があったのを覚えているでしょうか。底値a が負の値になってしまったときには、M の値が振動して非常に考えづらくなってしまいます。
また、底が1の場合には M はずっと1になってしまい、考えても仕方がありません。ですので、指数関数の底には以下のような条件がありました。
これを底の条件と言います。また、このような条件があった場合にMの値はどうなるでしょう。a は1以外の正の値をとります。その a を何乗したところで、正の数にしかなりませんよね。そのため
という条件が導かれます。これを真数条件と言います。
M > 0(真数条件)
対数の問題を考えるときには、この2つの条件を常に意識するようにしてください。底や真数部分に x などの文字が入っていた場合に、その文字には自動的に範囲が設定されることになります。
対数関数の公式
対数の分野で覚えるべき公式は5つです。しっかり使えるようにしましょう。
まずは基本の5つの公式です。
①の式は、こちらの記事をもう一度確認しましょう。②の式については、真数の掛け算がどうなるか、というものです。指数法則を思い出しましょう。
ここで、「指数と対数は同じもの」であること、ax = M という指数の定義も思い出しましょう。ax = M, ay = N とするなら、左辺は真数同士の掛け算になりますね。右辺、指数部分を見ると、指数(=対数)同士の足し算になっていますね。つまり、真数同士の掛け算と対数の足し算が対応しているのです。
②の式を見ると同様に、真数同士の掛け算と対数の足し算が対応しています。つまり②の式は
を対数の形に変形しただけで、結局は指数法則を表しているのです。③の式も②の式と同様に変形できます。対応する指数法則は
です。④の式も指数法則に対応しています。
に対応しています。どうぜ覚えるなら、より発展した、
を覚えましょう。つまり、対数で覚えるべき①から④の式は、指数法則で覚えた式に対応しているのです。⑤は底の変換公式と呼ばれます。①から④の公式は底が同じでなければ使うことができません。底が異なる場合に用いるのが、⑤の公式です。
余裕があれば以下の2つの公式も覚えてしまいましょう。
⑥は、対数の定義に照らし合わせると、当然のことです。対数 x = logaM は「a を何乗するとMになるか、という値をxとする」という意味でした。loga1 = 0 をみると、「数 a を0乗すると1になる」ということを表していることになりますよね。これは指数法則で習った通りです。
⑦の式は一見、複雑に感じられますが、実は対数の定義そのものなのです。
定義式①の右の式を、①の左の式に代入してみてください。そのまま⑦の形になるはずです。logaM は「a を何乗するとMになるか」という数です。⑦の式を見ると、a を「a を何乗するとMになるか」乗しているのですから、右辺がMになるのは当然のことです。
対数関数のグラフ
y = logaX を、a を底とする x の対数関数といいます。対数関数で重要なのは、x の値が増加したときに y の値がどうなるかです。これは底 a の値によって異なります。
それぞれの定義域と値域にも注意してください。下のどちらのグラフも x は負の値にはなっていませんね。そして y の値は全ての実数の値をとります。この「x は負の値をとらない」ということが、対数の真数条件と対応しています。真数条件については、上記の対数の範囲のところを確認してください。
a > 1 のとき、x の値が増加すると、yの値も増加する。
0 < a < 1 のとき、x の値が増加すると、yの値は減少する。
対数関数の練習問題
【問題】
【解答・解説】
対数の問題を考えるときには、まず底を確認しましょう。
この問題では底が 1/3 になっています。先ほど書いたように、対数には「0 < a < 1」という性質がありますので、面倒です。よって、底を1より大きい値に変換してしまいましょう。このときに用いるのが底の変換公式です。
対数の計算法則を使うと以上のように変形できます。ここで、t = log3x とおきましょう。「よく出るものは別の文字に置き換える」と式が見やすくなります。そして「置いた文字は定義域に注意」してください。この場合は、
という t の範囲が導かれます。すると
二次方程式の最大値最小値の問題になりましたので、平方完成をしましょう。t の範囲に注目すると、最大値最小値が導かれます。t = log3x とおきましたので、x = 3t となりますので、答えは以下のようになります。
まとめ
最初にも述べたように、対数の問題は「計算ができるだけで点数がもらえる」分野です。しっかり計算して、計算方法を頭に馴染ませるところから始めましょう。